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〔166〕國體通貨は「黄金」そのもの(2)4/10 再修文

〔166〕國體通貨は「黄金」そのもの(2)
 ユダヤ人陰謀説に関する私見を〔165〕の末尾に触れましたので、その続きから始めます。
 落合の意図は、巷間に流布される不毛な「ユダヤ人陰謀説」の真相を諸兄姉に知っていただきたく、その一端として小論を述べるだけですが、何しろくだらない話なので、興味の湧かない方は飛ばして下さい。

 昨夜みたフェイスブックに、ビル・ゲイツをユダヤ人と呼び「毒薬商売のために紅麹をネタに小林製薬の乗っ取りを仕掛けておる」との非難が流れていました。
 その指摘する事実の当否はさておき、近頃は「金権保有者」の厚かましい言動と不可解な行動が続き、世間の疑惑を呼んでいます。これをいわゆるDSすなわち「金融・産業・軍閥の連合」の企みと指摘する向きが多いのですが、ならば彼らは何を意図してその企みをなすのか?
 これを問うとユダヤ人陰謀論者のほとんどは「現代の最高秘密だから判らない」というのです。そこで「彼らの目的を知らずに行動だけを非難するのか?」と追及すると、「金儲けに決まっておる」との回答が定番です。
 論者は金権保有者の行動を非難するが、彼ら(いわゆるユダヤ人)の目的については推測(あえて言えば邪推も含む)するだけで、合理的な説明を聞いたことがありません。
 いや一応の説明はありますが、「ビル・ゲイツらは金銭欲を満たすためにこれを行う」というのでは、いかにもお座なりで浅薄に思えます。世間では「金持ちは金が増えるほど金が欲しくなる」との説を聞きますが、そもそも現実に金持ちにならねば、金持ちの心境は判らないでしょう。

 そもそも「金権保有者」がさらに金銭を欲するというのは「財に関する限界効用逓増説」と同じ意味になりますが、蓄財の究極の目的を「眼前の消費と将来の生活保証」とみる限り、論者の説明は行動経済学的にもいかがなものかと思えます。
 その昔、短期間ながら世間的には金持の部類に入った経験がある落合は、その時に「この金を用いて何かをしたい。そのために必要ならばさらに増やしたい」とは思ったものの、持ち金をさらに増やすために危険な謀略を企てる気にはなれなかったのです。
 その経験に照らせば、論者の説明は合理的とは言えず、聞く者の胸に響きません。落合にいわせれば、これは論者の心底に潜む金銭欲を反映したものです。
 一般市民の感覚では「金銭欲は誰にもあって当然」で、行動心理学的に合理的なものですが、落合の見るところ、今日の歴史作家に、歴史上の人物の行動の原因を金銭欲で推し量る「欲望史観」に基づいてストーリーを展開する者が多いのです。作家はまだしも、大学で歴史を講じる史家の中にも「欲望史観」を中心として史論を展開する者は多いのは、何とも情けなきことと思います。

 この件に関する落合の結論は、現代の世界に彗星のごとく顕れた「金権保有者」の発するいかがわしい言動や、不可解な経済活動には、彼らの金銭欲を超える目的が潜んでいるということです。
 世界史は今まさにポストWWⅡが終焉し、WWⅢ時代が始まりました。今後の社会は、この時代変化に対応すべく経済・文化・科学などあらゆる面で激変を避けられないのですが、中でも先行するのは政界で生じる変化です。   
 世界周知の「金権保有者」は、今日の社会をこの時代変化に対応さすべくその保有する金権力を発揮させられておる、と落合は観ています。

 〔165〕では通貨に関する「國體天皇府」と「政体」の関係を明かしましたが、これでお分かりのように、そもそ近代以後の各地政体が政治権力の基礎とした「通貨大権」は、実は國體が有史以来、勢力均衡を図るために「黄金ファンド」を用いたことに淵源するのです。
 思わずイントロが長くなりましたが、以下では國體通貨と黄金の関係に戻ります。
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