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CIVILSESSION 07: POCKET

開催日:2017年10月21日

CIVILSESSIONはクリエイティブチームCIVILTOKYOのメンバーが様々な分野の方と行うアートセッションです。決められたキーワードを元に、発表者たちが一週間で作品を制作します。キーワード発表から一週間後にそれぞれの作品のプレゼンを行い、参加者の投票でグランプリを決定します。

第7回目のキーワードは「POCKET」。
CIVILTOKYOの3名とゲスト参加者2名の計5名で行いました。
ゲスト参加者は以下の通りです。

・長嶋恭介(ファッションデザイナー)
・井出竜郎(アーキビスト)

グランプリは長嶋恭介に決定しました。

POCKET という具体的な言葉がキーワードとなった今回は、それぞれの解釈のジャンプのさせ方が作品に色濃く現れました。長嶋の作品はポケットの中身からその人を想像して、その人のファッションを想像するという二段ジャンプの作品であることがそれを顕著にさせているような気がします。
胃袋を四次元ポケットと仮定したり、記憶をポケットと仮定したりと言葉を変換させていく作品と、キーワードをただのとっかかりとしてのみで扱う作品、概念を掘り下げる作品とそれぞれバラバラな捉え方の中でも、共通して全ての作品がモノであるという不思議な共通点があった回でした。


① 長嶋恭介(ファッションデザイナー)/who is in your pocket ?

ポケットと聞いて、あまり知らずに作っていると思い、ポケットの成り立ちや関連する記事を調べました。気になったのは、フランス革命でプライバシーや財産のあり方に変化が起き、ポケットが普及した事や、アメリカの女性議員がポケットがない服を着て演説を行い、隠し事が無いアピールをした、というものです。
そこから私はポケットの中には秘密があるのでは、と考え、知人やSNS上で「ポケットの中身(または最低限持ち運んでいるもの)を見せてください」と頼んでみました。誰が何を送ってくれたか分からない状態にして、その所持品の種類やデザイン等から、それを持っていそうな人物を勝手に想像し、スケッチに起こして発表しました。

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② 杉浦草介(デザイナー)/記憶ポケット

ポケットとは物を持ち運び、必要な時に簡単に取り出せるようにしたものです。これを物質的な、外面のポケットとした場合、内面のポケットとは何かを考えてみました。得た情報を保管できて、かつ必要な時に取り出せるという点で「記憶野」とはある意味で内面的なポケットとも言える気がします。
自分の知人・友人(計15名)に「写真を見ず記憶を頼りに、僕の顔を描いてください」とお願いし、それをまとめた本にしました。絵と対のページには、描いてくれた方をいつから知っているのか、最後に直接会ったのはいつか、を記載しました。自分が死んだとき、この方達に残るのは、記憶ポケットに入ったこの顔です。

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③ 根子敬生(デザイナー)/四次元ポケットは存在した!?

キーワードを聞いて、四次元ポケットを作りたいな、と思ったんですが、自分で作らなくても、食べたものが無限に消えていく四次元ポケットを持っている、フードファイターという人種がいると思い、その魅力を伝えるために大食いの楽しみ方についてのプレゼンを行いました。フードファイターの能力値を視覚化するために胃力、顎力、喉力をパラメータにしたトレーディングカードを作成しました。

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④ 伊藤佑一郎(写真家)/洗われたアイポケアイドルたち

「ポケット」というキーワードから、ファッションの作品を作ろうかとあれこれ考えを巡らせたのですが、どのアイディアもぱっとしないなと思っていた時に、まいばすけっとというスーパーのサイネージで映っていた星座占いに10月生まれのラッキーワードに「アイディア」という言葉が出てきて、これだ!と思い、ポケット+アイディアをあわせてIDEAPOCKETというAVメーカーの女優たちを作品にしようと思いつきました。日々体をはって頑張っている女優の皆さんをプリントし、様々な洗剤をかけて洗ってみようとおもいました。インクがただれる様子がきれいだったので、それを作品として発表しました。

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⑤ 井出竜郎(アーキビスト)/肌身離さず

まずはポケットそのものを意識するために、次の二つのアクションに取り組みました。
「1)ポケットを空にする(ポケットを裏返して何も入っていないと示す)」
「2)ポケットをいっぱいにする(靴下を詰められるだけ詰めてみる)」
シンプルなアクションだけど、物が収まっているとなんとなく落ち着く。そんな「安心感」のインスピレーションから考えてみました。
実際に何をポケットに入れているのだろう?と自分の持ち物を見てみると、iPhone、財布、Suicaなど日常生活を過ごすうえで「肌身離さず」持ち歩いているモノばかり。そして、それがポケットに入っていると意識せずともやっぱり安心しています(反対にどこかに忘れると不安)。
今回は自分自身に安心感を与えるために、自分が肌身離さず持ち歩いているモノを象徴化したぬいぐるみを作り、それを実際にポケットに入れる作品にしてみました。

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