【創作の中毒×中毒の創作20】

「なぜ、食べないの?」
「ケンカをウッテイラッシャルノ?」
「オニーサン。死にたいの?」
 白塗り人間たちが、近づいてくる。

(怖いよ)
(死にたいの?って何だよ)
 俺は完全に怯えている。
 体中の細胞が、すくみ上がってしまっている。

「まだ。食べる気はないの?」
 白塗りした男が、再び口を開いた。

「ああ。い、イヤだ。だって、その肉。ににに人間の……」
 俺は言葉が続かない。
 それ以上は口にするのも憚られるような気がする。

 決して言ってはいけない――そんな、異様な圧迫感を持った肉だった。もう胸が締め付けられそうだった。

「ウヮアアアアア」 
 俺は叫びだした。

 ――連中が銘々の皿に“あの肉”をのせたまま、ワシワシと近づいてきたからだ。
 ガッデム。

 

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