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【MTG レガシー】 「アーボーグ型ドゥームズデイ」戦記/対「エスパーブレード」、対「8Cast」 【初心者、復帰勢、自分と同じ親に向けて】

1.「休日大会」編も、あと2戦です。ここまでの成績は、2勝1敗。……悪くはありません。心理的なハードルを低くするため、始めの目標を「マッチ1勝」と設定しましたが……いや。勝ちたいですよね。やっぱり。

希望(プロフェシスト)

次の目標を「勝ち越し」に設定!  そして、4戦目のお相手は……、

「やあ」

ど……「ドラえもん」!!?

突然の「鉄人兵団」!!!

いまの、間違い。確かに「大長編ドラえもん」で、別行動になった“のび太”の前に「青」の「猫・アーティファクト・クリーチャー」が颯爽と再登場したくらいの心強さはありましたが。

……色と種族だけなら
こいつが条件に近いな
(ただし、ファイレクシアン)

ここに来て、ド知り合いとの対戦です。今日のためにワガママをいって召喚させてもらった「エスパーブレード」さんとマッチアップ。奇運!
まぁ……ほっとしましたよね。肩の力が抜けるほど。それに……《最後の審判》を撃ったあとのごとく、“心のライブラリーを赤裸々に明かす”という記事のルールにしたがい、正直に告白します。「これは勝ち越しのチャンスかも!」と思いましたとも。

失礼で不遜な話ですが、理由はあります。このお相手に限ってはデッキの正体がわかっており、こと“メイン戦”なら「アーボーグ型ドゥームズデイ」は「エスパーブレード」に対し、大きく有利だと知っていたからです。
「エスパーブレード」は「フェア」なデッキです。上の《石鍛冶の神秘家》から繰り出される2種の“生体兵器”《カルドラの完成体》と《殴打頭蓋》を主力とした殴り合い性能は一級品。

《鍛冶》の域を超えすぎじゃない……?

とくに「エスパーブレード」の最大の獲物は、レガシーを定義する「デルバー」系列のデッキ。あるデッキを狩るときは、対象よりも“少し重く”、その代わりに“少し強く”という鉄則の通り、除去や軽量飛行トークンなどで攻めを鈍らせ、ライフレースを制しやすい構造になっています。カード枚数を稼ぐ能力にも長けており、環境や個人に応じたカスタマイズも施しやすい名デッキです。

最近だと、こういう

高い盤面制圧力を誇る「エスパーブレード」ですが……そのぶん、速いデッキではありません。メインボードでのコンボ対策も、護身用の《意志の力》4枚に、せいぜい《思考囲い》数枚が採られているかどうか。スペルの撃ち合いが専門である「ドゥームズデイ」にとって、防壁の突破は難しくないはず。
サイドボーディング後こそ話は変わってくるとはいえ……何かの紛れがなければ、1本目を獲れる確率は高い、と判断しました。待望の勝ち越しに“王手”です。わくわくと。
(以下、実戦です。いつものごとく、細かな記憶違いや勘違いはお許しを!)

……いや、本当に。デッキとは、使い手の心を正確に反映するのでしょうか。

欲望まみれの精神状態を写したように、緊張感0の《ふにゃふにゃ》な初手しか来ません。コンボパーツと土地は? あっさり2マリガンなんですが(憤怒)!!?

キミ、前回「アルーレン」を撃破したのと、本当に同じデッキ? 致し方なく、手札5枚でキープ。また土地が《ヨーグモスの墳墓、アーボーグ》だけなんだが。しかも、後手。これは厳し……。

こいつをキープ基準にするのは
危険で禁忌
割られたら即死だし
「アーボーグ型ドゥームズデイ」の本質は
「青単」デッキに近いからです

まあ、お相手の動き次第で、勝ちの目はあるかな……。先手の「エスパーブレード」は2ターン目、軽快に《石鍛冶の神秘家》をプレイ。そのまま《殴打頭蓋》をサーチ。
……なぜ、《殴打頭蓋》を優先??? ライフを競り合わないコンボデッキに対しては、「速攻」持ちの《カルドラの完成体》のほうが有効なはず。何ターンも決着が早いのに? 「こいつは嫌な予感がするな」。

