【OW2】競技シーンメタレポート~OWCS Asia 2024/02/26~03/10~

 こんにちは、レバンガ☆SAPPORO OW部門コーチのclank(@clank_ccc)です。

 現在はJapan、Korea、Pacificの地域大会に加え、NA、EMEAにおける予選も始まっています。
 この記事では特にAsia地域における流行の構成とその変遷を軽くまとめていきます。その後、予選段階のNA,EMEAの試合内容を参考に今後のメタ予想まで行っていきます。

 OWCS観戦のお供になれば幸いです。


ASIAの流行構成

Japan

 日本は他の地域に比べこれといった特定の構成の流行は見られず、各チームが特色を生かした戦術を選択しつつ、二週目からはKR,Pacific地域など外部地域の流行も取り入れている様子が見られました。

 予選であるJapanOpenの時から全体的な流行に大きな変化はないものの、各チームは時間とともに修正を重ね伯仲した実力の中でしのぎを削っています。

予選時よりやや煮詰まったものの、他地域に比べると明らかに多彩

 特にSixBlowがvs Pandia戦で見せたザリア構成は流行を先取りした構成と言えるでしょう。

初見時はかなり驚きました

 KRなどでは対ドゥームフィストの戦術としてキャスディ、バティストと主にピックされていたザリアですがSixBlowはゾンビコンプの中で採用。
 相手のエコーのフライトに対してバリアを貰ったエコーを当てることで確実にエコーミラーを制してそこから有利を広げていく戦術となっていました。

Korea

世界最強地域の呼び声高い韓国地域ですが、1週目から2周目で別地域かと見まがうほどの劇的なメタの変遷をしていました。

week1、FTGのネパール。これが
week2、FTGのネパール。こう

これは特に極端な例ですがマジで大体こんな感じ。

一週目の全体像は以下のようなドゥームフィストダイブを中心にハイブリッドではDvaやシグマで受ける形や変則的なダイブをするといった形で、少数ですがJQをメインに据えるチームもいました。

日本に比べて流行が一目でわかる形

そして2週目がこちら。

多様性!!

ほぼほぼドゥームフィストダイブに染まっていた一週目に対して、ドゥームフィストダイブへの対策構成として新たに登場した、キャスディ+バティスト+オリーサorザリアの構成がメタに多様性をもたらしました。

二週目からはラッシュ系構成対決やポーク系構成の対決も増え、それに伴ってより火力の高いソジョーンやラッシュ対決に強いラマットラなども採用されるようになっていきました。

Pacific

そしてPacific地域はAsiaにおいて最も狭いピック幅のメタを形作っています。
全体像は大体こんな感じ。

シンプル!

JQラッシュが大部分を占めており、一部チームがドゥームフィストダイブを選択するといった形のメタでした。
大会形式がJapan、KRと違うためメタが変わりづらいというのもあり、1~2周目での変化もなくミラーマッチが非常に多かった印象です。

NA&EMEAの注目メタ

NA/EMEAは筆者が追い切れていないので構成だけさらった内容になります。

NA/EMEAで注目の構成はラマットラ構成でしょう。

EMEA優勝候補TwistedMindsのラマラッシュ

Asia地域よりも明らかに選出機会が多く、独自メタと言えます。
ラマットラ構成は主に地べた系の機動力の無い構成全般に満遍なく戦えるラッシュ系の構成で、S8では結論構成とも思われたバティストシグマの構成に対して特にコントロールでは対策構成として結果を残している構成です。

S8の時には、メイやソジョーン、シンメトラなどでよりミラー意識の構成が見られましたが、現在のパッチではキャスディ、トレーサーの採用がおおく、以前よりもダイブ構成及びトレーサーがいかに強力かがうかがえます。

Asia地域に比べ伝統的にラッシュなどグループアップする構成が好きなNA/EMEA地域なので、Asiaよりもラッシュ寄りにメタが変遷していったのかなと考えています。

