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良性頭位発作性めまい症旅路の記録

発症

なんの前触れも無く突然でした。
横たわっていた家猫の隣に寝そべって、猫の方に右側に顔を向けた時でした。いきなり激しく目が回りました。
最悪なのが私は乗り物酔いが激しく、わざとその場で回転しただけでも吐き気をもよおせる人ということでした。回転性のめまいは瞬時に嘔吐につながりました。

病状

右に頭を傾けた時により強いめまいが起きる。
激しい嘔吐を繰り返す為飲食ができない。
偏頭痛持ちの為吐く時に頭に血が上り、頭痛を引き起こす。
そうなると地獄の頭痛により嘔吐し、めまいにより嘔吐するという嘔吐のオンパレードとなる。
胃がだんだん弱ってくるのか炎症が起きるのか水を少し飲んだだけでも吐いてしまう。

夜間診療

夜間だったがどうしようもなく不安になってしまい、病院に行きました。
そこではドクターが指を目で追わせたりなどの脳障害が起きてないかを確認してくださり、脳の問題ではないとの事でめまい止めの頓服を処方してもらいました。

病院探し

まずは日本めまい平衡医学会でめまい相談医一覧から最寄りの医院を調べました。

🔵認定医の診察🔵

最寄りの医院はとても古くからあり、真ん中に立つ医師を診察椅子に座った患者3人と看護師が丸く取り囲む、受講型プライバシーゼロスタイルでした!

他の患者さんの話も聞き医師とのやりとりを聞き治療を見守るという新鮮な体験が自分の番になり変な恥ずかしさを覚えました。
自分は右に傾いた時に起こりやすいと告げ、頭位めまい症かもしれないとでしゃばりました。

そのサークルの横にあるベッドに横たわり、眼振検査を受けました。
もちろん他の患者さん達に見守られながら。
目に装置をはめ、顔を左右に動かし眼球の動きを診てもらいました。
診断結果
・頭位めまい症ではない
・若干の内耳の炎症があり
・頓服服用しながら様子見

帰り道は、希望だっためまい症かどうかの判断をしていただいたことでほんの少し清々しい気持ちで帰路に立ったのを覚えています。内耳の炎症は大好きな耳かきが原因な気がしたのでもうやめようと思いました。


🔵救急病院🔵
年末の真夜中、引き続きめまいに襲われ水すらも吐く日が数日続き、思い切って
♯7119に電話しました。
緊急性があるかどうか判断してもらえたり、なかった場合もどのような病院を受診すればいいか教えてくれるありがたい事業が総務省消防庁により運営されています。

そして近くの救急病院を教えてくださり、真夜中ではありましたが、家族にお願いして連れて行ってもらいました。
そしてどこでどのようにどんな風になったのか、病院に着き警備員さんが案内してくださった診察室の入口には泌尿器科と書いてありました。

診察室内から話声も漏れてきます。
どう聞いても科が違うだろと困惑されているようで、何せえっちゅうねんというごもっともなご意見をしばらく聞いて、こりゃ来るべきではなかったと後悔し、丁重に辞退しようと思っていました。
看護師が扉をあけると私が座っていて少し驚かれた様子だったので、慌ててごめんなさい私間違えたようで帰りますと立ち上がると、意外にもとりあえず先生もいるからと診察室に入れてくださいました。
どこかで違って伝わったようですと、今の症状とをお伝えし終えた時には私は過呼吸気味になっていました。
とりあえずベッドに横になって落ち着いて呼吸するように言われました。
横になるのは怖いと、めまいが起きると言ったと思うのですが私の呼吸も落ち着かず、うまく話せず、鎮静剤を打たれたようでした。
打たれてすぐに驚くほど意識があるのに意識が遠のく感じで、声はしっかり聞こえるのに、自分が話せないし、そのままベッドにべったり背面が張り付いたようになりました。
「よく効いてる」「私も前はよく効いた」などそれはもうはっきりと聞こえているのですが、「ご家族呼んでー」「あ、今すごく良く寝てるんでこのまま帰ってもらって大丈夫ですよ」「ありがとうございます!!」
などのやり取りに「寝てるんじゃないよ」と言いたいのですがなぜか声も出ずでした。
「この部屋の横に車つけてもらったらいいので」と言われ、家族が寄せた車に両脇を支えられ、意識しかない私が乗り込みました。
不思議な事に車の中で体は元通りになっていて吐き気も抜群に元通りで、帰宅後またすぐ嘔吐が続きました。

