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初めてのIELTSで7.5を取った人の英語学習法


■はじめに

こんにちは。ClObです。普段は高校3年生をしていたり(まもなく卒業ですが)、言語学オリンピック日本委員会の委員をしていたりします。ちまちま言語学の勉強とかもしてます。

今までこのnoteには言語学オリンピックに関することを主に投稿してきましたが、機会があって受けたIELTS for Academicでそこそこのスコアをとれたので、今回は自分なりの英語勉強法を少し書いてみようと思います。


■自己紹介

名前:ClOb
年齢:18(IELTS受験時)
国籍:日本
両親:日本人
生まれ:日本
住み:日本
海外居住経験:0
海外滞在経験:イギリス(約2週間)、スリランカ(2日)

はい。見ていただければわかる通り、私はいわゆる「純ジャパ」です。海外にもほとんど出たことはありません。
また、通っている学校もIB(国際バカロレア)などではない、普通の普通科全日制高校です。
ただ、英語に関しては人一倍がんばっていたと思います。CEFRでいうとC1レベルの英語話者らしいです。

今までに取得した英語の資格は以下の通りです。

IELTS for Academic 7.5(高3冬): R8.5 L7.5 W6.5 S7.0
TOEFL iBT 98(高3秋):R30 L23 W23 S22
英検準1級(高1冬):CSEスコア2432/3000

参考までに換算表も置いておきますね↓

アガルート公式サイトから引用

この中だと英検が見劣りしますね。1級も受けてないし。でも英検って日本でしか通用しないしなあ…
海外で通用しない資格、弱いって。危機感持った方がいい。

前置きはこのくらいにして、勉強法に移りましょう。


■個人的英語勉強法

以下に書くのは、文法、語彙を含む高校英語の内容(英検2級程度)がおおかた頭に入った状態で私が実践した方法です。
すべての人に向いているとは限らないため、ご注意ください。


■全体的な話

私自身がそこそこ英語のできる人とみなされているからなのかわかりませんが、友人から時々「英語ってどうやって勉強すんの?」と聞かれることがあります。
そういう時、私の答えは大体「気合」です。気合です。ふざけているわけではなく、英語は4技能すべてにおいて脳筋にひたすら練習を重ねれば割とすぐ上達します。力こそパワー。

たくさん読みたくさん書きたくさん聞きたくさん話す。これに限る。

中3の終わり~高1と高3の時期は1日平均3時間とか英語を使った何かしらをしていた気がします。(高2はIOLの準備とか日本語研究で忙しくてサボりがちだったりしたけど。)
合計したらここ3年ちょっとで数千時間は英語に費やしてるんじゃないかな。まだまだ精進不足ですけどね。

あと、「気合」の「」の部分。英語好きじゃないとモチベ保てないからね。
留学とか、旅行とか、いい感じの目標を据えて、毎日やろう。


以下に4技能ごとに分けた自分の勉強法を書いていきますが、「リーディング&ライティング」「リスニング&スピーキング」の分け方が個人的にしっくりくるのでこの順番で紹介しようと思います。海外大の英語の出願要件とかもこの2つずつの分け方になってたりしますし。

私は、基本的に「読み書き」と「会話」では使う脳みそが少し違うと思ってます。
世界には、文字を持たない、つまり「読み書き」がほとんど存在しない言語というのもかなりの数存在しますし、言語が一般的に会話をベースに成り立っているというのがその主な理由です。
あとは純粋に、英語を勉強していて「リーディング&ライティング」「リスニング&スピーキング」のそれぞれの学習上の結びつきが相対的に強いと感じたからです。これについては各項目で少し触れると思います。



■リーディングの話

たくさん読みましょう

私は中3まで、英語は学校の授業と英検に向けた勉強だけに取り組んでいました。中3で英検2級を取得し、学校の成績も比較的良い方だったと思います。
しかし、中3秋ぐらいに、一度挫折を経験します。

「調子に乗って洋書を買ってみたものの、全然読めない。」

"Because Internet" というインターネット言語学の本を買ったのですが、何がなんだか全然わからない。"It's all Greek to me" ってヤツです。英語だけど。
単語も難しいし、文の構造も複雑だし、そもそも1チャプター数千語分なんてそんな長文読んだことないし…

ということで、ここから「辞書を片手に洋書と格闘する」方法をとってひたすら英語リーディング力を鍛えていました。

とにかくたくさん読むこと

今でもリーディングはひたすらこの方法で練習しています。
辞書は英英辞書だとなお良いです。インターネットだとCambridge Dictionary、紙ならOxfordかCollinsあたりが良いと思います。

語彙力や文意把握能力の向上のためにも、リーディングに関しては自分の身の丈から少し背伸びした長めの文章にトライしてみるのが一番手っ取り早いです。おすすめの順序は、

①ネット記事やニュース

②長めの論説文(本、論文など)

③小説(※ものによってはかなり高い語彙力が必要なので注意)

こんな感じです。これをひたすらやっていくと、半年くらいで読むスピードが爆上がりします。
ちなみに、読む文章のジャンルを自分の興味のあるものに絞ると、専門的な語彙がかなりオーバーラップするので速読力の向上を実感しやすいと思います。私の場合は言語学でした。

