今夜、ハードロックカフェにて @第15夜
昼下がりの東京。ここは上野、ハードロックカフェ。
今日もまた、客もまばらな店内の片隅で
ニューウェーブ好きな先輩(40代後半趣味映画音楽鑑賞酒孤独)とギターロック好きな後輩君の
ビール片手にダベりタイムが始まる。。。
「先輩、久しぶりのハードロックですね」
「だな。コロナだかパナマだか知らねーが、本当にいい迷惑だぜ」
「なんすか?パナマって」
「ヴァン・ヘイレンR.I.P.」
「ああ。で、最近はどんな音楽聴いてんすか?」
「最近なあ、やたら朝早く目が覚めるんだよ」
「はあ。何時くらいすか」
「2時」
「思いっきり丑満時じゃないすか。それ、朝じゃなくて深夜ですよ。さっきまで頭の中で用意してた「あんた、老人かい!」ってツッコミが飛んじゃいましたよ」
「2時はまだ暗いぞ〜」
「知ってますよ。小学生じゃないんですから」
「でね、寒いから石油ストーブをつけて、ヤカンをその上に置くんだよ」
「昭和すな〜」
「で、身体が暖まるまで、ストーブの前にボーッと待機する。でね、その時に聴く音楽をずっと探してたんだよ」
「なんすか、そのシチュエーションは」
「最初は、レディオヘッドを聴いてたんだけど、なんか違うんだよね」
「まあ、石油ストーブって感じではないですな」
「で、ようやくフィットする音楽を見つけたんだよ」
「はあ」
「ジョシュア・ラディンのIN YOUR HANDSっていう曲なんだけど」
「知らないです」
「俺もさ、最近知ったんだよ。古くから活動してるアーティストみたいなんだけどさ。まあ、この季節の「朝2時に石油ストーブの上にヤカンを乗っけた後にストーブの前で身体が暖まるのを待ってる間に聴く音楽」なんだよ」
「シチュエーション、隙間っすね」
「まあ、お前もさ、朝2時に石油ストーブの上にヤカンを乗っけた後に、ストーブの前で身体が暖まるのを待ってる間に聴いてみてよ」
「(笑)了解す」
「あ!ニューオーダーの新曲かかった!」
「いつの間にリクエストしてたんすか!って、そこはジョシュア・ラディンじゃないんかい!」
「ああ、だってジョシュア・ラディンは、朝2時に石油ストーブの上にヤカンを乗っけた後にストーブの前で手に息をフーフーしながら、温かいコーヒーを飲むか温かいスープを飲むかで迷ってる時に聴く音楽だから」
「シチュエーション、若干変わっちゃってるじゃないですか」
(2020年11月23日)
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