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香水が好きだ(手持ち紹介:THE TRAGEDY OF LORD GEORGE)


・はまったきっかけ

2020年4月、長い学生生活を終え遂に社会人となった。
世間はコロナ禍の真っただ中ではあったが
その年の6月には勤め先のある栃木県へと地元北海道から出てくることになる。

1浪の院卒なため社会に出たタイミングですでに25 歳と
アラサーに片足を突っ込んだ年齢であった私の悩みのひとつが
「大人っぽくなるにはどうしたらよいか」というものであった。

年齢こそ重ねたものの社会に出るのが少し遅かったこともあり、
学部卒で社会人になった友人と会うと何となく自分をガキ臭く感じた。
性格がそうである自覚は大いにあるので身に着けるものだけでも
なんとかしたいと思ったのが香水を買いに行ったきっかけだった。
何事も形から入るというのは大切なことだと思う。

その際に初めて香りをかがせてもらったのが後に紹介する
PENHARIGON’SのTHE TRAGEDY OF LORD GEORGEという香水である。

それまで香水といえばバイト先のカラオケの店長がつけていた
ドンキで売っているようなものとタバコが混ざった夜の大人の匂いや、
はたまた友達に勧められたL’air De SAVON(ヴィレヴァンで売っていた)の匂い
辺りのイメージしかなかったがこの香水にその概念を覆されることになる。

そう、この香水こそが私を沼に引きずりこみ
都内に転職してくるまでの3年半ほぼ毎週末を理想の香水探しのために
栃木から東京へと足を運ばさせた張本人なのだ。

・THE TRAGEDY OF LORD GEORGE

原題:THE TRAGEDY OF LORD GEORGE
ブランド:PENHARIGON’S
調香師:アルベルト・モリヤス

おしゃれに写真を取れるスペースはうちにはない

PENHARIGON’Sは英国を代表する香水メーカのひとつで、
理髪師だったウィリアム・ペンハリガンによって1870年に創業された。
数々のヒット商品を生み出し、後に英国王室御用達の香水ブランドにまで上り詰めることとなる。

同じく英国生まれのJo Malone Londonが
英国庶民生活や自然への愛情にフォーカスされたブランドであるのに対し
PENHARIGON’Sは英国の貴族文化やその歴史を体現する香水を扱っている。

その中で、このTHE TRAGEDY OF LORD GEORGEを含むPORTRAITS コレクションは
英国貴族の架空の登場人物たちをモチーフにして英国貴族文化やその中で生まれる人間模様を表現したシリーズである。

ボトルのキャップには各キャラクターをイメージした動物の意匠が施されておりジョージ卿のイメージは立派な角をもつ雄鹿だ。
大人っぽさを求めて香水を探しに行った私はその反面、
めちゃくちゃ強そうという極めて子供っぽい理由でこの香水を手に取った。

香調はウッディアンバリーフゼア
キーノートはシェービングソープ、ブランデー、トンカビーン…
渋いシェービングソープ調ウッディの香りが
ブランデーやトンガビーンの香りで徐々に彩られていく印象。
最初からどっしりと重たく、軽薄さなどとは無縁な香りがした。
グレンチェックのスーツを着こなし
高級な杖をつきながら自信満々に歩く、
俳優でいえばコリンファースのような男性を想い起こさせる。

画像引用元:Kingsman:TheSecret Service photo Gallery iMDb

こんな香りがあるのかと衝撃を受けたのを覚えている。
大人びたを超えて、紳士の香りそのもの。
形から入ると先ほど書いたがこれを付けたら自然と襟を正さざるを得ない…
つけるからにはこの香水にふさわしい振る舞いをしなくてはならないとまで
思わせるそんな香りである。

日本の夏に着けるには少し重く、秋~冬でウエスト周りにワンプッシュして上からセットアップとコートを着込みひっそりと香らせる使い方が
かなり適しているように感じる。
自信や厳格さが他者を威圧させるためにあるのではなく
己を律するためにあり、ふとした瞬間に垣間見える程度がいいのと同様
この香りもひけらかすようなものではないと思うのだ。

・最後に


このような感じで自分の備忘録がてら手持ちを紹介する記事を書いたのち
試した香水に関してもメモ書きをしていこうと思っている。
三日坊主が多いのでどこまで続くかわからないが参考になったらうれしい。

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