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疾走するサラブレッドのように



昨今、競争馬の価値たるやベラボーに上がって高値なのは、誰もが知るところ、有名どころでは、サブちゃんのキタサンブラックしかり、大魔神佐々木の競争馬などはその最たる例である。
その道で財を成した人ばかりだが、それにはかなりの元手がかかっていて限られた条件に合わないとできない。
別世界の話でピンと来ないが、あるところにはあるもので、ある人にしかできないことなのだ。
それが馬主で、リスクもあるだろうがしかし、いろいろあってもそれでも余りあるのが喜びではないか。なかにはマネーゲームさながらのものもあるやに聞く。 

優勝馬の馬主ってどんなんだろう、万馬券当たるよりすごいんじゃないのか、いやいやそんなもんじゃあないだろうじゃあひとつ馬主とやらになってみようかってそうは

いかの○○タマ。

一般庶民には夢物語なのである。そんな簡単に手を出せるもんじゃあない。

名馬ともなればその種付け料も法外なのは論を待たない。何千万もする例もある。
 高い種付け料を払っても成功が約束される訳ではないが人は夢を追う。それにむらがり暗躍する人々、それぞれにドラマがある。
種馬にもサラブレッドのようにめぐまれた自然交配の優れた名馬もあれば、当て馬の役目専用の牡馬もいる。
牡牝一緒に居させて、その気にさせて牝馬の準備が整った時点で本命牡馬に交代させられたりする。交代させられた牡馬にしてみればたまったもんじゃない。
俺(牡馬)の気持はどうなる、散々その気にさせといて、折角馬並みの持ち物を(馬だから馬並みじゃあない馬そのもの)引っさげているのに‥‥。
今さらそんな殺生な、
蛇ならぬ馬の生殺しでっせ、てな具合だ。

ところがよくしたもので、もっともそんな牡馬用に、高齢のご婦人でいうところのいわゆるあがった牝馬を当てがって受胎せずにということも聞いたことがある。やれやれといったところか、
(心配させやがって頼むでえ)
と言っていたとか。

以前には種馬に疑惧をあてがいその馬の状態のピークに合わせしぼるだけしぼり取った例もあるようだ。

牡馬にしてみりゃあ、生身に触れさせてもらえず、
「人工的に、人(馬)のスペルマ取るだけとって商売にしてけつかってからに、どないやねん」
と言っていたとかい言わないとか、せめてもっとうまいメシを食わせろと悪態をついていたとかいないとか。
そんな気持は分からないでもない。


同じ星のもとに生まれて来たのにこうも違っているというのは、人も馬も同じなようで。


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