こちらの引きは……悪くありません。《思考囲い》と《強迫》。《最後の審判》。そして2枚の《暗黒の儀式》が揃いました。

万全の状態だと《ヨーグモスの墳墓、アーボーグ》からの黒1マナで、まず手札破壊スタート。前方確認のあとに土地をもう1つ置き、《暗黒の儀式》→《最後の審判》という同時攻撃をしかけたい手札です。
ところが、《アーボーグ》以外の土地を1枚も引けていないので、贅沢をいえません。下手に時間をかけてライフを詰められたら、《最後の審判》を満足に撃てなくなるでしょう。後手2ターン目にして、すでに切迫した状況です。

ついでのように書かれた
“ライフ半減”のため
ぎりぎりでパワーのバランスがとれています
初出は「ウェザーライト」で26年前なのに?
未来のために刷られた、大呪文です

それなら、まず……《暗黒の儀式》から入ります。「黒」3マナを得て、《強迫》と《思考囲い》を重ね撃ち。「エスパーブレード」の手札をぐずぐずに崩したあと、すかさず2枚目の《暗黒の儀式》→《最後の審判》という流れを狙うことに。

ところが「エスパーブレード」は《意志の力》で即応。よりによって、初動の《暗黒の儀式》を狙われます。
うっ……「ここしかない」という急所を阻まれましたか。「エスパーブレード」側がカード枚数を欲張って《暗黒の儀式》はスルー、そのあとの《最後の審判》を直に狙う、という考えなら間違いなく「ドゥームズデイ」の勝ちでした。お相手が上手かったと褒めるしかありません。

それ以上はマナがなくて動けず、ターンをパス。「エスパーブレード」は3ターン目に《石鍛冶》の起動型能力で、先ほどサーチした《殴打頭蓋》……ではなく! 《カルドラの完成体》を戦場に!

やはり! もう一振りの生体武器を初手から握っていましたか。生ける剣に「速攻」で斬られて、残りライフが15に。
さて、こまりましたね。次の後手3ターン目、《最後の審判》を撃つところまでは確定。ターン開始時に青マナ源か「サイクリング」カードを引けたのなら……話は簡単。勝ちです。あらかじめ《渦まく知識》を持っていたからです。

最低限の青マナさえ手に入れば、《最後の審判》直後、即座に勝てる「《渦まく知識》」ルートへと突入可能。
(各パイルの使い分けについては以下↓の記事で)

ところが実際に引いたのは……《魂の洞窟》。たしかに土地でも、大外れです。

色マナ、出ないもの……

それなら《最後の審判》後、いったん「エスパーブレード」にターンを返さざるを得ません。《最後の審判》の効果で残ライフは半減し、「7」。《カルドラの完成体》+《石鍛冶の神秘家》の攻撃を受けて、残り「1」。《意志の力》さえ撃てなくなりますが……何もなければ、次のターンまでは回ってきます。

細い糸で、難しいパイルになりますね……ライフを1点も払えないので《通りの悪霊》は使用不可、「サイクリング」カードは《秋の際》だけか……ここで「エスパーブレード」さんにお願いを。
水でも飲んで、休んでてください! 長考します!

《小休止》を、貴方に

アドリブで「《渦まく知識》」パイルの応用版を組み、大急ぎで手順のシミュレーションまで始める「ドゥームズデイ」使い=復帰勢。我ながら、どうかと思うぞ?
ようやくこれで完璧という5枚を選び、自信満々でターンを返します。ところが《カルドラの完成体》+《石鍛冶の神秘家》の攻撃をライフ1で耐えた瞬間、《オークの弓使い》が現れて、ビスっと矢を顔に撃たれたときは、諸行無常を感じましたよね……サヨナラ!

彼ら2人が
「インガオホー」と
「ショッギョ・ムッジョ」

2本目もマリガンで、コンボ突入までもたついている間に、《翻弄する魔道士》と《オークの弓使い》を並べられて、負け。

サイドボーディング後は
ヘイトパーマネントも山盛りで
別物の対戦難易度になります

《意志の力》を《暗黒の儀式》でブーストして5マナで素撃ちしたり、《通りの悪霊》を素出しして「沼渡り」で《時を解す者、テフェリー》を殴り倒したり、頑張ってはみたのですが、「エスパーブレード」とそういうレベルの差し合いをしている時点で無理でしゅ。

最後は《翻弄する魔道士》を《致命的な一押し》で除去
《殻船着の島》+《エムラクール》が正解だったか
《カラカス》に睨まれていたとはいえ
こちらのルートなら《オークの弓使い》が痛くないし
追加ターンを得て《タッサの神託者》を出せれば……

