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ウマ娘新規からマニアックになりたい人向け、第71回安田記念の血統予想と解説 ~調教師(トレーナー)を見極めろ~

※ご注意
本記事はウマ娘に触れた人が実際の競馬に触れようとした時に、私の得意とする血統予想からの観点を提供するという目的で書いています。
極力簡単になるように書いていますが、理解しづらい可能性もあります。
G1は今後すべて書いて行こうと思うので、段々と理解していったら予想が楽しくなるかも…という事でご容赦ください。
なお普段はfanboxにマニア向け予想記事を掲載しています(全レース対象)。

ウマ娘プレイヤーはトレーナーという立場ですが、皆さんどうプレイされてますか?

攻略サイトを読み効率を取り入れひたすら勝利を目指す人が実際の調教師なら、今その時々に合った血統や調教法を探していける対応がうまいかもしれません。

とにかく課金してカードの強さで勝負するような人なら、とにかく有力生産者や有力馬主と仲良くなり良血の高額馬をとにかく狙う調教師かもしれません。

体力に気を使いながら進めていくのなら、無理をせず広い間隔のローテーションを取る調教師かも。

スピード重視で育てていく、他のステータス重視で育てていく、スキルで、などなどプレイスタイルは様々だと思いますが、同じように実際の調教師もタイプが様々です。

■己を貫いた"馬優先主義"で強くする調教師

ヴィクトリアマイルをグランアレグリアで制した藤沢和雄調教師は来年定年を迎える69歳ですが、
数々の名馬を送り込んできた名伯楽。
G1馬には社台系の馬も多いのでウマ娘登場馬としてはタイキシャトル、ゼンノロブロイぐらいですが、シンボリクリスエスなどなど『馬優先主義』を掲げる名ジョッキー岡部幸雄元騎手と共に一時代を築き上げたといっても過言ではありません。

まず若いうちは馬に無理をさせることはしません。馬の成長力に合わせて負荷をかけていきます。
最たる例はディープインパクトの半姉のレディブロンド。
デビューはなんと5歳!!新馬戦はおろか未勝利戦も無く、条件クラスに経験馬相手に出走していきなり勝利、そして連勝してG1を3着するまで駆け上がりました。

そして独特なのは何より調教法。
鞭を使うような「一杯調教(全速力で走らせる事)」をほぼ行わず、軽い馬なり併せ調教が主体(近年はゴール前やや強めが以前に比べ増えました)。
その代わり運動量は多くして長々と歩かせていたり、併せ調教も3頭以上にしたりと、負荷自体はかかるようにしています。

このスタイルは所属する美浦トレーニングセンターでもかなり浮いた存在で色々と揶揄される事があったようですが、これは氏が若い頃に修行に行ったイギリスで培った欧州流の調教方法。
日本はどちらかというとスピード重視のアメリカ流が多く、特に開業当初には戸田為夫調教師が鍛えて強くしたミホノブルボンの活躍があったのもまたその異質さを際立たせた事と思います。
今となっては藤沢氏に影響をされた調教師も数多く現れています。

調教師になる前はシンボリルドルフが現役時代に所属する野平厩舎でも調教助手をしていました。生産馬主、調教師、騎手と海外競馬志向の強い人物に囲まれていた馬だからこその皇帝と言えます。

藤沢厩舎を語る上で外せないのがゼンノロブロイのこと。
天皇賞・秋、ジャパンカップ、有馬記念を同一年に制覇した芝の中長距離を得意とした馬ですが、
実は母の血統は完全にアメリカのダート短距離。
父サンデーサイレンスは母方の特徴を出す種牡馬(そこに自身の根性と柔軟性をプラスする)なので、
まったく違う適性を見せました。

デビューは芝1600、2戦目からもう芝の2200。ダートは一度も使われていません。適性を見抜く相馬眼(そうまがん・馬を見極める力の事)もそうですが、アメリカのダート短距離血統馬をしなやかに育て上げるその調教法はまさしく"藤沢マジック"。

ゼンノロブロイ登場以前から、競馬ゲーム「ダービースタリオン」では「藤枝厩舎」におまかせ調教をさせると、本来は調子落ちすると戻るまで何週もかかるのに一瞬で復調するという「藤マジック」が有名に。

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でも謎ローテを取ることが多かった。みんなを困らせた伝説のセリフ。桜花賞出してよ!!!(このレースはもうありません)

藤枝厩舎は藤沢調教師と国枝調教師を合わせたような名前ですが、国枝先生は今でこそアーモンドアイを管理するなど名声を上げているもののゲーム登場当時は無名。ほぼ藤沢先生そのものを指していたと思います。
静岡県に藤枝市がありますしね(なお私は藤枝市がある事を後から知りました)。

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キツめなブリティッシュジョークが大好きな藤沢先生、そんなところも欧州スタイル。

なおヴィクトリアマイルレース直後、こんな話があったそうで

なんて強者の言葉。
でも藤沢先生もずいぶん人当たりが柔らかくなったな~と思います。笑

■調教師の個性を見抜けば馬券に繋がる?

