2023TVアニメ個人的十選


という名のレビュー書いてない冬春のものを書きたいのコーナーである。
なので書いてあるやつは流しめでいきます。

おそらく140タイトルほど視聴
詳しい視聴状況はプロフィールにあるannictで見れます。




⚠️ネタバレ注意


1.ヴィンランドサガ SEASON 2
「今年のベストアニメは?」と聞かれたら間違いなく選ぶ。
神作。
アニメ続編待ち三銃士の1人。
原作者である幸村誠さんと進撃の巨人の諫山先生との対談で「暴力をなくせないか?というのを漫画で表現しようとしている」というような発言をされていたのだが、まさかこのような形で来るとは思わなかった。
一期で環境的に仕方のないことだがヴァイキングとして手柄を上げるために人を殺して、人から奪ってきたトルフィンが奴隷落ちしているところから始まった2期。
奪われた者であるエイナルとの出会いで変化を見せ始め、自分で何かを育てたり、それを奪われたり、理不尽に暴力を振るわれるなどの経験を重ねて自分のこれまでしてきた暴力を、その暴力と死の連鎖から自分は抜け出せたことを痛感し非暴力を掲げるトルフィン。
(一期が丸々ここで背負うもののための仕掛けとなっている)
しかし、立ちはだかるのは力による搾取と優しい人だろうと横暴な人へと変化してしまうような人間の怖さ、救いたい人とその立場といった非暴力との葛藤だらけの展開。
それでもその場を抑めるために100度殴られてでもクヌートの元へ向かう。
22話の「俺たちは今日会ったばかりで敵じゃない」や23話での「お前がそういうやり方を取るなら逃げる」という言葉でトールズが言っていた「本当の戦士に剣など要らぬ」の意味が伝わり、それをトルフィンが言えるようになったことがもう…もう…。
アニメという、いうなればただ画面を見て音を聞いてるだけの行為でここまで心が揺さぶられるのかと感じたほどの大作。全人類見なさい。進撃もヴィンランドサガもWITから引き抜いたMAPPAは自分の知名度を利用して世界平和を狙っているのか?
いいぞもっとやれ。


2.Dr.Stone3期
原作既読。アニメ続編待ち三銃士の2人目。
序盤は理一郎先生漫画上手すぎパワーで漫画で読んでる時は気にならなかったけどアニメ化されると疑問に感じるシーンがいくつかあり、こんなんだっけとなっていたが、ソユーズに辿り着いてからは流石のドクターストーン。
敵の石化装置を利用しての延命の納得感。
毎回涙してしまう白夜の未来への献身。
復活液ゲット→千空の知識でボンベ作り→ソユーズの記憶力で破片のスタート位置を把握→龍水が潮の流れを読んで破片発見→ロープのモールス信号をゲンが読む→復活した大樹が石像を引き抜くという立ったキャラの活用が上手すぎる流れ。
有能な敵とのギリギリの戦い。
人類のこれまでの積み重ねである化学を体現するかのようなドローン再登場→インカムで石化というこれまで作ったアイテムを活用した決着。
やはりキャラ立てもストーリーも上手すぎる、とんでもない作品だなと再度思わされた。


3.ゴールデンカムイ 4期
延期されてこの枠になったが、入れちゃう。
原作既読。アニメ続編待ち三銃士の3人目。
演出して自分に陶酔するように仕向けて自分の兵隊を作る鶴見の悍ましくも面白い人物像が明かされ、第七師団がどんなものであるかもわかってくる第4期。
アイヌの文化を間違った形で継承されることへの警鐘として1話でしっかり面白い平太師匠回が書けるのも凄すぎる。
書いてみて思うがやはり言葉にするより見てもらった方が早い系というか、いつものノリの面白さと4期という長編が言語化を難しくしている。
エピソードの強さもギャグのノリも作者のセンスが唯一なのでとにかく面白いとしか言えないのがゴールデンカムイ。


個人的アニメ化待ち三銃士が春クールに全員集まったのが2023年のハイライトだった。



4.ブルーロック 2クール目
1クール目はなあなあで見ていたが、2クール目からキャラが絞られ掘り下げが始まり、段違いに面白くなった。
タイプの違う天才同士の対決により起こる凡人が要となる戦い

