ゲームイベントを企画するときに忘れてはいけない5つのコツ
お疲れ様です、pontaです。
私の仕事のメインのひとつは「クラコロ」や「クラロワ新人王決定戦」、「クラロワ運動会」といったYouTube番組の企画、運営、制作をすることです。
また、前職ではいちユーザーの立場からクラクラの「世界戦・全国オフ」や「VERSUS」といったイベントに携わってきました。
とはいえ私も去年までは、一般企業でまじめな商品をまじめに売る職種でしたので、エンタメについては『まだまだ素人に毛が生えたような…』というコンプレックス的な気持ちはぬぐえずにいます。
でもそろそろ、プロとして胸を張らなければいけないころですよね。
そして、YouTubeというプラットフォームは、場数だけは短期間でたくさん踏ませてもらえるのがメリットでもあります。
PDCA、つまり「失敗して反省」をたくさん経験できるのです。
今日はその「失敗して反省」したあとの「学び」をまとめてみたいと思います。
秘伝のタレを公開!というよりも、人に読んでもらうていで、自分の中でもやもやしているものを言葉にする作業となっています。
1)企画の「面白さ」を理屈でしか語れない場合は、よくない
誰だって「つまらないもの」を作るつもりはありません。面白いものを作るために誠意をもって取り組んでいます。
ただ、企画を出すぞ!となったときに、いいアイディアが出なくて、苦し紛れに出た案に「これ面白いかも」と飛びついてしまうときはあります。
そういうアイディアはたいてい、『まじめな理屈』で出来ています。
このイベントは、有名プレイヤーが出るし、コミュニティのみんなが参加できるし、タイミングが良くて、面白いはずだ、みたいな。
「ロジックをこねくりまわしてできあがっている面白さ」といってもいいでしょう。
でも本当に好きな異性のことを理屈だけでは語れないように、本当にいい企画は、文字通り、理屈抜きのパワーがあります。
ぱっと聞いて、あ、面白そう、という力強さが企画からにじみ出ていないとダメなんですよね。
企画を聞かされたほうが理屈で理解したあと「それ面白いね」というようでは、だめなんです。
もちろん、面白さをあとから理屈で説明できる、とかはいいんですが。
まずもって感覚的なものが先にない企画はだめだなあと、思います。
2)企画のタイトルを聞いただけで(あるいは企画内容をちょっと聞いただけで)中身が万人に伝わるものでなければならない
1)と似ているんですが。
タイトルや概要を聞いただけで、誰もが簡単に理解できる“建てつけ”にしないとだめなんですよね。
わたしを含めて、みんなそんなに頭がいいわけではないので、こまごまとしたルールを設けても、理解できない人の多くが脱落してしまいます。コアファンは生まれても、マイナーイベントになってしまいます。
もちろん、太いルールの下にこまごまとしたルールを設けるのはアリです。というか必要です。いろんなケースを想定して、企画を詰め、あらゆるトラブルに備えておくのはむしろやらなければいけないことです。ただ、それはあくまで非常時用のそなえにすべきです。
建てつけはシンプルに「全国から強い人が集まって戦う!以上!」とか「ゴーレムだけを使う大会!以上!」みたいなのが理想ですね。
これが逆に「全国の上位3人と下位3人がチームを組んで、特定のユニットだけ使って…」みたいに細かくなってしまうと、それだけで見る人を絞るイベントになってしまいます。
昔、漢の劉邦という将軍が、それまでのこまごまとした法律を廃止し、たった3つ。「人を殺す者は死刑、人を傷つける者、盗む者はそれぞれ処罰する」とだけ発布し人々の人気をつかみました。
いや、公平性や競技性を求めだすと、つい細かくなってしまうんですけどね。
たとえば夏の甲子園だって、人口の全く違う島根と神奈川で代表校がひとつとか不公平じゃないですか。でもそれを「県ごとに代表一校で戦う(東京と北海道はのぞく)」というシンプルさで押し通しているから、わかりやすい。
とくにルールが浸透するまでの間は、いろいろぐっとこらえて、柱のルールはなるべくシンプルにするべきかなと思います。
3)演者が自分事にならなければいけない
制作側がいくら面白いと思っても、司会やYouTuberなどの演者が、この番組面白いなーとか、俺が面白くするぞーとか思わないとだめですね。
演者が「俺の企画だ」って思わない企画はたいてい、しょぼーんになりますね。
もちろん演者もプロですから、最高のパフォーマンスを見せるべく、最大限、努力はしてくれます。
それでもやはり、自分が考えた企画でない場合、「次はどうしましょう」みたいな受け身になってしまうので。
発する言葉も、宣伝の熱量も変わってきてしまいますよね。
4)企画から実施までの時間は長くとらなければならない
これは主に宣伝面、準備面ですかね。時は金なりっていいますが、予算がなくても時間さえあればリッチなコンテンツにすることができます。
逆に、予算があっても時間がなければどこか、仕込みの足りないイベントになってしまいます。(ごめんなさい…)
5)雑に呼びかける
「クラロワ運動会」がその最たるものなんですが、Twitter上で雑に、適当にドズルが思い付きを口にするときが一番上手くいくんですよね。
綿密に企画を立てて、モデルだのスキームだの、こざかしい言葉で組み立てた作戦は、わりとすべります。
雑呼びかけ、雑スタートはたぶん、面白さが一文に凝縮できているとか、熱量のある人だけが集まってきてくれるとかのメリットがあるんでしょうね。
コミュニティイベントは、あえて雑に、シンプルに、ミニマムにはじめるとうまくいくのかなと最近思っています。
この5つのほかに番組制作上の細かいハウツーはいくつもあります。あくまで企画のほうのハウツーですね。
そして、これらのことは、別に私が毎回、ちゃんとできているわけではないんですよ。後悔すること、多しです。
ただこうして言語化することで自分を戒めたいのと、もし私の会社で後輩ができたら、その人に伝承するために書きだしてみました。
ほかのイベンターの人にも、秘伝のタレを聞いてみたいですね。
以上、よろしくお願いします。
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