行政指導 仙台市 保育所

不適切保育の認可外保育所に仙台市が行政指導

1/11、記事が出ていました。
ほんとにひどい話。
行政指導について下記解説いたします。

1.内容

 仙台市の保育所で、保育士らが園児の体を逆さまにして持ち上げるなど不適切な保育があった。

2.詳細

 ①内容 行政指導

 ②行政 仙台市
  →仙台市は、改善報告書の提出を求めた。

 ③対象 保育所の運営会社

 ④根拠法令 行政指導として、行政手続法第四章の第32条~第36条の2に記載

 ⑤その他 対抗処置としては、国家賠償法による損害賠償請求が可能。行政指導に対して国民が不利益を被った場合、原則として行政不服審査法に基づく不服申立てや行政事件訴訟法に基づく抗告訴訟はできない。行政指導には法的拘束力がなく、任意のため。不服があれば従わなければ良いだけであるから。また、それによって処分を受けた場合には、その処分に対して審査請求や取消訴訟等を行うことが可能であるから。

3.法令等の詳細

 行政指導について
  ・一定の行政目的を達成するために、助言、指導、勧告等の非権力的な手段を行使することにより、国民を行政庁の意図する方向へ誘導する事実的行為のことをいう。

  ☆ポイントとしては法的拘束力はないということ。

4.類似

 行政処分

 ・行政処分、が行政指導と似た名称になっているが、内容は異なる。
 ・行政処分は、法律の定めに従い、一方的な判断に基づいて、国民の権利や義務に直接影響を及ぼす行為のこと。

5.類似法令等との違い

 ①行政指導と行政処分の違い

  ・行政指導
    非権力的で、「できればこうしてくれませんか?」というお願いスタンス。

  ・行政処分
    より強制的、権力的で、「こうしなさい!」という命令スタンスのもの。

 ②行政処分の具体例
  ・行政庁が違法建築物を有する国民Aに対して、まずは、行政指導として「違法建築物を除去していただけますか?」とお願いをした場合
  ・それでも改善が見られない場合には、行政処分として「違法建築物を除去しなさい!」と違法建築物除去命令を出す、という手順。

6.関連法令等

 行政指導指針

 ・行政指導指針について
  命令等に含まれ、同一の行政目的を実現するため一定の条件に該当する複数の者に対し行政指導をしようとするときにこれらの行政指導に共通してその内容となるべき事項のこと。

7.課題、問題点

 ・行政指導は、法律の不備を補充するために行われるものであり、上述のとおり、法的拘束力はない。

 ・しかしながら、現実には、行政庁が公権力を背景として、国民に行政指導に従うように強制しているのが実態。法律による行政の原理(行政活動は、国民の代表者で構成された立法府の制定する法律に従って行わなければならないという原理)に反するという問題点があるように思われる。

8.重要判例

行政指導に関する重要判例としては下記。

 ①病院開設中止勧告事件
 ②教育施設負担金事件
 ③給水拒否事件
 ④品川マンション事件


以上

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