*やはりどれだけきつくても携帯で調べて、専門の病院や医師を探して診てもらわなくてはと心に誓った日となりました*



🔵非認定医の診察🔵
めまい症状は少しも改善されないままでした。
次に出来て数年の新しい耳鼻科に行きました。新しい医院なら認定医として登録がなくてもご存知でしょという算段です。
待合で座るも香水のようなきつい匂いが私の吐き気を更につよめ、自然と体が揺れ、脂汗が吹き出しました。(この時目が合っていた受付の女性はただ椅子に座ってこっちを見てるだけだった事いまだに忘れない)
立ち上がったら倒れるかもと思いながら中腰で受付の方に気持ち悪いのでトイレに行きますと告げ、まるでオアシスのような殺風景なトイレで嘔吐してました。

私の順番が来ていたようでどなたかが声をかけてくださり(スタッフではない)診察へ。
まず症状を告げ、眼振検査以外の基本的?な検査。
聴覚室?みたいな小さな小部屋でヘッドホンをして音聞き分けるみたいなのはまじで一人でいっぱいの小部屋もヘッドホンから聞こえる音もそれに集中するのもキツかったです。途中で気分が悪いからとやめてもらいました。

診断結果
・メニエール病

これを医師に告げられてる間、5、6人の若く綺麗な看護師に取り囲まれていたのが印象として残ってます。メニエールじゃないよなーと思っていた私の集中力はそっちに向いておりました。
発作性頭位めまい症の事も聞いたような聞いてないような、しんどくてうろ覚えですが、あ、知らないもしくは詳しくないんだなって思ったのは確かです。

*やはり、めまい平衡医学会のめまい認定医リストの医師を頼る方がいい*


🔵大型病院のめまい認定医🔵
前回の医院では1、2週間様子を見て来院するよう言われたと思いますが、当日か翌日には電話をかけて紹介状が必要な大型病院に紹介して欲しいと無理を言いました。もちろんそこの耳鼻科医は認定医として名前も連ねていました。

何やら変わった検査もありました。寝て起きてを時間をみながら血圧などを測るのです。

診断結果
・発作性頭位めまい症
・起立性調節障害

漢方薬や頓服などの処方と、欲していた診断結果プラス思ってもない初めて聞いた起立性調節障害とやら、これがある人はめまい症がある人も多いそうです。
漢方薬は半夏白朮天麻湯(ハンゲビャクジュツテンマトウ)でした。もう効きそうである。
寒風摩擦とかもいいらしい。。。

しかし次の診察時にも改善はなくその後もめまいにおびえる日々でした。
枕はでかいビーズクッションに替えて頭を下げないようにほぼ座ってないか?で寝るようになり、寝返りや日常で頭を右に傾けないように生活していても不調は不調でした。


⭐️奇跡の出会い⭐️
携帯で検索しまくる毎日の中今となってはどう辿り着いたのかわからないのですが、同じ都道府県内ではあるもののなかなか遠めな耳鼻科に、めまい認定医が診察しにくるという情報をゲットしました。
どうしてもその医師に診てもらいたいと思いました。
めまいのせいで車を運転できなかったのでタクシーや電車で辿り着き、基本の検査を受けました。
その医師に診てもらうには紹介状だったか診断書だったか必要で、検査の結果予約を取ることができました。

後日同病院にて、私にとっては奇跡のような名医との出会いになります。
モニターがある部屋で、物腰の柔らかい医師が迎えてくださいました。
検査用椅子に座り眼振検査の装置を装着。
時間もそんなにかからず、良性頭位発作性めまい症の詳しい説明をしていただきました。耳石という石のようなものが、三半規管内に剥がれ落ち、粘度のある液の中でどのように動いてめまいを引き起こすのか、その石さえ正しく流せば症状も出ない事などとても勉強になりました。

