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通常級か支援級か迷っているときに考えたいこと

支援級に長女が転籍して半年以上が経った。

支援級にすっかり馴染み、毎日学校を楽しみに登校している。

いつでも支援を求められる環境になったことで、安心して学習に取り組めるようになったことが転籍して1番良かったことだ。

ただ入学時には通常級という選択をしたのだが、それはそれで良かったなというのが今思うところだ。

1年生のときに同じクラスだった友達は、街で会うと親し気に話しかけてくれて、そこには何の心の壁もない。

たくさんの友達と日々関われるというのは、やっぱり通常級の良さであると思うのだ。

通常級や支援級の選択はとても難しい。支援センターの方などに助言をもらったとしても、それが全てではないからだ。

あくまで就学先の決定権は保護者にある、ということになっている。

その選択は重く、保護者を苦しめることにもなる。

ただその選択は、その時々の子どもの状況で変わっていくのが当然だ。だから、絶対に6年間その状況で過ごさなきゃと思うのではなく、途中で変えても良いという柔軟な気持ちで選択できたら良いのだと思う。そして現場も保護者の考えを聞き入れる柔軟さをもっていたい。

自分の経験から、迷っているときはこんな視点で選べたら良かったのかなと思ったことを書いてみる。

①どちらがのびのびと過ごせるか。
②どちらが安心して学習できるか。
③どちらの雰囲気に合っているか。

①どちらがのびのびと過ごせるか。

のびのびと、という表現は少し曖昧であるが、その子らしさを発揮できる、という意味で捉えてもらいたい。

長女はどこでも自分らしくいられる方だと思う。言い換えるとマイペースだ。ただ、やはり自信がないと声も小さくなる。家ではとてもよく通る声なのに、だ。通常級での様子を聞くと、みんなの前で発表する声は、小さく聞こえないこともあったようだ。

支援級は人数は少ないものの、日直や当番の仕事が毎日のように回ってくる。場数の踏み方が通常級の比ではない。当たり前に、みんなの前で自分を表現することができているようだ。

最近参加した区の環境イベントでは、長女は大勢の人たちの前で、参加した感想を堂々と発表していた。手を挙げたことにも驚いたが、ハキハキと誰にでもわかる言葉で話せていたことに、成長を感じた。できることを積み重ねることは自信と成長に繋がると、感じた出来事だった。

②どちらが安心して学習できるか。

どんなに学校が好きでも、学校で過ごす時間の大半は学習する時間だ。この時間が苦痛では、学校に通うことが辛くなるだろう。

支援級は個別に対応してもらえる時間が圧倒的に長いと感じる。そして、個に合わせた教材を準備してくれることで、「できた!」の自信を積み重ねられる。

長女の通常級での授業参観を見たとき、積極的に挙手はするものの、先生が言ったことの意図を理解できておらず、うまく噛み合っていなかった。先生の反応もいまいちだ。そしてその後、楽しくないのか手遊びを始めていた。きっと、学習内容が長女に合っていなかったのだろう。

支援級での授業参観では、長女はとにかく積極的に取り組んでいた。わかったことにはすぐ反応するし、わからないことにはすぐ質問をする。遊ぶ暇なんてないくらい授業に前のめりだった。彼女に合った内容であること、認めてもらえること、それが学習の意欲にも繋がっていると感じた。

③どちらの雰囲気に合っているか。

知能の遅れがある子にとって、定型発達の子とは会話が噛み合わないこともある。一見長女は集団に馴染めているように見えるものの、周りの子たちは「ちょっと違う」を敏感に感じることもあったようだ。

一年生だから、そこまであからさまではなかったかもしれないが、通常級のときの担任の先生からは「友達とうまく関われていない」とはっきり言われた。

同じようにゆっくり成長していく友達といるのが良いのか、それともたくさんの刺激を受けながら定型発達の子たちといるのが良いのか、それはその子によるし、どちらが良いとは一概に言えない。

会話のつたなさがある長女にとって、定型発達の子に常に囲まれていることはなかなか疲れることだと思った。刺激をもらうのはもちろん大事だが、学校が常に疲れる場所であってほしくはないと思っている。

その子が毎日いる場所として、馴染める雰囲気はどちらなのか、と考えられたら良いなと思う。

今まで記したことは長女との経験や、自分が教員として感じたことである。これが正しいと言えることではないので、あくまで参考程度に受け止めてもらえたらと思う。





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