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〔39〕稽古十八 人生の岐路に立った白頭狸の選択

〔39〕稽古十八 人生の岐路にたった白頭狸の選択
 さて、そろそろ旺相死囚休に入らねばなりませんが、その前に四柱推命が命理を視る際に最も重視する「格局」について説明しておかねばなりません。
 亀石厓風『四柱推命学事典』によれば、「格局」は審察の根本となる絶対不可欠のもので、運命主体は「何人といえども必ず何らかの格式を構成している」とされますが、現実は格式を巡って諸説が対立していることをご承知下さい。
 前掲事典によれば、格局とは命理学上の術語で「格式」と「方局」を併せたものとされ、「局」と「方」は滅多に現れない特殊な命運ですから、後回しにして、ここでは格式について述べます。
 命理学を学ぼうとする者を待ち受ける最初の関門が「格式」です。前掲事典は、「格式」とは「個人の四柱命式に一つの位置付けを行い、それを鑑定の中心点として見る場合に付ける名称」と定義し、大きく分けて「内格」と「外格」およびその他の「雑格」があるとします。
 さらに、「内格は第一に月支に出た通変星で、食神格から印綬格までの中でとらえ、ついで佩帯し、直接関係を有する通変星でもって細かく分類し、その格式の特徴を看取します」としておりますが、要するに、「内格とは月支に出ている生剋名である」ということです。
「佩帯」とは聞きなれない言葉ですが、「纏う」とか「帯びる」とかいう程の意味ですから、この文章の大意は「日干からみた月支蔵干の生剋名を以て食神格とか印綬格とかの格式を定め、日干の周囲で直接影響を有する干の生剋名を以て細かく分類することで、その格式の特徴を把握する」ということになりますが、これだけで判る筈もなく、所詮実践の中で会得するしかありません。
 ところで一般の四柱推命書のほとんどが「通変星」とか「変通星」とか呼ぶものを武田先生だけが「生剋名」と呼ぶのは、天干・地支が天体と関係があるのに対し、生剋名は天体の星とは何の関係もないからです。
 また本家の支那でもそのような術語を用いないとのことですから、これを以て従来日本で流行してきた桜田虎門流の推命学の正統性に疑念を抱いたのが白頭狸です。

 ともかく、たいていの初学者はこの辺りで心が折れてしまい、早くも諦めるか、あるいは無闇に簡便化した安直な俗流命理学へ走るようですね、

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