シン【ソウサクの中毒⇔中毒のソウサク⑧】


「なめんな、元母親キョンシーめ」
 俺は絞殺されるのは嫌だった。
 死んだら、シロヌリ人間にされてしまう。
 股間のペ●スは、まるで死んでしまったように元気がない。

「くたばれ」
 俺は元母親に反撃を開始した。
「死ねえええ」
「死ぬのはキサマだ。キョンシー?」
「ぷぺぺ」

 こうして、元母親と息子による見苦しい命の奪い合いが、続いている。

『ドンドンドン』
 窓をノックする音がする。
 俺は嫌な予感がした。ここは2階だが、2階の窓ガラスをノックできる奴らなんて、連中しかいない。
 やはり、あれは夢うつつでも妄想でもなかったんだ。リアリー?

『ギギギ』
 窓ガラスにへばりついているのは、青山霊園の地下にいたシロヌリ人間のファミリーの一員だった。
 元母親ゾンビキョンシーが苦戦していることを知って、わざわざ青山霊園からやってきたのだろう。ご苦労さん。

「クソ」 
 俺は元母親キョンシーをもう少しで殺せそうだったので、舌打ちした。
 これでは、形勢が逆転しそうだ。
「ギギギ」
 後ろから、“シロヌリ人間”がガラスをこじ開けて入ってきたら防ぎようがない。ヘルプミー
 

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