見出し画像

【MTGレガシー】 「青黒ダークデプス」 あらためて「自分と同じ、初心者、復帰勢の方へ」

1.こんにちは。マジック・ザ・ギャザリング、レガシー環境で、初心者や復帰勢の方向けに記事を書いている六条屋と申します。前に同じ書き出しで記事を作ってから、まもなく1年。
趣味にかけられるエネルギーは、人それぞれで違います。とくに自分と同じように、だれかの親になれば、体力もお金も時間も限りができて当然。

「やぁ!」
昨年、2児の親になりました

それでも、“充分にレガシーを楽しむことはできる”。そんなふうに、堂々と主張するために。そうして、自分と同じような初心者、復帰勢を増やし、いつかテーブルをはさんで遊んでもらうために。気がつけば、50本を越える記事を書いていました。おや、なかなかのアホがいますね……。

マジック・ザ・ギャザリングの全フォーマットの中でも「レガシー」の自由度は図抜けています。30年の歴史そのものといえる膨大なカードと戦術群を自在に組み合わせることが可能だからです。攻めのカードが強ければ、守りのカードもそれ以上に強いので、高いレベルでシャープな駆け引きを楽しむことができ……たとえば、代表格はこの2枚。

僕は《暗黒の儀式》と
《意志の力》を使うために
「レガシー」
というプレイヤーです

しかし、前にも書いたとおり、レガシー参入を勧めるにはいささかの問題が。マナ基盤を支える「デュアルランド」など、いわゆる再録禁止カードたちが天井知らずに値上がりしており、「ちょっと試しに」購入できる金額とは言えません。

「まず、4枚買ってください」って
クッキング感覚で勧める度胸はないよ!!?

僕は、”僕自身とよく似た感覚をもつ誰か”のために記事を書いており、「1枚が数千円~のカードを少しずつ集めていくこと」を想定し、「1枚が数万円~の超高額カードを基本的には用いない」というルールを設けています。
上の記事などで紹介させてもらった、うちの看板デッキ「アーボーグ型ドゥームズデイ」もそのルールに則った作品。デュアルランドなどの再録禁止カードを使っておらず、レガシーのデッキにしては、とても安価です(正確には、ルールに則った作品“でした”。詳細は後述)
“入手性”とは、デッキの一側面に過ぎず、しかも戦闘力と直結する要素ではありません。僕は全っっ然、競技向けのプレイヤーではないですが、そのことを証明するために、時が許してくれる範囲で、店舗大会などにも出場させてもらっています。
たとえ安価であっても、「環境デッキと同等に近いレベルで戦えること」。それもまた、うちの記事のルールだからです。

さらに入手性の良好さにこだわった「単色デッキ」の記事もあり、興味がある方は参考にしてくださればと思います。執筆時から価格の変動があるとはいえ、これらのデッキなどは1万~2万円以下で75枚が揃うはず。

「レガシー」の良いところは、その圧倒的自由さと……古いカードを使えなくなる「ローテーション」がないぶん、”デッキが死ぬ“という事態が起こりにくいこと。
もし幸運にも、自分の分身といえる愛機と出会えたのなら、そのデッキをずっと研ぎ続けられるということです。
最初から、“完璧な構成でなければ勝てない”などと思い詰める必要はなく、愛着がわいて、強さを極めたいと願うようになってから……はじめて高額カードの購入を検討する、という道もあるのではないでしょうか。
僕自身もさまざまな経緯を経て、ただ1枚……禁を破り、再録禁止カード《ライオンの瞳のダイアモンド》を搭載しています。それが1年前の記事との、大きな違いかもしれません。

2.ここまでは、自己紹介を兼ねた、ごく個人的な復習。
僕は“プレイング”よりも“デッキ構築”の側に、ちからいっぱい、重心が偏ったプレイヤーです。自分が戦う試合は、いまだに……“こわい”のですよね。
そのかわり、50本の記事が書けるくらいには、デッキを作ることが楽しい。玉石混淆だとは自分でも思うけど。
上の「アーボーグ型」は「ドゥームズデイ」という、もともと優れたレガシーデッキがありきのもので、はじめから一定の強さを担保されていました。
ところが次の作品は、ほぼ完全に僕のオリジナル。“こういうデッキでも戦えますよ”と伝えるために、ご紹介します。銘は「青黒ダークデプス」。

デッキの中核を成すのは、10の「氷カウンター」を取り除けば、深海の女神《マリット・レイジ》を呼び覚ませる《暗黒の深部》と、一撃で全ての「氷」を融解させられる《吸血鬼の呪詛術士》との組み合わせ。いわゆる「ヘックスメイジ・デプス」コンボ。

ここから
こうして
こうだ!