メタの中核を担うヒーロー

各地域で特色を見いだせるメタが展開されていますが、中核を担うヒーローは共通して存在します。

それがルシオとトレーサーの二人です。

この二人は地域、構成を問わず採用率がとても高く、S8以前では採用ケースが少ない構成にも出張するほどです。

トレーサーはDPSパッシブ、体力追加、弾サイズアップの恩恵を存分に受けており、トレーサー史上最強のトレーサーと言ってもよい状態です。

ルシオも体力追加、弾サイズアップによって恩恵を受けており、かつ耐えるのが難しいサポートの中でも生存性を確保しやすいヒーローでありながら、「やられる前にやる」環境と相性のいいスピードブーストを味方全体に付与できます。

この二名により、やられる前にやれ環境が加速していた側面があったものの、そこにストップをかけたのがカウンター枠に据えた4名です。

キャスディ、ザリアは汎用性の面で劣るものの、ダイブ構成に採用されるドゥーム、トレーサー、エコー、ルシオへの牽制力に優れるキャスディとそれをピンポイントで直接守ることができるザリアという組み合わせでカウンターを成立させました。

ザリアはより直接的にドゥームを抑え込めて汎用性の高いオリーサに枠を譲ることも多い印象です。

バティストはサポートの中で唯一耐えを成立させ得るサポートとなっており、上記の3キャラとともにダイブカウンターとして頭角を現してきました。

トレーサー、ルシオがメタの中核をなしており彼らを最も強く使えるダイブ構成がメタを支配したものの、そこにカウンターヒーローが現れたことでメタが回り始めたという流れです。

今後のメタ予想

順当にいけば、KRで増えていてなおかつ数も多かったオリーサ+バティスト、キャスディ構成によるドゥームフィストダイブへの対策が進み、そのミラーを制するためにシグマ系の構成、そこに有利が取れるラマットラ、ダイブにガードが下がったところにドゥームフィストダイブという風にメタが回りそうな予感がします。

四竦み…?

一見かぶせあい環境になりそうなところですが、ラマットララッシュ→ドゥームフィストダイブの構成の変更のコストが大きく、結局はラッシュポークに近い構成でダイブ対策を煮詰めつつミラーに最低限のカウンターピックをするのが練習効率は良いように思えます。

ドゥームフィストが活きやすいコントロールやフラッシュポイントはドゥームダイブ。それ以外のマップはラッシュポークの系統で固めるというのが安パイなと言えるでしょう。

それか、これらのメタジャンケンにさらに上から被せることができる全く新しい構成がメタになる可能性もありますが、そこまでメタが回るにはやや時間が足りない気がしますね。

13日の新パッチの影響

大前提としてまだ新パッチの全貌が見えていないので確かなことは言えません。

が、DPSパッシブがナーフ(回復阻害20%→15%)されるということなので、ダイブの脅威は今よりも落ちることが予想されます。
そうすると、よりポークラッシュ系の構成優位の環境になりメタはそちらに寄ることになるかなと思います。

S9に入ってから評価を落としていたアナにも強化が入るとのことなので、アナブリの復権もあるかもしれませんが、メタがシグマやラマットラに寄るなら結局活躍は難しいかなと。(筆者的には正直アナブリは食傷気味なのでもうしばらくおとなしくしていてほしいですが…)

見えている中だとマウガの強化がかなり大きいように思えます。
現在、天敵であるアナゼニがあまりピックされないメタなので局所的に活躍する姿が見られる彼ですが、強化を受けてその機会が増えることも予想できますね。

あとがき

以上となります。

駆け足となりましたが、2週間のメタレポートでした。

まだまだメタが回っていきそうな状況ですが、さらに新パッチも重なるということで今週から来週にかけてさらに混沌としたメタが展開されそうだなと観戦勢としては非常に楽しみです。(出場する選手とコーチにとっては気が気ではない状況かと思います)

今後もtwitchの方でミラー観戦をしながら、メタやプレイの解説&考察をしていきますので、興味があればお越しください。

https://twitter.com/clank_ccc

https://www.twitch.tv/clank_owl

それでは。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?