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風のような日

その日はとってもとっても不思議な日だった
なぜ、どうして、とかそういう事じゃなく、もう、あぁ、そうなんだね。っていう感じ。
うまく表現できないけど、そういう事もあるね、うん。って自然にうなずくというか。
なんとなくな気分で応募した、お茶会参加の申請にすんなりとクリアして招待されたの。その日一日、知らない土地に行くことになった。
でもその日が近づくまで、忘れてる瞬間もあって「あ~そうか、この日はお茶会の日なんだなぁ」ってふんわりと思うだけ、みたいな感じだった。
知らない土地に知らない人だらけで、そして会いたい人に会えるお茶会なのに。ただただふんわりしてる。
そしてその日が来て、私はふんわりとしたままその地に向かった。
さすがに電車とか間違わないようにチェックして、大体の道順は把握しておいた。電車に乗っている間も、どんな感じかなぁ、全然検討もつかないなぁ、とぼんやり外を眺めていた。最寄りの駅について、はて、全然道が分からない、たぶん、こっち。ぱたぱたと歩いて、おそらくこっちだろうというなぞの自信で行動するのはいつもの方向音痴。路地をううねして、だんだんと人けがなくなってきた。はたと前に黒い服の女の人が歩いている。
あの人についていけば大丈夫だ、と確信してお茶会会場に向かった。
当然のように会場に着くと、一番会いたかった人が出迎えてくれた。
わわわ・・この人だぁ・・・。わ~・・。心の中はちょっとの驚きとワクワクだったけど、ホスト役のその方はとってもキリリとして「お二階へどうぞ」といざなってくれた。わ~・・ワクワクしてお二階へ上がって、指定された自分の席に座った。周りの人もなんだかワクワク、少しドキドキしているのが伝わってきて、私もちょっと緊張してきた。
いよいよお茶会が始まって、最初にみんなが自己紹介をして、いろんなお話をして、色んなお話を聞いた。途中でホスト役のその方も、混ざってくれたりして和やかな空間だった。
そして、聞くとこのお茶会、なんとものすごい倍率であったらしく、抽選に当たったのは結構レアな事だったみたい。ふえ~なんも分からず参加したけど、そんな事になってたのねぇ・・。しみじみと感動した。
そして、このお茶会の会場の数名だけにその方から、今の自分にピッタリの言葉をもらえる、という、これまた緊張するイベントが盛り込まれていた。
え~、なにそれ、そんな事があるの。もう初めてすぎてよく分からない!
それは、ホスト役の人と全員がじゃんけんをして勝った上位の数名に、という事になった。あ~これもうだめ、だってじゃんけんめちゃくちゃ弱いもん。たいてい負けるの、たまに気迫で勝つこともあるけど、大体わかる。勝つか負けるかって。今日はどうなの、私。
しかし自然とするすると私は勝ち残っていった。1回、その方とあいこだったけど、運良くセーフにしてくれた。
私はとうとう勝ち残ってしまった。こんなことってあるの。ぼう然とした。最後に私と1対1対決じゃんけんした方は、泣き崩れていた。かわいそうに。そこでもまだ私はふんわりとしていた。
そして、対面でその方にお言葉をいただいたの。書き留めてくれたんだよ、好きな色を選ばせてもらった紙に。
すらすらと書かれた言葉を読んでください、って言われて言葉に出して読んだとたん、私はぐっと涙を流してしまった。その時もその方は、キリっとしていた。
不思議な不思議な事。でも、こういう事って、あるんだね。うん、そうだね。帰りに一緒になった人たち数人とで、そんな会話をしながら帰路に向かった。
なんだか最初から導かれるように決まっていたみたい。今日。
なんの違和感も感じずにその場へ行き、人々に会い、言葉をもらう。
風のような日だったなぁ。
また会えるかな。
楽しかった、女子会みたいで。だって、途中でマステの話になったりして面白いんだもの、みんな。マステって可愛くて買っちゃったけど、使い道に困らなかった?って最高に面白くない?今でも笑っちゃう。
私とじゃんけん対決して負けちゃった人とは、なんか友達になれそうだった。またいつ会えるかも分からないのにね。
風のような人。
またいつか会えますように。

マステってみんな何に使ってるのかな

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