「エスパーブレード」戦は“✕✕-”で敗北。単純な相性では有利だと思っていたので、手痛い1敗でした。
うーむ。矢がどのタイミングでも飛んでくるので、やりにくくなりましたね。「エスパーブレード」は《オークの弓使い》の恩恵を強く受けたデッキのようです。
これで2勝2敗。期せずして5戦目は「勝ち越し」がかかった大事な1戦になりました。その試合が、名残惜しくも、久しぶりの休日大会の最終戦です。

2.この日、最後のお相手が開幕に繰り出してきたのは、《古えの墳墓》からの《虚空の杯》X=1。これは……通します。2ターン目には《教議会の座席》とマナアーティファクトから2枚目の《虚空の杯》X=2! これも……通し。着地までどうぞ。

いきなりガチガチに縛ってきますね。すでに1、2マナ呪文は封殺で、普通のデッキなら機能不全は必至。しかし、それだけでは動きが止まらないのが「ドゥームズデイ」の粘り強さ。こちら、3ターン目に《ヨーグモスの墳墓、アーボーグ》をセット。戦場の《島》を黒く染め上げます。そのまま、黒3マナで《最後の審判》。

《タッサの神託者》はあらかじめ手札に持っており、《虚空の杯》の影響下なので、組めるパイルは「サイクリング」ルートで確定です。上から、
①《通りの悪霊》→②《通りの悪霊》→③《秋の際》→④《秋の際》→⑤《魂の洞窟》。

お相手は公開された追放領域のカードを数えて、こちらが《意志の力》1枚を手札に隠していることを確認。いったんターンを渡したあと、こちらの手番、通常ドロー+「サイクリング」の4連鎖でライブラリーを0枚に。
最後に引いた《魂の洞窟》をセット。指定する部族は「ウィザード」。《虚空の杯》X=2でも打ち消されない《タッサの神託者》を唱えて、パイル完走です。

おつかれさまでした。

1本目は《虚空の杯》を無視できる、黒3マナでの《最後の審判》詠唱が狙える手札だったので、上手く噛み合ってくれました。1戦目と同じ《虚空の杯》デッキ。それも《教議会の座席》とは……。

なるほど、またしても……「テゼレッター」だな!!!

「やったー!」

「テゼレッター」と1日に2回激突できるとは、個性的な環境です。局所的に流行っているのかな?(後述しますが、勘違いです)
1本目は上手く無効化できましたが、やはり《虚空の杯》で速度を落とされたくはないので、サイド後からは《否定の力》4枚をフル装備。

さらに《オークの弓使い》と打ち消し呪文による妨害が予想されるので、どちらにも強い《殻船着の島》+《引き裂かれし永劫、エムラクール》ルートを使えるようにしておきましょうか。もし《不毛の大地》が入っているタイプの「テゼレッター」(だと思いこんでる)でも、《殻船着の島》はライブラリーを1枚切削できる土地と考えれば悪くありません。

2本目は後手で……デッキが応えて、最高に近い7枚をもたらしてくれました。《意志の力》で守りつつ、最速パターンで《暗黒の儀式》+《最後の審判》を通すことに成功。組んだパイルは上から、
①《殻船着の島》→②《引き裂かれし永劫、エムラクール》→③《タッサの神託者》→④《タッサの神託者》→⑤《魂の洞窟》

2ターンを渡す代わりに、まずは《引き裂かれし永劫、エムラクール》による強襲、次に《魂の洞窟》+《タッサの神託者》という鬼のように妨害されづらい2段構えの攻撃です。どちらも、打ち消し呪文は完全無効。

お相手は0マナで《ミシュラのガラクタ》《ウルザのガラクタ》を展開。アーティファクト・カウントを稼ぐことで《思考の監視者》まで繋ぎ、パイル進行を妨害できる解答を探します。

生ける《物読み》
両方を満載したデッキが「8Cast」

《ウルザのガラクタ》で手札を1枚、《ミシュラのガラクタ》でライブラリートップの《タッサの神託者》を確認されたところで……お相手は対処の術がないと判断されたようです。投了のコールをいただきました。これで、今日の対戦は全て終了。ありがとうございます、グッドゲーム!

