【毎週ショートショートnote】 台にアニバーサリー

今日は林檎ちゃんとのデートだ。

いつもは、理香ちゃんもいるけど、今日ははじめての二人きり。緊張して、最近は、ほとんど眠れてない。

「よっ! 鎌犬」
「あ、りん…ご…ちゃんですか?」
「そうだよ」
「あの…いつもと、違いません?」
「なんで、敬語?」

林檎ちゃんは、長めのスカートに、もこもこしたトップス、髪の毛はふわふわしてて、いつものごついピアスは華奢な細工のお花になっている。

どこからどう見ても、かわいいお姉さんだ。

「あの…好きです」
「なんで告白?」
「まさか、いつもの格好と違うとは思わなかったもん!」
「ははっ、そっか」

林檎ちゃんは、近くにあった階段にのぼり、高らかに宣言した。

「今日が二度目の告白記念日だな!」
「そんな堂々と言わないでよ…」
「言う。うれしいから。記念日できたら、てきとうな台の上にのって、お前に言う」

ふふん、と笑う林檎ちゃん。
かわいいし、カッコいい。
僕の素敵な恋人に、負けてられない。

「今日は、なにが食べたい?」