面接官はどのようにみていたのか(公務員ver)



はじめに

自分が新卒の時、面接はどのように評価されたのか不思議に思っていた。反応がよかった面接で落とされ、微妙な反応だった面接で合格したり、謎があまりに多かった。
何の因果か前職で新卒の採用担当として面接をする立場になったので、いったいどのような判断基準で評価をしていたか、書きたいと思う。
元国家公務員一般職の一人事担当者としての目線である。

面接の概要

私が担当したのは1次面接で、面接の形式は30分で1対1。2次面接へは基本的に全員通し、よっぽどひどい人は落とすというものだ。
1次面接といっても、私の評価も加味されるのでなかなか責任が重い。
面接は全員で30~40人くらいやったと思う。マイナーな役所なので、その程度の人数。
面接の評価項目は、人事院が公務員試験に使っている評価項目をひとまず流用していた。といっても、熱意や説明のわかりやすさなど一般的な項目が列挙されているため、あまりに抽象的すぎてほぼ使った覚えがない。

面接をやってみた感想


面接官として思ったことは、話の内容以前に勝負が決まってしまうのが現状なので、しっかり練習してきて欲しいということである。
私の面接の方針として、ガクチカなど受験者が準備してあると予想されることを聞き、相手の応答能力を試すことを重視していた。
評価の基準として、①こちらからの問いに対して回答を答えているか、その上で②簡潔かつわかりやすく回答を答えられているか、更に③回答の中身がしっかりしているかの3点としている。

ただ、候補者の中で③の評価基準までいった人はごくわずかで、大半の候補は①で弾かれていた。みんなこちらの問いかけに対して、期待する回答を返せていないという事実があった。たとえば、大学の研究内容を聞くと、内容そのものではなく、研究方法をずっと説明するなど。そのため、何度も違う角度から聞き返して何とか回答を引き出そうした。その時点で不合格なのである。

また、更に②に進んでも、理解するのがかなり困難な回答が大半であった。当時私が転職面接を「受けていた」立場からすると、思いつくままに回答していたように感じる場面が多かった。他の人にわかってもらうには結論ファーストで構造化することが重要だができている人は少なかった。

ここまで書いてきたが、候補者の内容については全く触れていない。実は、受け答えの段階でだいたい採用者が決まってしまうのだ。内容で決めるという段階以前の部分でだいたいの候補者に×がついてしまうのだ。

さらに、本人の話し方などで協調性がありそうか否かもなんとなくわかってしまうし、雰囲気などで社会人としてやっていけるのかもなんとなくわかってしまう。これは、通常の会話と変わらないような気がする。

ちなみに、私は候補者へFBもしていたので、その際に①②の観点から改善点を言ったつもりである。本人がどう思ったかは知らないが。

準備しておいてほしいこと

色々書いてきたのだが、面接するにあたり準備して欲しいことは①典型的な質問への受け答えを用意する②模擬面接を何回かするである。
①については、志望動機、自己PR、長所短所、ガクチカなどである。面接対策本にのっているような質問事項に答えられればよいと思う。内容については難しく考えず、自分が素直に思ったことを軸に表現の仕方を工夫すればよいと思う。②については、キャリアセンターなどでやってもらうのがよいと思う。その際録音などして自分の受け答えを確認できれば完璧である。ただし録音は自分の嫌な部分と直視するので覚悟が必要である。実際私も転職で不合格となった会社の録音を聞く気にはなれなかった。

さいごに

面接官をやってみて、自分自身も人の話を聞くことや問いに対して的確な回答をすることの難しさを実感することができた。面接では人柄だけでなく、その人の能力や努力が割とわかってしまうので恥ずかしがらずに訓練して欲しい。そして、周りの候補者は意外にレベルもそんなに高くのないので、対策すれば頭ひとつ抜け出すことも可能である。
ただし、民間企業や国家公務員総合職はまた違った観点の評価もあるかもしれないことに留意が必要である。
最後に、自分も再度転職することになったら、同じように全力で対策をしたい。

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