※ご注意
本記事はウマ娘に触れた人が実際の競馬に触れようとした時に、私の得意とする血統予想からの観点を提供するという目的で書いています。
極力簡単になるように書いていますが、理解しづらい可能性もあります。
G1は今後すべて書いて行こうと思うので、段々と理解していったら予想が楽しくなるかも…という事でご容赦ください。
なお普段はfanboxにマニア向け予想記事を掲載しています(全レース対象)。

さあ競馬の祭典・日本ダービーです！！！！！
テンション高まってますか！？！？
私は今週毎朝起きる度に今日はダービーだという錯覚に陥ってます！！！

全てのホースマンが目指すダービー。
それはその国の馬産に於ける根幹中の根幹です。

…根幹？

そう、ウマ娘サービス開始直後にTLでもよく「用語がわからないからステータスの意味が掴めない」と言われていた中で
最もその要素が強かったであろう『根幹距離・非根幹距離』についてお話ししていきたい。

■根幹距離・非根幹距離の概念は古く、かつ新しい？

正直このステータスがウマ娘に実装されている事に驚きました。
競走馬育成ゲームのウイニングポストにはこのステータスがあるものの、
普通はこの用語について、特に適性の話として使われるのであればある程度専門的な分析をする人の発言や記事を読んでいないと知る術がほぼないワードかと思います。
少なくともウインズ(場外馬券売り場)で知らん爺さんと絡んでる爺さんみたいな集団はそんなワード知らないか使わない。

ウマ娘では『400の倍数の距離を根幹距離、それ以外を非根幹距離』と定義されています。
ウイニングポストでは『1200,1600,2000,2400,3000の距離を根幹距離、それ以外を非根幹距離』としています。

さあ～～～おかしいですね！
2800mのレースは1つも無いのでそれはいいとして、
3000m…つまり菊花賞を非根幹距離とするウマ娘と、
3200m…つまり天皇賞(春)を非根幹距離とするウイニングポスト。
定義が揺れています。

（この話、本当は春天の時にしようと思って1度書いて別な話題を採用しました）

とある予想家は
「上がり3ハロン(ラスト600m)を重用するのは日本ぐらいで、馬の走りのリズムを捉えるには上がり4ハロン等2ハロン単位の方が重要度が高い」(1ハロン＝200m)
とよく発言していました（内容の真偽はともかく）。

実際イギリス由来の香港競馬の中継は400mごとのラップタイプが中継に表示されます。

この400mごとの発想、元を辿ればある程度あっているとも言えますし、間違っているとも言えます。
というのも本来根幹距離の発想というのは1マイルを基準に取られています。

1マイル＝1600m
1.5マイル＝2400m
2マイル＝3200m

近代競馬発祥の国イギリスでは、3冠レースがこの3つの距離に準えていました。
英2000ギニーは1600m
英ダービーは2400m
セントレジャーステークスは創設から40年弱は3200m(といっても1812年まで)、
それ以降は約3000mという距離になりました。

日本の3冠レースはイギリス競馬を基にしているため、
日本ダービーは2400m、菊花賞に相当するレースは1938年からなので3000mと設定されました。
2000ギニーにあたる皐月賞だけはなぜか1850→1800→2000mという歴史を辿りました。
何故こうなったのかは不明です(1600mの大レースは別に行われていた)。
NHKマイルカップ(1600m)→日本ダービーという変則春2冠ローテは松田国英調教師がよく使っていたため『松国ローテ』と呼ばれていましたが、この英国式に則っています（この話は後にもう1度出てきます）。

なのでマイルを基準とするならば伝統的な競馬の根幹を取っていると言え、
ウイニングポストのようにクラシックの距離を基準にするならばその国の現状を根幹を捉えていると言えます。

3000m以上の長距離についてはさておき、
1600mと2400mについては数多くのG1がありますしG1の中でも特に格の高いレースが世界中に存在する事から、まごうことなき根幹距離だという事がよくわかります。

その間の2000mについては世界的にスピード化が著しい近年に於いて世界的に格が上がってきた距離であり、
もともとはそれほど格の高い距離ではありませんでした。
近年といっても3～40年ぐらいの話であり、根幹と呼べる程になるのはそれぐらいからの話です。。

では1200mは…？
高松宮記念の時のnoteに1200mは特殊なレースだと書きました。
レースラップの質も強い血統も1400以上とは全く異なります。

かたや3200m。こちらはG1では天皇賞(春)でのみの距離ですが、確かに3000mの菊花賞に比べてダービー馬の好走が目立つ。
皐月賞を逃しダービーと菊花賞の2冠となった馬は昭和の戦中～中期の馬だけで近年全く出ていないのに対し、
3冠馬以外のダービー馬で春天を勝った馬はカツラノハイセイコ・スペシャルウィーク・メイショウサムソンが該当、他にも僅差2着ならまだまだ該当馬がいるので、確かに根幹と言うべき距離で強かった馬が強いという見方もできます。

