砂沼から言葉歩いてー2018
2018　第四巻　 1月から12月 　2010年3月　脳梗塞から八年目　失語症・言語発達障害・　聴覚障害高次脳機能障害・発声発語・感覚障害

砂沼から言葉歩いてー2018ー8

◎追悼の夜空鮮やか花火けり　俊克
◎爪痕を高波残し夏怒濤　俊克
●浮世絵の凹凸触れて夏美術　俊克
◎夏川の激しく照らし沈下橋　俊克
◎行水に遊ぶ疲れて子が眠る　俊克
◎綿菓子とお面かぶつて花火かな　俊克
◎蜘蛛の巣を一面採ってベタベタと　俊克
◎鈴なりに差し込む木々の夏蝦根　俊克
◎宣言のアインシュタイン原爆忌　俊克
●夏の恋イルカジャンプの噴火湾　俊克
◎釣り上げて吐くスミ黒くするめ烏賊　俊克
◎ずぶ濡れの海に入つて夏越祭　俊克
●力作の化け猫浮かぶ扇ねぷた　俊克
◎せり上がり山車の飾りの沸き上がる　俊克
◎太鼓の音真夏の夜空鳴り響く　俊克
●恋ダンスはさみ振り上げ蟹の穴　俊克
◎おっぱなす踊り溢れる水戸祭　俊克
◎滝つぼのワッセ掛け声しぶき浴び　俊克
◎鷺草の豪雨乗り越え白い花　俊克
⦿水流を岩肌激し百間滝　俊克
◎戸隠の風の吹き抜け柳蘭　俊克
⦿開幕の鈴の音響きねぶた祭　俊克
◎伝説を妖怪タクシー酷暑ゆく　俊克
◎葉が枯れて姥百合開花四方咲く　俊克
●シッチュメの砂沼のまつり踊りけり　俊克
●道を超え砂沼湖上の花火かな　俊克
⦿壮麗を日本武尊の山車の笛　俊克
◎酔いしれて神社行列山車踊る　俊克
◎群舞躍動あふれるさんさ踊り　俊克
⦿御囃子に竿燈揺れて腰の技　俊克
⦿盛り上げて花笠踊り前夜祭　俊克
◎勢いを金引の滝しぶき上げ　俊克
●法名のくりくり頭得度式　俊克
⦿刀剣舞の狂い鬼剣舞　俊克
◎流灯の連なる露店浮かぶ筋　俊克
●跳びはねて「そーれ」掛け声踊りけり　俊克
⦿ラッセラーのハネト雨吹きねぶた祭　俊克
●功績の次郎長の墓夏祭　俊克
◎激し雨行政無線初嵐　俊克
◎珍しいこんなに取れる秋刀魚漁　俊克
⦿町長のセクハラ疑惑秋の月　俊克
●書画描かくうっすら照らしぼんぼり祭　俊克
◎鬼灯の作業追われて朱色染め　俊克
⦿手古舞を辰巳芸者や秋祭　俊克
◎千屈菜の一転涼し一里塚　俊克
⦿マンホールまるちゃん富士や今朝の秋　俊克
◎朝の窓台風それて眠しけり　俊克
◎早稲の穂や額に汗の日差しかな　俊克
⦿放射点光を発し星月夜　俊克
◎細か肌飛鳥美人の青瓢　俊克
⦿灯籠の奏でる音色竜神峡　俊克
●ヤッテマレ世代三代佞武多かな　俊克
◎夢に出る浜に遺体や敗戦忌　俊克
◎木陰からしぶきはしゃぐやつくつくし　俊克　
⦿被爆者の差別が残る長崎忌　俊克
●御朱印の灯籠流し光姫　俊克
◎秋雷雨冠水道路立ち往生　俊克
●動揺の親子地蔵や敗戦忌　俊克
◎満州を侵攻ソ連敗戦忌　俊克
●校長は罪深さ知る終戦の日　俊克
⦿原爆へ雨の大粒秋の虹　俊克
●花火上げ大の字浮かぶ鳳凰山　俊克
●菩提寺を藩祖墓前の阿波踊り　俊克
●大輪を瀬戸大橋の花火かな　俊克
◎ドローンの線香花火ギネスかな　俊克
◎連れ出して秋の甲斐犬尻尾振る　俊克
