【創作の中毒×中毒の創作18】

「どうぞ」
 白塗りした男は、ニヤニヤ笑っている。
 笑いながら、例の肉がのせられた白い皿を差し出している。
 男は話す時も、身体全体で奇怪なリズムを刻んでいる。肉がリズムに合わせて、ぷるぷる震えている。
 
「どうぞって……」
 俺は言葉が続かない。

(どうぞって、どういう意味だよ。その生肉食えってのか?) 
(そもそもさ。その肉って、何の肉なんだよ?)

「食べて、タベテ、たべて」
 男は、やはり、白い皿の上に乗った肉を食べさせようとしているらしい。

「タベテ」
 男が再び言った。
 男は“微笑み”を浮かべようとしているが、うまくいかない。
 白塗り人間は、人とコミュニケーションを取るのに、ものすごく“労力”を使うらしい。
 勝手にしゃべって、勝手にダメージを受けている印象である。

「……あ、あのさ」 
 俺は、その奇怪な“微笑み”に、乗せられまいとして、無理矢理に口を開いた。

「な、何の肉なのそれって?」
 俺はついに聞いた。
 

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?