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白老三大滝インクラの滝をめざして

北海道白老町の広報で知りましたが、インクラの滝へ続く道が工事の為 令和4年10月17日より通行止めとなる事を知りました。同時に十数年前友人の車で展望台迄行った事を思い出した。残念ながら当時は、展望台から先の遊歩道が落石の為通行止めでした。今回ネット上で少し掘り下げて調べてみると白老町社台周辺は、日本の滝100選に選出されたインクラの滝があり、更にその先に素人無用の難関社台の滝 その難関を超えた更にその奥の最難関が石狩白老滝だそうです。ネット上で見ただけでも相当な経験者でなければ、目的地に到達する事は困難なのが私にも理解できました。
社台の滝・石狩白老の滝の紹介サイトの制作者様も初心者には、全お勧めしません。無理ですとはっきりと記されてました。更にはその一帯はヒグマの巣窟だそうです。生息地なら分かるけど巣窟って事は、頑張って進んだ岩場の先 目の前にリアルクマ牧場が広がるなんて事もあり得るという事です。もしもその様な事態に陥った場合 冷静に熊から目を逸らさず後ずさるなんて無理でしょう。少なくとも二十五の瞳に(必ずボス的存在の 片目の手負い熊がいる)見つめられたら心臓麻痺確定です。仮にその様な巣窟地帯に進み出る前に準備万端 熊よけの鈴を腰に付けたとて、それだけ大勢の熊が居たなら鈴の音を聞いて熊たちが『おっエサの合図だ急げ~』と駆け寄って来るのでは無いでしょうか。正に熊まっしぐらです。参考例としてパブロフの犬とはちょっと状況が違うかもだけど一応上げときます。さて、私は滝探索の初心者ですから、比較的安全なまず手始めにインクラの滝から始めて、今後のんびりと順次ステップアップしていく所存です。それから滝の紹介サイトには、この様に記されてました。『独りで行ってはなりません。信頼できる仲間と協力して一緒に滝を目指すべきです。』 …なるほど、でも大丈夫です。今の私には友達とかいないんで がんばります

岸に沿って進みます

【遊歩道からの第一歩】

遊歩道入口の駐車場に愛車を停めて常にトランクに入れてある長靴に履き替えました。熊よけ鈴の代わりに鈴の付いたお守りを一つ懐に忍ばせます。動画用カメラはiphone11 スチール用にNIKON D90こちらは相当古いカメラですが、私の大切な相棒です。準備が整いましたので遊歩道から進んで行きます。五メートル程進んだでしょうか目の前に川が横たわっていました。僕は佐野元春さんの somedayを口ずさみながら左足を踏み出しました。その時ふたつの事を認識しましたNo1 お風呂に入るとき 何時も左足からだから川渡りの時も無意識に左足から行くんだな No2 この左足 長靴穴が開いてる 川水入って来てる 前途多難な一歩となりました。先を目指しながら考えました何故長くつに穴が開いているのに今まで気付かなかったか。その答えは冬に雪かきの時しかこの長靴を履かなかったからだと気が付いた。

紅葉真盛り

周囲には誰も居なく 目の前の紅葉を楽しみながら沢を登りインクラの滝を目指して進んで行きました。この時点では未だ沢登りとの実感はなく、さらさら流れる小川の岸に沿ってピクニック気分で歩みを進めて行く感じでした。往路復路を通してこのフィールドで聞こえて来たのは、川のせせらぎと運動不足の自分の豚の様な息づかい 水浸しの左側長靴より時折発せられるグエッグエッとのカエルの鳴き声の様な嫌な音が、大自然の風景を台無しにしていました。次回迄に体を鍛え沢登り用の靴を用意しようと歩きながら心に誓った。

北海道の雄大な自然を独りじめ

初のインクラの滝を目指して前進する私にとって何よりも心強かったのは、Google mapでした。国道から外れて林道を車でかなりの距離走らせた山中でも的確に自分の現在位置を表示してくれ目指す滝までのおおよその距離も把握出来ました。その様な状況の中私は、適度な休憩を心掛けながら進んで行きました。かなり昔 題名も覚えていない本なのですが、ある太平洋戦争 日本軍戦記だったかに作戦行動中の休憩時 軍服が汚れる事を嫌がり立ったまま或いは、しゃがんで休んでいた兵士はほぼ戦死した。例えその場所が泥地であっても休める時に体を横たえ休んでいた兵達は、往々にして激戦を乗り越え帰国していったとの事です。要はその著者が言いたかった事は、生き残る為には貪欲であれとなりふり構うなとの伝言なのかなと思いながら私は、苔が生した岩に腰掛けた。そして流石にこの辺りで横臥して休憩は有り得ないなと呟いたら何だか可笑しくて笑った。

足元注意

この辺りまで進んできて思いました これぞ沢登りだと テレビ等でみた沢登りの風景とは正にこの様な感じです。ただここで有ろう事か渡渉中に足を滑らせカメラを水没させてしまいました。我が愛機D90は防水仕様ではありません自分の迂闊さに気付き慌ててタオルで拭いた所で手遅れです。めざすインクラの滝は目の前ですが、ここで引き返す事にしました。一刻も早く帰りカメラを防湿庫で乾燥させる為です。戻り際にこのカメラで一枚シャッターを切りました。決して到達出来なかった事への未練では無く、ひょっとしてこのカメラと永遠のお別れになるそんな気がしたからです。水没したカメラの電源を入れてしまうとショートして完全にカメラが壊れてしまう可能性が大である。頭では理解してます。ファインダーを覗いた所中が曇ってました。引き返しながら何度も自分の迂闊な判断を攻めた。何度もあの状況で自分勝手な思いから一枚撮影した事を悔いた 本当に自分勝手な男だなと思った。だから友達もみんな離れていくんだと思ったら笑うしかなかった。 

愛機D90最後の一枚


エピローグ

NIKON D-90を修理するより買い換えた方が利口だと言われました。確かに10数年前のカメラですし もっともだと思います。それにこのカメラは防水・防滴構造ではありませんので修理不可かもしれませんからね… 
ですが、藁にも縋る想いで調べた所 九州に古いカメラの修理を請け負って下さる方がいらっしゃるとの情報を得て連絡を取ってみた所 私の水没カメラを預かって下さるとの事でした。なので、このカメラと又一緒にあちこち旅する日を夢見ながら梱包し送り状を書きました。あとAmazonでカメラ用防水カバーを注文します。
 





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