泉幸男『英語学習の極意』(文春新書)

ごきげんよう。

城牙咲くらは(じょうがさき・くらは)です。

今日ご紹介するのは、『英語学習の極意』(文春新書)という本です。

著者の泉幸男さんは東京大学教養学部でロシア語を専攻し、卒業後に国内最大手の総合商社に入社し、現在も活躍されています。

僕が銀座のギャラリーで絵画作品を展示している際に、ギャラリーにいらして、少しだけお話しを伺うことができました。とても紳士的な方でした。

総合商社=体育会系というイメージが抱かれがちですが、彼はアート作品のコレクターとしてもアーティスト達の間では有名です。

さて、文春新書から出版された『英語学習の極意』を説明しましょう。

この本は、英語学習をする前に読むべき本です。

「英語学習ですら大変なのに、それ以前に壁があるのか」と落胆されるかもしれませんが、正しい勉強法を心得るだけで勉強を効率的に勉強することができます(そして、ブログ感覚で読める文体です)。

僕の場合はフランス語がメインですが、この本を読んだ上で英語を勉強したら、日本語が全く分からない外国人の方々と「英語だけで」コミュニケーションをとって、アポを取ったり、遊びに行ったり、原始的な島で原住民の方と交流することもできるようになりました。

著者ご自身の語学学習の失敗談や、その中で会得した勉強法が書かれていますが、特にみなさんとシェアしたい箇所があります。

 わたしが総合商社に入った昭和59年(1984年)。外出先から職場の大部屋に戻ると、何百匹もの蜂が唸りをあげているよう。過半数の人たちが電話でしゃべっていた。ところが今のオフィスはとても静か。聞こえるのはメールを書くキーボードの音ばかり。
 インターネットの時代になり、「話せる」ことより「読み書き」のほうが、はるかにだいじな世の中に変わったのです。」(p.32)

ここです。

日本人の多くは「英会話信仰」を持っており、「ネイティブのように喋れない」=「恥ずかしい」という思い込みがあり、引っ込み思案になって喋る機会を無くし、どんどん英語から遠ざかってゆく。

この本の引用箇所にある通り、「読み書き」出来ればいいのです。

フランス語の翻訳をやっていると(あと、英語の話題になったりすると)、よく「じゃあ、もうフランス語(英語)はペラペラなんですか?」と聞かれますが、こういう質問をしてくる人に限って「語学の出来ない人」や「まともに語学学習をしたことがない人」だったりします。

「ペラペラ」とはどういうレベルを指しているのでしょうか?

僕の外国語の会話力でいうと、「話す用事のあることはだいたい話せるし、ネイティブの言っていることも大体分かるし、意思疎通もできる。」といったところです。

それでも、ネイティブほど綺麗な発音ができるわけでもないし、つっかえたりもするし、聞き取れないこともある。

それに、色々な国の人と話していると、お世辞にも綺麗な英語とは言えないけれど、それぞれの国ごとに訛りがあり、「その国の英語」があったりします。

当然、「分からない単語」があったり、「聞き取れない部分」、それに「言葉に詰まって、少し考えること」もあります。

でも、それって母国語でもありうることではないですか?

つまり、「日本の英語」として話せば良いのです(でも、LとRの発音はしっかりと分けないと大変なことになります)。

分からないことがあれば、聞き返せば良いのです。

「What does that mean?/Qu'est-ce que ça veut dire?(それってどういう意味ですか?)」

と聞けば、

「It means.../Ça veut dire...(こういう意味だよ)」

と教えてくれますし、それでも分からなければ、

「In other words.../C'est-à-dire...(言い換えるなら...)」

と対応してくれるものです。

つまり、外国語会話は「ちょっと出来ればそれで良い」し、「話す用事がなければ話さなくて良い」のです。

「読む・書く・聞く・話す」は、それぞれ全く違うスキルで、どの力を付けるべきかは人それぞれですよね。

外国語学習に興味がありつつも抵抗感がある人は、ぜひこの本を読んでみて下さい。

そして、自分は読み書きがしたいのか、会話がしたいのか、読めれば良いのか、聞けずとも話せれば良いのか、目標を明確になさって下さい。

この本を読むか検討している人に、著者の方が英語学習について話しているYouTube動画があります(こちら)。

日本最大手の総合商社に勤務するベテラン商社マンの「プレゼン方法」を見られる貴重な動画です!

それでは。

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城牙咲くらは

Twitter: @claha_jyogasaki

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