また、読む時には、1文1文を追うだけでなく段落の中での文のつながりや段落同士のつながり、論理の展開もしっかりと把握すると良いです。
この力がつくと長文を読むことがあまり苦ではなくなりますし、ライティングにおける文章構成力が多少上がったりもします。多分。

もし、「受験生だからそんな洋書とか読んでる場合じゃない!」という方がいましたら、慶應文学部の英語の問題をやってみることをおすすめします。
慶應文の英語の入試では英語辞書の使用が許可されている(!!)ためこの練習法にちょうどいいですし、受験生用に作られていることもあって先程述べた「実力から少し背伸びした文章」がいい感じに選ばれていることが多いです。
お試しあれ。


単語については、私は英検2級をとってからはまともに単語帳なるものを回さずに、英文を読んでいる際に出会った新しい単語をひたすらメモして次に出会った時にわかるようにすることを心がけていました。(こいつは後の「ライティングの話」でも少し登場します)

とはいっても、特に先述のジャンルを絞って読むような場合は、出会える単語が比較的偏りがちになる思うので、『鉄壁』とか、そのへんの英検とかTOEFLとかの単語帳とかを同時に少しずつ回しておくのも良いと思います。

参考までに、最近昔買った鉄壁を引っ張り出してきて眺めたところ、知っている単語ばかりでかなり感動しました。継続は力なり。


ちなみに、英文を読む際に音読をするのもリーディングのかなりいい練習になると思います。
特に、スピーキングと並行して行うと相乗効果が狙えるかもしれません。
意味のかたまりを意識して音読すると、自然と英文のリズムが掴めてきます。
発音はここではあまり気にしなくても大丈夫です。音読に気を取られて文意を理解できなくなってしまうと本末転倒ですからね。


 

■ライティングの話

ライティングについても気合です。たくさん書きましょう

(ところで、日本のカリキュラムでライティングってあんまり重視されてないですよね、なぜなんでしょうか。)

私がライティングを本格的に練習し始めたのはリーディングで上記の方法を取り始める少し前くらいです。
私は中3から産経オンラインというオンライン英会話サービスを使って英語の練習をしています。
当初はサービスが提供している教材を使ってレッスンをしていましたが、それにもだんだん飽きてきたのである日「自分でトピックになるような記事を書けば良いじゃん!」と思い立って、"Interesting Japanese Words" という面白い日本語表現を英語で説明するシリーズを全50回自力でやり通しました。
その他、日本の文化を紹介する記事だとかTOEFLやIELTSの練習問題とかも含めると、合わせて200本近く英作文をやったんじゃないでしょうか。
各記事は大体200~300語くらいです。

また、書いたものを学校のネイティブ教員に添削してもらうこともしていました。下に記念すべき第1回の一部を貼ります↓。英語がひどすぎるのは言うまでもないけど、添削が丁寧で感動的。先生ありがとう。

ひどすぎてもはや笑える英語

ある程度英語の勉強をされた方なら一目見て分かると思います。

英語が下手すぎる。

しかし、英検2級を取る人間のライティング力って、案外こんなもんだったりするのです。
何が言いたいかというと、「誰でも最初はヘタクソ」ってこと。
この言葉はよく「ヘタクソなのを恥ずかしく思わずに最初の一歩を恐れずに踏み出そう!」って意味で使われると思いますが、ここでは少し違います。

最初の一歩すら踏み出さない状態で、突然英語が書けるようにはなりません

どんなに語彙を磨いても、どんなに難しい構文を勉強しても、あるいはどんなに良い日本語訳が書けるようになっても、新しい英語を書くという行為を上達する方法は英語を書くことそれ自体しか存在しません。

大学入試や英検などで要求される英作文は100語程度のものが多いですが、300語程度の英作文が書けるようになっておくととても良いと思います。
実際、IELTSでは与えられたテーマに沿った250語以上の英作文が要求されます。(TOEFLにも以前は似たような課題があったのですが、問題形式の変更に伴い100語になってしまいました。)

練習方法としては、TOEFLやIELTSのライティングのサンプル課題のトピックを使ってひたすら書くのがいいと思います。
300語なら1時間以内で書ければまずは上出来です。慣れればそのうち30分くらいでもある程度のものが書けるようになります。

また、可能であればネイティブか英語の先生(その両方の属性を併せ持っているひとだと◎)に書いたものを添削してもらって、言語面、内容面ともにフィードバックをもらうと良いです。
上達スピードが速まります。

書く時に気をつけることは、論理の展開とパラフレーズ(言い換え)ぐらいでしょうか。
300語英作文なら、下記の構成に気をつけるとまとまった文章ができあがると思います。要約とかにも役立つかも?

