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マールブルグ? 煽りも大概にしてください(後半追記あり)

帯状疱疹煽りも、サル痘煽りも、インフルとのツインデミック煽りも、ことごとく失敗し、連中の最後の頼みの綱が

マールブルグウィルス

となりました。

コロナ禍が終息する前に新たな脅威が…最高致死率88%!「マールブルグウイルス」が日本に上陸する日(FRIDAY) - Yahoo!ニュース死の病が、またも人類をパンデミックの恐怖に陥(おとしい)れようとしている。今年に入りアフリカで死亡例が続出している、マールブルグ病だ。浜松医療センター感染症管理特別顧問の矢野邦夫氏が解説する。

news.yahoo.co.jp

皆さん、すでにネットでお調べでしょうが、簡単にマールブルグウィルスを解説しておきますね。

そもそも、私が最初に「ウィルス」に興味を持ったのが、当時大ベストセラーになったリチャード・プレストン著『ホット・ゾーン』です。

「殺人ウィルス」として有名なエボラウィルスを世界に知らしめたノンフィクションですが、読みやすい小説仕立てで、下手なホラー小説よりも、はるかにスリリング! 手に汗を握りながら、上下巻をほぼ半日で読み切りました。

何より驚いたのは、アフリカでのみ局地流行するエボラウィルスがひそかにアメリカ本土に上陸し、あわや大惨事となる寸前だった、という事実です。

この本の前半に、マールブルグウィルスが登場します。

ドイツのマールブルグにある研究所で謎の熱病が発生し、数日間で数名が命を落とします。調査の結果、実験用にアフリカから輸入したミドリザルから人間に感染したウィルスが原因であることが判明します。
このウィルスは、ねじれたロープのような形をした未知のウィルスで、発生場所から「マールブルグウィルス」と名づけられます。

マールブルグウィルスは、それ以上広がることなく、すぐに終息しますが、その数年後、アフリカ・旧ザイール(現コンゴ)を流れるエボラ川流域で、高致死率の熱病が発生します。患者は高熱に苦しみ、全身から血を流して息絶えます。
調査団が病原体を発見しようと奮闘した結果……電子顕微鏡が捉えたのは、マールブルグウィルスそっくりの、ねじれたロープ様のウィルスでした。

「エボラウィルス」です。

両者は同系統に属するウィルスで、感染すると、ほぼ同じ症状を呈します。致死率が極めて高く、感染者の体液を介してうつります。
死者に遺体に触れて別れを惜しむというアフリカの習慣から、感染がいっきに拡大したのです(詳しくはネットでお調べください)。

『ホット・ゾーン』自体は、とにかく「ウィルスの怖さ」を、これでもかと強調した本で、正しい知識を持った今から読み返せば偏った内容ではあります。ですが、ともかく私がウィルスに興味を持ち、行く行くは生物学全般に関心を広げるきっかけとなった一冊です。

エボラウィルスは、映画やドラマでもたびたび取り上げられ、世界的なパンデミックを引き起こし、数万人、数十万人の命を奪っていますが、現実は決してそうはなりません。
ウィルスの世界では、病原性が高く、たちまち宿主の命を奪ってしまうようなやつは完全な「劣等性」自分の住む家に火を放てば、自分も炎に巻かれて死んでしまうからです。

エボラやマールブルグに感染した人がいれば、全身から出血するなど明らかに「異常な症状」を呈するので、みんなが近寄ってくることはありません。ましてや、べたべた体液に触れるようなことなど、あるはずないのです。
すぐに防護服を着た医療関係者がやってきて、施設に隔離死してしまい、そこであえなく感染は終息します。

致死率が何十パーセントもあるような感染症がパンデミックを起こすなんていうのは、フィクションの世界だけの話で、現実世界では絶対起きません。
上記の記事も、単なる「煽り」で売り上げを伸ばそうという、さもしい魂胆でしかありません。

ちなみに、世界が恐れるエボラウィルスですが、変異株がいくつかあり、致死率もばらばら。レストン株という種類は、サルには致命的でも、人間は鼻水程度の軽い風邪様症状しか起こしません。


というわけで、マールブルグウィルスなんか、いんちきコロナ以上に怖くないというお話でした。


以下追記

松野博一官房長官は、しょせんウィルスに関する知識が皆無なので論外ですが、記者にコメントしている矢野邦夫氏といい、上昌広氏といい、岩田健太郎氏といい、ウィルスに感染した場合の症状にはいくら詳しくても、「パンデミック」に関しては、畑違いでズブの「素人」と言えます。
安易な「煽り主張」は厳に慎んでもらいたいものです。
妄想の中で42万人を殺害した西浦博氏もそうですが、どういうわけか彼らは、異常な症状でのたうち回っている人間がいるのに、そこへ人々がわらわら押し寄せてくる光景しか思い浮かばないようです。

んなワケないでしょうが!

今どき、人混みでちょっと咳込んだだけでも、潮が引くようにばーっと周囲に空間ができてしまうというのに、なぜ病人の周りに人が群がってくる?
ゲームソフトの「レミングス」か!

例えるなら、燃え盛る炎の中に、見物していた野次馬が次々と飛び込んでいくようなもの。
そんなこと現実に起こり得ないでしょう。火が勢いを増したら、見物人はどんどん後退していくに決まっています。
その時点で、感染拡大に急ブレーキがかかるのは、子どもでもわかること。

こうした「人の意思や行動」が絡む複雑な現象は、バカの一つ覚えの「指数関数」で計算できるものではありません。
それなのに、「火に焼かれる(ウィルスに感染する)と人は死ぬ」という「物理的側面」だけから「パンデミック」の恐怖を煽るなんて、「専門家」を名乗るには、あまりにお粗末すぎます。

だいたい、「新型コロナ」が怖いのは多くの人に症状が出ないから(だから、あっという間に世界中に広がった)と、さんざん言いふらしていたはず。なのに一転して、「マールブルグは、すぐに激しい症状が出るから恐ろしい」って、おかしくないですか。
またしても「論理の一貫性」が保てないようです。

異常事態が起こったとき、人は何を考え、どう行動するか。

これは医学やウィルス学の問題ではありません。行動心理学哲学の問題です。
なので、彼らを「素人」呼ばわりするのは、決して誹謗中傷ではありません。「パンデミック」はもっと多面的にアプローチすべきテーマであり、単に「病原体」に詳しいからと、すべてを分かった気になってもらっては困ると言っているのです。
そうした知識が足りないのだから、「素人」と呼んでも間違いないでしょう。

彼らの「感染予測」がことごとく当たらないのは、

 人間を理解していない

からです。
ありとあらゆる「変数」を考慮しなければならないから、計算式どおりにいかないのです。

前にも書きましたが、もっと文学作品、芸術作品に触れて、

人間とは何か?

人はどう行動するか?

を深く考える必要があるのです。

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