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[note企画] 『春とギター』 PJさんから :「超短編 春」

https://note.com/pu_ukuleleguitar/n/ncc5a130e9b70

①の歌詞(「石川の春」)にも書いた、多角的な春を小説にします。以前作った、「のっとんの地震記録」に出てきた、のっとん。今回も登場してもらいます。

 のっとんは語り部を続けながら、資料館の窓から桜を見ていた。
「のとじい、元気かな?」
のとじいの工場は、家ごと流されていたからだ。かろうじて残った道具と塩田の使える部分を使って、塩作りを続けている。
のっとんの目から涙が。
「うっ、うっ…」
「ゔぇーん!ゔぇーん!」
のとじいのことを思うと、寂しさが止まらない。のっとんは、涙で顔がぐちゃぐちゃになったまま、桜を見上げていた。
その頃、金沢では…
 かなっこは、花見をしにでかけた。いつもの日常生活を送っていて、のっとんの友達でありながら、生活の苦労が全くない。しかし今年は、かなっこもそのありがたみを感じているようだ。
「何なのかな?いつもと違う感じ」
「のっとん、元気かしら?」
かなっこは、のっとんに電話することにした。   

            (終わり)

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