【毎週ショートショートnote】 カフェ4分33秒

放課後、高校近くのカフェにて、僕は水平さんに、にらまれている。

「で、あなたは林檎様とおつきあいしているのは、本当なのかしら?」
「は、はい」

水平さんって、こんなに怖い人だったの!

なんで、この人を好きになったんだろう…。


「あなた。今まで、かなりの数の人たちに告白していたでしょう? なんで、林檎様とつきあえたのかしら?」
「それは…」

林檎ちゃんと思わずに告白して、撤回できなくて。でも、林檎ちゃんが僕のこと好きだって言ってくれて。

「うれしかったんだなあ…」
「は?」

怖い! 僕、なんでこの人を好きになったの!

凛としてて、近寄りがたいところが、カッコいいとか、思ってたけど!

怖い! 怖いよ!

険しい顔をしていた水平さんが、急に、僕のうしろをびっくりした様子で見る。

「鎌犬、浮気か?」
「林檎ちゃん!」
「う、浮気だなんて。そんなことありません。まだ、このカフェに入ったばかりです」
「知ってる。だいたい4分くらい前だよな?」
「助けてよ!」