詳しくNHKさんも情報出してくださってます。

そして同じサイトで治療や予防の方法も紹介されています。

エプリー法で検索すると多くの医院もWebページで説明されています。
ただとてもややこしい気はします。(私の知能の問題かもしれません)

エプリー法(エプレイ法)

①ベッドに足を伸ばして座った状態で、頭を右側に45度の方向に向けます。
②このままの状態で上体を後ろに倒します。このとき、めまいが現れることがありますが、めまいがなくなるまで、あるいは2分ほどこの頭の位置を保つようにしてください。
③次に左側に頭を45度の方向に向けます。また2分ほど保ちます。
④そのまま左側を下にして横向きになります。再び2分ほど保ちます。
⑤頭と体の位置を保ったまま、足をベッドの左側に降ろして身体を起こし、ベッドに腰かけた状態になります。
⑥その状態で頭を15度ほどうつむくように前へ傾けます。2分保ちます。
⑦まだめまいが生じるようであれば、この流れをもう一度試します。

左側の耳石の位置に異常がある場合は、これを左右反対の動作で行います。

横幕鍼灸院さんより引用

⚠️良性じゃなかった場合や、どちら側に石があるか等わからない場合や、そもそも別の病気だった場合もあるので必ず診察診断を受けてからじゃないとです⚠️

そして眼振検査というのも、エプリー法も、めまいが起きるとわかっていてわざとそっちに傾けないといけないのできついです。でも正しく診てもらうには必要な事ですので頑張らないとです。

エプリー法の説明を受けた私を見て、あ、こいつ全然理解できてねーなと思ったであろう医師は、予定していなかったようですが処置室を急遽開けてくださり、ベッドに横たわった私の頭を持ち、カウントしながら右左にと動かしてくださいました。
めまいの衝撃に耐えるのに必死で正直どう動かされたのか覚えていません(馬鹿)

そして吐き気と共に起き上がり、診察を終え、帰宅しました。
その日だったか次の日か、めまいが起こらないことに気付くのにそう時間はかからなかったと思います。
説明を受けた通り私の耳石はゴッドハンドによって正しく動かされたのです。

こんな日が来るとは思っていませんでした。
次の診察時にはどれだけ感謝の気持ちを伝えたら伝え切れるかばかり考えていました。乗れなかった車を運転して、再度医師にお会いし、おそらく半分も伝えられなかったでしょう。


それからもまためまいが起きたりしましたが、自分なりのエプリー法(あかん)を頑張ったり(なかなか上手くはいかないし、襲ってくるめまいを耐えきれない)
予防法を毎日行ったりしました。
再発もまた良くある話だそうです。

予防としてしたこと
・上記のNHKさんのを参考にしたり
・寝たまま上向→右向き→上向→左向き→上向を各向き10秒ずつゆっくり繰り返す
・枕は高い角度のまま(首のシワにつながります悲)
・寝てる間もなるべく寝返りを打つように意識
・水を飲む

これに軽い運動やバランスの良い食事なども気をつけたいとは思うだけですが思います。


今これを書いてるのはこれから何年も後です。
そして軽く5年以上はめまいが起こっていません。
始めに書いたように、自分でその場でくるりと回っただけでも気持ち悪くなる、乗り物酔い強めの人間ですので、今振り返ってもこのめまいとの闘いは壮絶でした。
まあ偏頭痛の方が壮絶なのですが、種類の違う辛さですよね。

最後に
発症から治るまで出口が見えないどころか、未来のことすらも考えることができなかった期間でした。相談できる人も、もちろん詳しい人も周りにいなくて辛さや孤独自分への失望などで暗い期間でした。だけど1日でも早く治りたいと頑張れたのは紛れもなく愛猫のおかげです。
彼女の要求に思いっきり応えたい気持ちがずっと心にありました。
当時では想像つかなかったけど、雨はやがて止み夜は明け日はまた登るということだったのかなと思います。



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