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〔45〕稽古21 シリコン銀行の前兆

〔45〕稽古21 
 前稿〔44〕で、昭和四十六年ころの本邦において日本の金融資産が「三千万匹のネズミと一頭の巨象」によって構成されていたと申し上げましたが、その意味は狸の年来の読者、ことに洞察帝王学の塾生はすでにご存じのはずですから、ここでは詳しく述べません。
 ともかく狸がその真相を悟ったのは二十八年後の平成八年です。その間にいわゆるМ資金詐欺が社会面のニュースとなることが毎年ありました。
 М資金話の骨子は「巨額の資金を借りて任意に運用すれば返済は不要」というもので、その非論理性は笑うしかありません。一歩踏み込むと「半金を国債にしておけば二十年も経たぬ間に利息で二倍になるから、元本を元金を返して半額はただ貰いになる」と変化しますが、非論理性においては大して変わりません。
 そんな話題が出るたびに鼻で笑っていた狸のところに、平成十年頃から具体的なМ資金話が舞い込んできました。大阪の谷本鉄鋼が買い占めた南海電鉄株を白頭狸が南海電鉄に引き取らせたのが昭和六十二(1987)年のことですが、このことを知ったブローカー梅本氏が「南海電鉄にМ資金を導入したいので口を利いてほしい」と頼んできたのです。
 わざわざ紀州成行庵に来訪するからには何らかの根拠があるのだろう、と思った狸は、南海電鉄への口利きを断わったものの、М資金話の正体を確かめてやろうと考えはじめました。
 結論を謂えば、國體の「正財」を「偏財」と錯覚していたのがМ資金ブローカーたちです。今はまだ詳しいことを洩らす段階ではありませんが、國體の「正財」を債券発行の形で預かった長銀が、高橋治則くんに出した資金が「偏財」になったのです。
 長銀・日債銀の破産の本質は國體資金の回収に絡む事件なのですが、知るやしらずや高橋洋一さんの口からはそのような事が一切出てきませんね。

 
 さて、ここからが稽古21です。例によって、ここまでを無料公開とし、あとは追記します。

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