◎言霊を思い告白花火咲く　俊克
◎秋太鼓音を響かせそろい打ち　俊克
◎眠る場所過ごし予科練墓参り　俊克
◎霧の舞切れの迫力声が飛ぶ　俊克
◎幾重にも徹夜おどりを埋め尽くし　俊克
●万灯会炎が浮かぶコの字形　俊克
◎喝采を金魚ねぶたの爆走す　俊克
◎盂蘭盆会偲ぶ揺らめく伽藍かな　俊克
◎すぐそこに秋の老婆の認知症　俊克
◎サッカーのひらりひらりと阿波踊り　俊克
◎農家の子新米美味しとはならず　俊克　
◎星流る阿蘇を五岳の火星かな　俊克
◎竜田姫迫力回し輪の軌跡　俊克
◎盆踊り映す手鏡リズム乗る　俊克
◎高齢を額の汗に盆踊り　俊克
◎経文を怨霊刀秋の能　俊克
◎火祭りの燃える松明駆け上がり　俊克
●諏訪花火サービスエリアレストラン　俊克
⦿爽やかに川を飛び込み紅葉川　俊克
⦿大傘に流れ落ちたる盆休み　俊克
●輪に踊り稗田阿礼の古事記かな　俊克
⦿踊り手の隠し端縫い身のこなし　俊克
◎赤蜻蛉球場近く小貝川　俊克
●秋の空匂いが感じ筑波山　俊克
◎大ぶりで豊漁期待秋刀魚漁　俊克
●落城の江尾十七夜踊りけり　俊克
●復活の夜の灯籠流しけり　俊克
●追い込まれ謝罪声明秋の雷　俊克
◎秋雷や真似して釣りの錆びた船　俊克
◎変装し入れ墨ウサギ秋の雷　俊克
◎校庭の沼に石投げ秋の雲　俊克
◎辞書を引き繰り出す言葉秋手紙　俊克
◎秋蝉の朝の通所に啼いている　俊克
◎岸壁の華やか染めて花火かな　俊克
⦿秋爽の体洗って風呂の庭　俊克
◎秋天の大仏の顔柔らかな　俊克
⦿秋夜道あんぱん一つあと一つ　俊克
⦿目が睨む台風二つ西東　俊克
◎大群の夜のひと時去ぬ燕　俊克
●縁続く金農ナイン秋の空　俊克
◎奥大山夜空ポスター流れ星　俊克
◎羽化中の抜け殻暑さ法師蝉　俊克　
◎花蕎麦も筑波も子規も徒歩旅行　俊克
⦿甲子園下下短歌秋日和　俊克
◎太刀魚の切り上げキラリ料理人　俊克
●筑波路の花蕎麦通る小貝川　俊克
◎爆音としぶきはじける落し水　俊克
●長袖を朝の山路に山蘿蔔　俊克
◎薄の穂照らす朝日に空の青　俊克
◎香ばしく川苔パンのモッツァレラ　俊克
◎狩衣の思索人麻呂秋の駅　俊克
◎無縁墓の刻まれ文字や秋遍路　俊克
◎月影や赤影忍者金目教　俊克
◎午前二時忘れて薬月の秋　俊克
◎窓開けて早朝見える月の西　俊克
◎唐黍のスープコトコト夕の飯　俊克
◎雨止まず夜の風吹き盆の月　俊克
◎長き夜の半身啼きたる子規思ふ　俊克
◎季語辞典灯火親しむ午後十時　俊克
◎鷹の爪麻婆豆腐の辛さかな　俊克
⦿筑波からまつりつくばは空に飛べ　俊克
◎ホクホクの栗きんとんは名菓かな　俊克
◎照らし出す万灯供養石仏　俊克
◎空の青はっきり写るつるし雲　俊克
◎殺到し金の御朱印秋シニア　俊克
●窓の夜の暗い庭には蚯蚓鳴く　俊克
⦿どまつりの垂らし汗拭くＷＢＧＴ　俊克
●龍胆を濃さの斜面の茶臼岳　俊克
◎的の水「ポイ」を射抜けば秋日和　俊克
◎去ぬ燕飛行機雲を追い越して　俊克
◎稲妻の降り出し雨も眠り妻　俊克
◎思い出の農道ずらりかかし祭り　俊克
◎雨降りの秋の峰入り目指しげり　俊克