調教師の特性を利用して馬券を予想するという人もそれなりにいるでしょう。

例えば最近一番わかりやすく言われているものとしては、
中内田厩舎は前哨戦で仕上げすぎるから本番のG1で弱い、というもの。
いわゆる仕上がり早なタイプなので2歳G1であれば勝てますが、後は前哨戦しか勝てない馬が続出。勝てないどころか人気して入着すらしないケースも多く。余りにも言われているのでさすがに本人の耳にも入っているでしょうが、今もそれは続いています。

他には安田隆行厩舎の短距離志向。
騎手時代にはトウカイテイオーで2冠を制しましたが、調教師としてはカレンチャンやロードカナロアなど短距離が得意な馬が多い。
特に1200~1600までを専門としていたロードカナロアはもう少し長めの距離でも走れそうな血統をしていて、実際に産駒もアーモンドアイやサートゥルナーリアを始め母方次第で中距離で強い馬もよく出しています。

他にも美浦TC所属の国枝厩舎のように関西遠征でも問題なく能力を発揮させられる所もあれば、遠征すると走らなくなる厩舎も多い。

一流とは言えない調教師とG1を勝てる調教師に於ける差は人脈もあれば調教法もあるでしょう。ある調教予想家はG1の直前で負荷をかけられない調教師は一流になれないと言っています。
負荷をかけずレースに数多く使うという方で経営を成り立たせてる調教師もそれはそれで需要がありますけどね。馬主には高馬を買える人から安いのしか買えない人まで様々ですから。

人としての傾向といえば、開成高校卒業の高学歴で知られる矢作調教師は経営者的思考を厩舎経営に取り入れ効率的に運営していますし海外遠征も積極的。

牧歌的な"馬のおじちゃん"タイプの調教師だと気性が素直な馬も多かったりも。
騎手として名を馳せてから調教師になった場合だと自分で調教に乗る人もしますし、現役騎手とも結びつきが強いケースも多いです。

血統傾向でいえば、主流血統に強いといえばなんと言っても友道厩舎。
マカヒキ・ワグネリアンと日本ダービーを2年連続で制した辺りにあらわれていますし、他にもディープインパクト産駒での勝利が多い。
早期勇退してしまいましたが角居厩舎も良血が多かった。
そして先週松国ローテで触れた松田国英厩舎(定年引退済)は大レースに強く優秀な種牡馬として血を繋いでいます。
ちなみにメジロマックイーンとディープインパクトの調教師は同じ池江泰郎先生、そしてご子息の池江泰寿調教師はオルフェーヴルで3冠と親子で3冠調教師という偉業を達成しています。

そういえば須貝厩舎は逆に渋い個性派血統が得意なのかもしれません。
G1馬を挙げていくと、ゴールドシップもそうですし、他にもステイゴールド産駒のG1馬が2頭。
銀魂のプロデューサーが所有するジャスタウェイも父はハーツクライながら母方はマイナーな血統。
オークス馬のローブティサージュはサンデーサイレンスを持たない血統ですし、無敗の桜花賞馬となった白毛のソダシは桜花賞の時に語りましたが本来はダート寄りの牝系です。ソダシの血統は牝馬だから芝G1でも走れたとも別の回で触れましたが、ちゃんとそれを活かせる厩舎だったとも言えます。

■安田記念に於ける注目調教師は…

上記で触れた中ではグランアレグリアの藤沢厩舎は定年まで半年ちょっとでG1を畳み掛けてきますし、ダノンプレミアムの中内田厩舎は今回は前哨戦を使わず直行、安田隆行厩舎は自厩舎出身のロードカナロア産駒のケイデンスコールを出走させています。
また他にも先週ダービーを勝った藤原英昭厩舎等G1勝ち多数の有力調教師が顔を連ねます。

ぜひ調教師についても予想の参考にしてみてください。

以下、予想になります。
どうしても一段回内容は濃くなります。
普段完全マニア向け(かつ他のレースも有り)な予想記事をfanbox(月額510円)に有料掲載しているので、こちらも有料化(単記事200円)する事をご容赦ください。

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