サポート・フィジカル・スピード編成の敵チームとの、チームで動くことの大切さを知れる戦い それによる潔と馬浪の覚醒

覚醒した潔と凛の読み合いと馬浪の生むイレギュラー フィジカルの特徴 個々人のマッチアップ 置いていかれたと思った蜂楽の覚醒
といった流れの中で、一人一人の持つ力の個性と、こういう時にこいつは強いというのが面白くなるよう上手く組み立てられていた。
1人増えたことで増える戦術
対策しなきゃいけない戦術
マッチアップの相性
心情を伴う覚醒のポテンシャル
と、試合を重ねるごとにサッカーとキャラの理解力が深まっていき、そんなキャラたちがチームを組むことで面白さが更に積み重ねられていく。
ドクストや呪術でも感じたが、「このキャラはこれが得意、こういったことは普通」というのが組み合わさると個性を活かした面白さが生まれるなというのをブルーロックでは特に感じた。



5.スキップとローファー
すっごく良い。
学生生活で見る「こういう人いるな」、「人間関係の複雑さ」のリアリティが高く、そんな中に閉鎖的な環境で育ったみつみがやってきて正解と言えるようなコミュニケーションを通して関係性を広め深めていくという作品。
人生何周目なんだというほどそれぞれのキャラの心境の作りが上手かつ、人生的な学びが散りばめられていて最終的にみつみが良い方向に持っていってくれるためまさにCMの通り見ているだけでポジティブになれる作品。
こういうので良いんだよ。


6.アンデッドガールマーダーファルス
独特なコンセプトがあってストーリーがちゃんと進行する時点で偉いのだが、軽口も会話も世界観が生かされたミステリもビッグネームだらけのストーリーも面白いという名作。
尺関係で原作ファンに色々言われてたっぽいがアニメでこんなおもろいならどうなっちゃうんだよとなった。


7.BanGDream Mygo!!!!!
個性のあるメンバーの感情のぶつかり合いが苦悩も結束も生んでいく。道に迷う迷子であっても一生やると誓ったことを思い出し、燈が自分のやり方で語りかけ、また再結集した時の感動は夏アニメで1番の瞬間だった。曲良し演出良し掘り下げ上手しでBanGDreamシリーズ初めてだったがとても引き込まれた。



8.呪術廻戦2期
2023年のアニメーションを語る上では必見となるこの作品。ただ枚数が多いだけではなく、御所園翔太監督をはじめとして画作りから上手い絵コンテがとても多く、文句なしに2023年で一番見応えのあるアニメとなった。
話としても懐玉玉折で語られた呪術廻戦の世界らしい理由で大義として闇堕ちする夏油の経緯や渋谷事変での術式の相性や頭脳戦、領域の有無が生むバトルの面白さで中々面白かった。
まあ〜とにかくトンデモアニメーション。2023年代表。


9.文豪ストレイドッグス 5期
「文ストって毎回敵が来てポートマフィアと結託して新双黒でラスボス倒して終わりだし味方死ななくてハラハラしないよな〜」と意識付いてきた私に叩きつけられた今回のエピソード。
かなり追い込まれる探偵社が見れたこともあるが、4期になかった新双黒戦が3話で回収されたことや、そこから眷属化した芥川が福地と敦の元へ、中也は太宰とヒョードルの元に派遣されて「これ最終回で新旧双黒じゃん!!!」と1人で盛り上がってしまう展開が繰り出され、これまで文ストを見てきて培われた"いつもの"を回収しつつ新しい展開を見せてくれて楽しんで見ることができた。
ストーリーとしても、福地の語りで死ぬ人間を選んでいたという狙い済まされたかのようなアンサーもありつつ2期分が納得する形で風呂敷を畳んでいて感心した。


10.ミギとダリ
奇才の描く怪作。
協力して1人を演じる双子が母の復讐相手を見つけ出そうと村に潜入するミステリーからサイコホラーに転じ大団円で終わりを迎えるストーリーに独自のセンスの笑える画・セリフを細かく挟んでギャグかつミステリかつホラーとして一つの作品に仕上げている奇抜さ。
しかも1クールでまとまっている組み立てのうまさ。
唯一性のある作者様であったため今後もこういった面白い作品を見せていただきたかった。

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