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音を「聴く」ことの難しさと現時点での対処法

みなさんこんにちは。
春っぽくなってきたかと思いきや急に寒くなったりと三寒四温を体感する日々ですね。
冬よりも圧倒的に夏が好きなんですけど、意外と世間は冬派が多いのを最近知りました。

今週末が本番だったのですこしまた更新が遅れましたが、必ず更新はするのでご安心いただければと思います。

さて、今回は、

音を「聴く」

事に関しての記事です。

よく合奏に出ていると指揮者や先輩、仲間から
「もっと良く音を聴きましょう」「みんなの音を聴きあうんだ!」「耳を使って」
なんて言われるんですけど、この「聴く」という動作。

いまいちよくわかんないまま楽器を続けてきたという方が多いのではないでしょうか。
実際僕もそうでしたし、なんとなくこうかな?って思い始めたのは確実に音大に入ってからです。

ということで今回は

・「聴く」ことによって得られる効果は何なのか
・普通に音を聞く(リスニング)のと、合奏での「聴く」は何が違うのか
・その鍛え方はどうするのか

などなど、が最近やっと自分の中で言語化できるような気がしてきたので、今回まとめてみようと思います。

「聴く」ということは演奏家なら一生付き合っていく問題ですし、クサノが感じていることは、この大きな課題の端っこに手がかかっただけの状態かもしれません。

ですが、こういう抽象的な行為を言語化している文章などはほとんどないですし、何か理解や考察の一助になればよいなと思って書いてみます。

では早速行ってみましょう。


音を「聴く」とはどういうことか

合奏中に音を「聴く」というのは、通勤中に音楽を聞くとか、演奏会やライブで音を聞くという「鑑賞」という意味とは全く違います。

一番しっくりくる表現だと「聴きたいパートにアンテナを飛ばす」とかそういう感じになります。

合奏は非常にたくさんの音が鳴っているので、普段の「鑑賞」モードの耳だとごちゃっとした音の塊みたいなものがなんとなく聞こえているという状態になります。

この状態だと自分の音をどのパートに合わせて吹くか、今どのパートが旋律を持っているのか、自分は和音のどのあたりを受け持っているかなどが不明瞭なまま吹くことになります。
こうなるとなんとなく音が合わないなあ、一体感が少ないなあ、なんて事態が起こることになります。

「聴く」という行為はこの音の塊を紐解いていくという作業になります。

ここで大事になるのが楽譜を頭の中に再現できるか、ということです。

楽譜を再現というのは、鳴っている音をソルフェージュしたあとにだいたいこんな感じかしら?と頭の中にスコアを作ることです。

ソルフェージュしてスコアを頭の中で再現し、自分がどのパートと同じことをやっていて、ここはどのパートがメインでどういう和音か、というのを瞬時に判断して音を合わせていくのが、音を「聴く」ことに付随する合奏のテクニックとなります。

これはクサノ流の考え方なのでもっと違ったアプローチがあるような気もします(例えばスコアを何かの絵に変換したりグラフに変換したりなど)

・・・・・・
えっと…ここまでくっそ難しいことを言っているのですがついてこれてますでしょうか…?
質問があればぜひコメントやDMでお知らせください。


で、このスコアを再現し自分の音のポジションを確保するためには音の塊をどうなっているのか紐解く必要があるわけですね。

ここが今回のメインである音を「聴く」という行為になります。

聴こえてくる音をスコアを想像しながら頭の中で組み立て、それと自分のパートを照らし合わせてどういう音色やどういう音程、どういうバランスで吹けばいいか考える行為=「聴く」なのです。

とはいえ、鳴っている音を全てソルフェージュし頭の中に再現できたら指揮者になるべきで、クラリネット奏者にそれを求めるのは酷というものです。

ということで、実践的な方法を考えてみることにします。
どのパートを集中して聴けばいいのかということですね。

合奏の中のクラリネットと一言で言っても、それがオーケストラなのか、吹奏楽なのか、少人数のアンサンブルなのかでまた考えることが違ってきます。

順番に考察してみましょう。

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