「ヘックスメイジ・デプス」、または《吸血鬼の呪詛術士》の代わりに《演劇の舞台》を用いた「ステージ・デプス」の利点は、土地コンボであるために打ち消し呪文や手札破壊呪文が効きにくく、「アンフェア」でありつつも対コンボ用の妨害全般に強いこと。
本来は、土地操作を得意とする「黒緑」や、他の戦術と複合しやすい「黒単」で組まれることが多いコンボです。「青黒」は7年も前に記事を見た記憶があっただけ。

ただ、青の優秀なドロー呪文群で安定性を確保でき、なにより「デプス」なのに《意志の力》を攻守に使える個性は捨てがたい魅力でした。それに、すっきりと2色にまとめられ、艶がある、美しいデッキでもあります。
そこで記事の企画として、現代版の「青黒ダークデプス」を作ろうと試みたのですが……まぁ、最初は弱かった! びっくりした!
狙いと反対に、遅くて不安定、ギャンブル性が高くて使いづらいデッキになってしまって。

そこから何度もの実践と、多くの方からの応援とアドバイスに助けられたおかげで、なんとかレガシーで一線級のデッキたちとも競り合えるレベルに育ってくれた気がします。

このカードの発見が転機でした
土地コンボの宿命で
デッキ内に多すぎる土地を
有効札と入れ替えられるようになり
一気に引き締まりました

「レガシー」の魅力とは、やはりその自由度……“寛容さ”です。デッキとは自己表現のツールでもあると考える方に……つまりは“僕とよく似た感性をもつ方”に、とくにオススメできます。
「デプス」に関して0からスタートし、本物の素人だった僕の作品を、多くの方が面白がって、背を押してくれたこと。幸運でもあり、驚くことに、否定的な意見には1度も出くわさずに済んだこと。そのことが今に繋がっている気がします。

ほかにもオリジナルのデッキには、以下のようなものがあります。いずれか、初心者、復帰勢の方に気に入ってもらえる作品があれば嬉しいのですが。

きっと、大丈夫。最初はどんな弱さでも、嗤いはしません。少なくとも僕はけっして。
心血を注いで組み上げた「レガシー」のデッキとは、使い手の魂の色が写りこんだもの。そんなふうに僕は信じています。そのどれもが、それぞれなりに美しく、僕はそんな無二の美を究めるために、デッキを作り続けているのですから。

「青黒ダークデプス」、上のリストは《濁浪の執政》などの飛行クリーチャーを数多く採用し、間断なく空戦を仕掛けられるようにした攻撃性の高いタイプ。

ザ・パワーカード
《マリット・レイジ》が「伝説」で
《カラカス》に睨まれたら動けないぶん
非伝説のクリーチャーというのが有難い
いや~、「デプス」に触るまでは
「キレイなイラストね」程度にしか思わなかったぞ

攻撃を通せば一撃必殺、その代わりに溜めと準備が必要で、白い除去などにも弱い《マリット・レイジ》のための露払い……あるいは《暗黒の深部》を見せ札とし、本命の《濁狼の執政》で仕留めにかかる、といった戦術を選択できるようになります。

実は「青黒ダークデプス」には別系統の深化型があり、そちらのほうが純粋なパワーでは「《帳簿裂き》+《濁浪の執政》」型よりも上です。しかし……

高額な《一つの指輪》4枚装備のデッキは、自分でも作りにくいし、初心者さんへのオススメ記事にしづらくて、な……。
また、こちらの型は《暗黒の儀式》への依存度が高く、“《カラカス》に弱い問題”も再浮上してくるので、けっして上位互換ではありません。ともあれ、実験のためにもゆっくりパーツを揃えていこうと思っています。完成までの長い旅路も、「レガシー」ならではの楽しみですから。

3.ふぅ。ご挨拶としてはこんなところでしょうか。僕にも小さな願いがあり、その1つが「自分の作品を手にした方と、テーブルをはさんで出会うこと」。もう1つが「娘たちと共に、レガシーで遊ぶこと」。

上の娘が指を数えて
足し算するようになりました
「ストーム」算ができる日も目前だな!(親バカ)

1つ目の願いが努力目標に近いとすれば、2つ目は……本当にただの願望です。自分の趣味を子どもたちに押しつけて、無理に学ばせたいとは決して思いませんし。

それでも、万が一、興味をもってくれて、そういう幸福な未来がおとずれた日のために。「レガシー」の灯が絶えてしまうと、困るのです。
それに、家族を紹介して共に遊べるほど信頼する友人ができたなら、子どもたちにとっても、世界の広がりになるかもしれません。

これが1つ目よりも、はるかに難しい願いだということは、よくわかっています。
しかし……こまったことにと言うべきか、もう長女は《山》のイラストを気に入って、「ここから火の魔法が出るんでしょ」などとドヤ顔をするんですよね。

エリート紅蓮術師すぎるだろ……(親バカ×2)
「いっしょに無敵の猫デッキを作る」
という約束もしていて↓

それなら、まぁ、親として、できるだけのことをやってみましょうか。記事を通し、レガシーのプレイヤーを増やす。そうして、いつかテーブルのむこうで、良い友人として出会える日があれば、この上のない幸いです。
それでは、また。今年もよろしくお願いいたします。

プレインズウォーカー、2児の親になる
キミらのために
ヘンテコで安いデッキをどんどん作るで~

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?