さっきまでは定義の話をしてきましたが、
根幹距離と非根幹距離のステータスとして実装されているぐらいなので、
これは適性の話として捉えられるべきなんです。

となると適性が大きく異る1200戦や長距離の3000(3200は比較的マシ)は、
クラシックで使用される1600,2000,2400と同じ適性として扱うのは違くない？？？と思うんですよね。

また1200と3000以上を除いた中での非根幹距離でG1が行われているのは宝塚記念とエリザベス女王杯の2200、有馬記念の2500。

エリ女はさておき、宝塚記念と有馬記念の両グランプリはクラシックではあと一歩足りないような馬・血統が強いレース。
メジロライアンやメイショウドトウなどずっとあと一歩勝てなかった馬の悲願のG1勝利舞台になりやすかったのが宝塚記念ですし(有馬記念も2着)、
スイープトウショウやリスグラシュー、クロノジェネシスなどのクラシック惜敗牝馬が圧倒的強さを発揮したりします。

根幹距離＝クラシックに強い血統がよく走る→王道主流血統
非根幹距離＝クラシックでは足りない血統がよく走る

という適性差があるのは血統派ではほぼ共通認識なんですね。

なら1200mや3000m以上も根幹距離扱いするのはおかしくない？？？
というのが私の意見。

ちなみに1400と1800についてはG1がありません。
G2,G3に多く、かつ前哨戦扱いされるレースも多いため、
勝利に圧倒的意味を持つG1とはレースの流れにかかる"圧"が全然違います。
なのでG2,3のレースの質は得意でもG1になると足りないという馬が単に非根幹距離適性扱いにされる事もあるかもしれません。

そもそもなぜ根幹距離と非根幹距離で適性が変わるくらいレースの質が違うのか？問題ですが、実はそれもコレ！と言い切れるものがありません。
だからこそウマ娘のような初心者が触るゲームに実装された事に驚いたんです。

先述の馬の走るリズムがどうこうというのもあまりエビデンスの取れたものではありませんが、前述の『松国ローテ』で変則2冠となったキングカメハメハは種牡馬として活躍するだけでなくその産駒が後継種牡馬となっても成績が良く、競走馬の遺伝能力を測る意味でも根幹距離で活躍できる何かがあるのかなと思わされる部分はあります。
同様のローテで片方だけ勝ったクロフネもタニノギムレットも、産駒にはG1馬が複数居たりダービー馬が出ています。何かしらの因果関係はありそうに感じる事象はあるんですよね。

他にG1の組まれている競馬場は根幹距離にあわせて作られているからというのも理由として上げられる事があります。
確かに東京競馬場は他の競馬場に比べ有利不利は出づらいですし、日本ダービーの直後に組まれている目黒記念(古馬のG2)は距離が100mしか違わないのに馬の適性傾向がガラッと変わり、それは血統傾向にも現れています。

逆に根幹距離でもトリッキーな形をしていた昔の阪神1600は外枠不利がよく言われていて、桜花賞とオークスが直結しないレースでした。阪神を改修して外回り1600というコースが出来てからはオークスと結果が結びつく事が増えました（今年は例年と違いましたが）。ウオッカが桜花賞2着→ダービー1着とした時も阪神改修後です。
そういう意味ではこの説は有力ですが、だったら1800で合わせた競馬場があったら…？という話にもなるため距離だけでの話にはできない所があります。

■ある意味実力を測りやすい根幹距離＝ダービー

さて、じゃあダービーについての予想は1600,2000,2400でのレースの結果をそのまま信じればいいのでは、という事で皐月賞馬対青葉賞組のような構図が多くなります。
ただなにせキャリアが少ない3歳春なので、例えば非根幹距離の1800や2200で勝ち上がった馬が、実は根幹距離ならもっと強かった！というケースも考えられます。

また東京競馬場の芝コースは先週触れたCコース替わり初週という事で、
想定した血統傾向の変化が土曜日のレースでも発生していました。
それも合わせて予想していきたいと思います。

以下、予想になります。
どうしても一段回内容は濃くなります。
普段完全マニア向け(かつ他のレースも有り)な予想記事をfanbox(月額510円)に有料掲載しているので、こちらも有料化(単記事200円)する事をご容赦ください。ちなみにG1は不調ですがfanboxではダートの条件戦で毎週万馬券当ててるんですよね…苦笑