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テイエムリステットと母シーズアウーマン

1月8日(祝)、京都競馬場で行われたシンザン記念。降雪の予報もあり、馬場悪化ならダート馬浮上かと、穴党に注目されたゼルトザームとテイエムリステット。実際は良馬場で開催され、2頭はいずれも着外に敗れましたが、今後はどうでしょうか。そこで今回はテイエムリステットのお話です。

 母シーズアウーマンはスズカコーズウェイ(京王杯SC)の半妹。半弟にカデナ(弥生賞)。戦績は地方競馬・門別で全5勝。3歳春には中央の芝にも挑戦しましたが、苦戦が続き再び門別へ。勝ち鞍はダート1200m以下に集中。
 祖母はダート6Fの米G3馬。母・祖母共にダート短距離馬ですが、産駒たちに強くは伝わらず、父の個性や適性を優先する「おおらかさ」のある母系です。

 父モーリスは日本・香港合わせてG1を6勝。種牡馬としても第1世代からG1馬を多数輩出し絶好調。自身の現役時と同様に早い時期からよく走り、2歳重賞に間に合う仕上がりの早さが魅力。その上成長力があり、距離の壁もなく、芝・ダート問わず走ります。
 テイエムリステットは第4世代で、同期にシュトラウスやダノンエアズロックなど。

 続いては生産牧場。グランド牧場は牧場ランキングで毎年上位を競う静内屈指の牧場。プリエミネンスやスマートボーイ、スナークレイアース達が活躍した2001年は地方1位&総合4位。彼等3頭はいずれもダート馬ですが、スズカマンボ(天皇賞・春)や前出のスズカコーズウェイ&カデナ兄弟も同牧場の生産馬。芝の一線級も出ます。
 現オープン馬テイエムサウスダン(兵庫ジュニアGP)も同牧場の生産馬で、テイエムリステットは同じく竹園オーナーの所有馬。

 ではテイエムリステット自身の話へ。
 先ずは血統構成から。父モーリス×母父ネオユニヴァースの組み合わせは現オープン馬ゼットリアン(観月橋S)が出世頭。
 本馬は2歳夏の中京・芝マイルでデビューしましたが、終始中団後方のまま見せ場なしの着外。2戦目は秋の京都・ダート1400mを中団後方から猛追して3着。3戦目は中京・ダート1400mを1番人気1着。
 前出のゼットリアンは3歳の途中から中距離を走っていますが、未勝利・1勝クラスはダート1400mで卒業しています。彼を参考に陣営はこのダート転向を決めたのかも知れませんね。
 そして4戦目がシンザン記念。芝の実績も無かったので、低人気も自然だったかと(馬場が渋れば別でしたが)。とは言え、1着馬とタイム差0.6秒は今後のレース選択の幅を広げましたね。ダート一本ではなく、芝への期待が復活したのですから。

 父モーリスの先輩たちを参考にすると、今後はどうなのか。マイルは少し長いと判断すれば1400mへ。ルークズネスト(ファルコンS)がいますね。距離延長なら毎日杯2着のノッキングポイントやベジャールがいます。1800mでは他にも、23年の白百合Sでバルサムノートとアイスグリーンがワンツーフィニッシュ。ダートならハセドン(青竜S)、ジャスパーバローズ(わらび賞)など。もちろん前出ゼットリアンのダート1400mも。
 母が撥ね返された芝で一矢報いるか、勝ち上がったダートか。

 今回も最後まで読んで頂き、ありがとうございました。

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