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エルキュールと母メルジェリーナ

 2/10(土)、京都4R・3歳新馬ダート1200m。前週の東京5R・芝の新馬戦が「非当選」になり、出走がずれ込んだ格好のエルキュール。アガサ・クリスティが生み出した名探偵と同じ名前ですが、牡馬ではなく牝馬です。さて、今回はエルキュールと母メルジェリーナのお話です。

 母メルジェリーナは未勝利馬。アットザシーサイド(16年桜花賞3着)の半妹としてデビューしますが、中央の芝・ダートを4戦するも、全て着外に終わりました。
 祖母ルミナスハーバー(07年マーガレットS)は芝の短距離〜マイルを4勝。阪神JF3着の実績もあります。
 母系を見ますと、現役オープン馬ピンハイ(22年チューリップ賞2着)や、ダート重賞3勝のヒシアトラス(05年平安S)など、上級馬が何頭も見つかる一族です。

 父リオンディーズは僅か1戦のキャリアで2015年の朝日杯FSを制覇。
 半兄エピファネイア(14年ジャパンC)や半弟サートゥルナーリア(19年皐月賞)も現役の種牡馬です。その母は05年に日本のオークスを優勝して渡米し、アメリカン・オークス(G1・芝10F)を制したシーザリオ(サムネイル画像がウマ娘プリティーダービーのシーザリオなのは、この繋がりから)。
 リオンディーズの牝馬の代表産駒は現オープン馬アナザーリリック(22年福島牝馬S)や、ストーリア(23年関越S)など。
 本馬の同期牝馬は既に4頭が中央で勝ち上がり済み。

 生産牧場は新ひだか町の土田ファーム。毎年の生産頭数は5頭前後です。代表産駒はエルコンドルパサー最後の世代トウカイトリック(10年阪神大賞典)や、トウカイテイオー最初の世代トウカイパルサー(02年愛知杯)などがいます(牧場の名称変更前を含む)。
 本馬の同期ではヤマニンアラクリアが中央で勝ち上がり済み。

 血統構成は父リオンディーズに母父ハービンジャーの組み合わせ。3つ年上のヴェールクレール(現1勝クラス)が芝1400mを勝ち上がっています。

 本馬のデビュー戦は冒頭で書いた通り、図らずもダートでの出走になった格好なので、結果(13着)は度外視したいところです。
 母系や父系、前出のヴェールクレールなどを見る限り、芝1400m辺りに居場所を見つけたいのですが、どうでしょうか。

 最後は、母馬にとって大切なブルードメアサイアー(母の父)のお話。
 母メルジェリーナの父であるハービンジャーが種牡馬として来日して、10年以上が経ちました。初年度から毎年多くの花嫁を集めた事から、最近は母馬の父としての活躍も増えています。
 芝重賞6勝のメイケイエール(22年セントウルS)を筆頭に、芝中距離ではベラジオオペラ(23年スプリングS)。ダートで重賞を狙うオメガギネス(23年グリーンCC)や、芝1800m大好き娘ゴールドエクリプス(23年大原S)など個性豊か。加えて新世代からレガレイラ(23年ホープフルS)やアーバンシック(24年京成杯2着)が登場。クラシック戦線に間に合う「仕上がりの早さ」が、母の父としても健在なのは強みですね(24年2月上旬時点)。

 本馬エルキュールも上述のように、早い時期に活躍する牝馬が多い一族です。本馬の未勝利クラス卒業もそんなに遅くないのでは。そう信じて応援していきます。

 今回も最後まで読んで頂き、ありがとうございました。

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