「おつかれさまでした。」

ふぅ。何とか、ぎりぎり……3勝2敗で「勝ち越し」に成功。
そのあと、対戦相手の方と談笑する時間を得られ、「まさか、1日で2度も“テゼレッター”と出会うとは思いませんでした。カッコいいデッキですよね、“テゼレッター”」と嬉しそうに「テゼレッター、テゼレッター」連呼していると、「これは“8Cast ”ですね」と教わり、椅子から転げ落ちる著者。

……ほんまや!!? 土地も含めて「黒」要素を一切見てない! そもそも「テゼレッター」なら《ウルザのガラクタ》まではなかなか採用しませんよね。うわー、失礼を。1戦目で完全に先入観ができあがっていたらしく……。

アーティファクトの枚数稼ぎ用
手札のランダムな1枚は
情報として弱く
《ミシュラ》を優先するデッキが多いです
《ウルザ》は再録がなく、「モダン」で使えないし

他にもお店の環境やレガシーの現況についての話をしながら、他の試合の結果を待ちます。その途中、「このお店には“土地単”使いが複数いる話は本当ですか? それだから、県外遠征勢が“魔境”扱いしてるみたいで」という話をしたら、「あ、その“土地単”使いのひとりは、僕です」と返されて、またしても椅子ごと仰向けに倒れかけることに。

びっくりするわ、そんなん

ともあれ、楽しい話ができました。初対面なのにありたがいことです。そうしているうちに、あっというまに成績発表の時間がやってきました。

ああ。終わりか……

3.そして。今回のスコアは3勝2敗で……10人中の5位でした。うむ。構築やプレイングに工夫の余地は残りましたが……復帰戦としては上々でしょう。完勝とはいかずとも、2つ目の目標「勝ち越し」まではクリア。結果に対して悔いはありません。
ところで、店員さんから思いがけないアナウンスが。入賞者の「デッキリスト」を公開しますので、登録をお願いします。5位入賞……「アーボーグ型ドゥームズデイ」、リスト化!!?

「MTG Goldfish」にも匹敵する
日本マジック界の“ライブラリー”に

意外なタイミングで、3つ目の……「本当の目標」が達成されました。「“アーボーグ型ドゥームズデイ”のリスト化」というのが、大会に求める最大の戦果で、参加の動機でもあったからです。
「アーボーグ型ドゥームズデイ」は初心者や復帰勢への普及用に「扱いやすく揃えやすい“Doomsday”を作る」というコンセプトで組まれています。ありがたいことに「MTG」「ドゥームズデイ」とGoogle検索にかけると、いつのまにか「アーボーグ型」の記事が上位に来るようになり……。

そうなると、こまったことが1つ。
「アーボーグ型ドゥームズデイ」が“あまりに弱い廉価版”だと、使いたいデッキを探す初心者や復帰勢の方のために、迷惑。
それだから、実戦で勝てるという証明が欲しかったのです。今後の普及のためにも。店員さん、粋です。ありがとう!!! やったー!

喜びの
《飛 鶴 の 技》

このあとこそが、対戦そのものより楽しい時間だったかもしれません。周りで事情を知った人たちも自分のことのように喜んでくれて、同じテーブルであれこれ話しながら、どういう手順でリストを登録するかを教わって、せっかくなのでデッキの記念写真も撮って……。

そうなんですよね。勝ちを目指すことは礼節で、重要。ただ、それ以上に……“こういう時”を過ごすために、僕は「レガシー」を始めたのです。勇気を出して、ここに飛び込んで良かった。

さて。「休日大会編」はこれでおしまい。プレイングの反省点やデッキの改良案は、長くなりすぎるので、また別の記事で。
パートナー様の実家(ショップと近い)に寄って、赤ちゃんの入浴を助けつつ、「ああ、楽しかった……今日はとっても楽しかった!」と“ゴブリン・小学1年生”の語彙で伝えると、彼女からは「そ。良かったね」という言葉が返ってきました。

至極「冷静」

来月も……事情が許せば、同じレガシー杯に参加したいものです。
目標だった初めての「リスト化」は叶いましたが、「充分に“アーボーグ型”の戦闘力を証明できた」というレベルには、まだまだ達していません。
それより何より、初回より2回目のほうが……3回目、4回目と、少しずつ孤独では無くなって、さらに「レガシー」を深く楽しめるはずですから。それでは、また。

《孤独》か……
「モダホラ2」ァ!!!(とばっちり)

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