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憧れのフェリー旅行 その1〜序章〜

今までいろんなところに旅したけれど、船での旅はした事がなかった。
しかし今回宇宙タイミングで念願のフェリー旅行が実現したのだ。

フェリーでの旅行は時間がかかるから、ある意味贅沢な旅行だ。飛行機で行けばすぐのところを何日もかけて行くのだから、時間に余裕がある人でなければなかなか行けない。今までそうやってなかなかタイミングが無くて船での旅を逃して来た。今回子どもたちにも良い経験をさせてあげたい思いもあったし、なにより次男は楽しい事が大好きだからそれだけでも行く価値はあった。実際に1週間前ぐらいから毎日旅行の事をカウントダウンして楽しみにしていた。

しかしいつも思いつきの直観で旅の予定を決めるから、気がついた時にはほとんどのフェリーは満席だったし、値段が高かったりで一度はあきらめたのだけれど、妻も休みが取れる7月の末にうまい具合に予約が取れた。
大阪南港から福岡の門司港までの、夜に出発するフェリーだ。車を船に乗せて、船で一泊というなんともわくわくする旅が実現したのだ。

とは言え仕事との兼ね合いで出発当日は夕方まで仕事をして、急いで家へ帰ってからすぐに出発しなければ間に合わない時間設定だったので、数日前からドキドキしながら当日を迎えた。家族には帰ったらすぐ出発するから荷物は絶対に用意しておくように再三伝えたが、いざ帰ってみると妻は全裸でお風呂から出てきたばかり(なんで?)、子どもたちもぐずぐずして結局20分ぐらい予定時刻をすぎてしまった。
南港へはナビで1時間かかる事を調べておいたけれど、夕方の混み具合や道に迷う事も考慮して早めに出たかったのだが、いつもの我が家のペースではやはり無理があったのかもしれない。しかもいざ出発するとナビが突然『交通規制で道を変更します』と予定にない爆弾発言をし出し、絶対に間に合わない到着時刻が表示されて一瞬絶望感でいっぱいになったが、焦りながら他のルートを設定するとなんとかギリギリ間に合いそうだった。友人の瀬川健ことセガケンの、フェリーに乗り遅れそうになって船を待たせたエピソードを事前に聞いていたから、ハリウッド映画なみのカーチェイスの映像が脳裏に浮かんでゾッとした。
そう言えば昔夜行バスで九州に行った時に、帰りのバスに間に合わなくなって、タクシーでバスを追いかけて信号で止まった瞬間に飛び乗った記憶がある。普通に生きてると人生で『前の車を追って!』というセリフはなかなか言えるものではないからある意味良い経験をした。

とにかく出発の1時間前には到着しておかなければいけなかったけれど、ナビの到着時刻は一応それをオーバーしていた。いつになく車を飛ばし(もちろん常識範囲で)、ギリギリ間に合いそうではあったけれど、途中で乗り継ぎのインターチェンジを行き過ごしてしまい、カーナビも途中ナビゲーションを焦りだしたのか変な道を指示しだしたので慌ててiPhoneのナビに切り替えて事なきを得た。そして奇跡的にちょうど出航1時間前にフェリー乗り場に到着した。

南港フェリー乗り場


多大なストレスと疲れを感じながらも、ほっとして出航までフェリーの駐車場で待機した。結局40分ぐらい待たされてやっと乗れる事になった。その間にもトラックや車が想像してたよりすごい数フェリーに入って行くから驚いた。本当にこんな重さの車や人を乗せて船は進むのだろうか?

やっと順番が来て乗船できることになって車を停めて船内に入った。そこには夢にまで観たリアルな船の世界が広がっていた。不思議な揺れを感じながらふわふわした足取りでホテルのような船内を散策した。寝るところは生憎家族で一部屋は取れなかったから、ひとりずつの寝台列車のようなベッドだ。コンフォートとツーリストという区別があって、ツーリストの方は天井がさらに低くてカプセルホテルのようだった。

出航は19:50だったのもあり、とりあえずお腹が減っていたからレストランでバイキングを食べる事にした。しかし関西人にありがちな、来たからには元取らな!という思いでついあれやこれや食べすぎてしまった。心が豊かな人はこういう時、ほどほどにして満足感を得るのだろうが、結局食べすぎてしんどくなってしまうのは貧乏人の性かもしれない。

ついつい食べすぎてしまったバイキング料理


そのあとお風呂に入り、船でお風呂に入るという不思議な感覚を味わいつつ、このお湯はわざわざ水を溜めたのだろうか、はたまた海水を濾過して使っているのだろうか、などと思いを巡らしながら湯船に浸かった。そしてお風呂を出てから疲れもあったので早々に寝たのだけれど、ベッドから伝わってくる小刻みな振動音と揺れでなかなか寝付けなかった。結局夜中に途中で目が覚めてしまい、iPhoneの電波もなくネットも見れずやる事がないので今これを書いている。気がついたらもう朝の5:30になっていた。そろそろ朝日が見える。もう寝れる気もしないから起きよう。いよいよ九州の旅がはじまろうとしている。

早起きして見た朝日

つづく

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