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F2フォトミックをお迎えした話


#写真が好き

皆さんはF2というカメラをご存知だろうか。ニコンが誇る機械式カメラの最高峰と呼ばれるカメラだ。以前から機械式カメラに強く憧れを持っていた私は夜な夜なメルカリやヤフオク、ジモティーなどを検索し良い代物はないか探していた。
そんなある日、かなり綺麗なF2フォトミックを出展されていたので急いで連絡をして現物の確認に急いだ。思い立ったが吉日とはよく言うが、一瞬で財布の紐が緩くなるのが私の悪い癖である。
翌日に金峰山登山を控えていたはずなのに私は深夜の埼玉の奥地に降り立った。約束の場所には男性が1人、逸る気持ちを抑えつつ現物の確認をして私は代金を支払った。
聞けばご家族が新品で買われてそれ以来ずっと仕舞ってあったと言う。ピカピカの軍艦部がその事実を物語っていた。

これ以上ないほどピッカピカなF2。傷ひとつもない。

そのまま使おうとも思ったが、やはり経年劣化が見受けられたので安心と信頼のフォトショップキィートスさんに修理を依頼した。
やはりモルトの劣化とグリス切れとそれによる高速域のシャッター速度に異常が見られたのでオーバーホールを依頼した。納期は1ヶ月、修理費はモルト代を含めて3万円超となったが今後10年以上は安心して使えると思うとお値打ちなのではと思う。

帰ってきたF2フォトミック

50㎜ f/1.4 名玉である。

見よこの美しさ、この堅牢さと佇まい。
写真撮影とは作品を創作する手順ではなく、その瞬間を記録しようと感性が訴えた瞬間から実際にシャッターを切るまでの一連の行動及び機械操作の体験と切り取った瞬間を回想する過去の追体験そのものなのである!
手間がかかる分機械式カメラは良い、その場でデータの確認が出来ないのも捉え方によっては写真の魅力の一つである。撮ろうと思ってから実際に撮るまでの時間は、残りの人生の時間には数えられないような何とも不思議な感覚がある。

秋になったらこの子を持って長野あたりにツーリングに行き紅葉狩りでも楽しもうと思う。本当は上高地や涸沢カールなど行ってみたいが、まずはビーナスラインを走りながら景観の良いところで徐に停車しニヤニヤしながらゆっくりピントを合わせて楽しむのも乙なものだ。

外気温15℃、横殴りの大雨に唖然としながら記す。

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