シン【ソウサクの中毒⇔中毒のソウサク⑤】

「お袋? どうしまったんだよ。へへい、ベイビー」
 俺は驚いている。
 股間のペ●スは、さらに萎えていくようだった。

「プぺ」
 母親は奇怪な言葉を発している。
 
「プぺ、じゃないだろ。なぜ、そんな白塗りしているんだ。理由を教えろよ。まるでお袋が、キョンシーになったみたいじゃないか? キョンシー?」
 俺は聞いた。
 俺は、母親がすでに死んでいて、青山霊園の地下で遭遇した白塗りのイキモノみたいに、ゾンビとして蘇ってきたことを悟っていた。

 ――だが、階段から突き落として母親を殺めたのが自分だとは、さすがに認めたくなかった。
 だから、こうして無意味な質問をしているのだ。

「お袋。そんな道化はやめて、こっちに戻ってきなよ。こっちの平凡な日常 世界にさ。なんなら、このティッシュで白粉を落としなよ」
 俺は、転がっていたティッシュを差し出した。

 ティッシュは、ペ●スの精子をぬぐう時に使っている愛用のモノだった。
 それが、まさかこうして白塗りした母親の為に使うことになるなんて予想もしていなかった。

「ぷぺ」
 母親は相変わらず、意味不明の言語を発している。

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