はじめ:自分の意見(立場)とその簡潔な説明or理由

なか:自分の主張を支持するような根拠や経験を具体的に書く。(英語ではこの作業を "elaborate" と言ったりします。)それがどのように自分の主張に結びつくのかがわかりやすいようにすること。

おわり:「はじめ」と「なか」の内容をまとめて改めて主張を述べる。簡潔でわかりやすいパラフレーズができると◎

「はじめ」「なか」「おわり」って使うの久しぶりだなあ

こんな感じですね。
最終段落で特に重要になることですが、繰り返し登場する内容は毎回ある程度パラフレーズしてあげると、くどさがなくなって伝わりやすくなります。
(こういうところでリーディングで培った語彙力が活きてくるわけです。)

とはいってもはじめから構成をここまで意識して書くのはかなり難しいので、TOEFLやIELTSのモデルアンサーなんかも活用しながらやってみると良いと思います。
リーディングの項目で紹介したような「ちょっと背伸びした文章」なんかから単語や表現をパクってくるのも良いでしょう。

もし「受験生だからそんなTOEFLとかIELTSとかやってる暇ない!」という方がいましたら、東京外国語大学のリスニングの最後の大問をおすすめしておきます。
例年
(1)講義の内容を聞いて要約(150語)
(2)講義のトピックについて自分の意見を書く(200語)
みたいな感じなので要約やリスニングの練習にもなります。
ご参考までに。



■リスニングの話

ここまで読んだ方なら私が次に何を言うかもちろん想像がつくと思います。

たくさん聞きましょう

たくさん聞いて英語に慣れましょう

私は主に先述のオンライン英会話サービスとYouTubeの英語コンテンツ(言語学関係の動画とか、しょーもないゲーム動画とか)でリスニング力を鍛えていました。

聞くものはなんでも良いと思います。好きな映画とか、好きな配信者の配信とか、受験用のテキストとか。お好きなものでどうぞ。続けるのが大事。

リスニングの練習をする上で気をつけるべきことは1つだけで、聞き取れなかった時に何が原因かをしっかり明らかにすることです。
大体の場合は以下のうちのどれかが該当すると思います。

何を言っているか(単語の並び)は分かるが意味がとれない

知らない単語や表現が含まれている

そもそも単語を抽出できていない

①の場合、おそらく英語を処理して理解するスピードが足りていません。あるいは、単語を聞き取ることに集中しすぎて文意の処理に脳のリソースを割けていないというパターンもあるかもしれません。
こういう場合には、1文があまり長くならない会話文なんかで練習すると良いと思います。映画とかYouTubeとか英会話とか。whatever.

②の場合は、やることはリーディングと同じです。意味を調べて、次出てきた時分かればOK。

③の場合に関しては、遅めの速度で、単語がそれぞれある程度明瞭に発音されている音声から徐々に慣れていくと良いです。
英会話なら「ゆっくり喋って~」って頼めばいいんですけど、そのへんに落ちてる音声から探すのは結構大変そう。学校のテキストとか英検の下の方の級の教材とかは結構ゆっくりなイメージがありますね。

こんな感じで「聞き取れなかった」時の原因究明にだけ気をつけておけばそのうちうまくなると思います。
私もリスニングのスコアが特に高いということはないので大したことは言えないです、すいません…



■スピーキングの話

日本人が1番苦手なやつです。私自身もあんまり得意じゃないです。

とにかくたくさん喋りましょう

一番手っ取り早いのが英会話をすることですね。
学校の英語の先生やネイティブと英語で話す時間を設けるとか、海外で友達作って喋りながらゲームするとか、あるいはオンラインの英会話レッスンをとるとか。
私は産経オンラインというサービスでやってます。
(いつもフィリピン人の先生とレッスンをしてるので私の英語は割とフィリピン訛りだと思います。まだ人に指摘されたことはないけど。)

いずれにせよ、人とリアルタイムで英語を話さないとなかなか上達しないと思います。

シャワー浴びながらつぶやく、とかも発話速度の向上には役立つと思いますし私もやることはありますが、会話の間の取り方とか文の中でのまとまりの作り方とかは会話を通じて盗んでこないと習得が難しいです。

ひとつアドバイスをするなら、「できるだけ簡潔に、落ち着いて」を心がけることです。

あまり文を複雑にしようとせず、言いたいことの着地点をちゃんと決めた上で、できるだけシンプルにそこにたどり着くような言葉選びをしましょう。

また、よく陥りがちな現象として「早口に喋りすぎて次の言葉が間に合わない」というのがあります。
テンポを速めるよりも、変な間を作らずにしっかり文章を完結させることを意識しましょう。

あとはとにかく練習あるのみです。
いろんなことを英語で表現できるようになりましょう。



■おわりに

ここまで書いてみて、中身がなさすぎて正直自分でもびっくりしてます。
要するに、

「「「脳筋練習ゴリ押しこそ正義」」」

急に毎日何時間も英語に費やす時間を作れ、というのも難しいでしょうし、身の回りのものから少しずつ英語に触れる時間を増やしていきましょう。

英語のYouTube動画や映画を観てみるとか(字幕ももちろんOK)、スマホの言語設定を英語にするとか、FPSゲームでやられた時あのプロゲーマーみたいに英語で罵るとか(非推奨)。

楽しめる範囲で続けていればそのうち上達を実感できると思います。


このnoteが参考になるかはわかりませんが、皆様の英語学習ライフがよりよいものになることを祈って、この記事を終わりたいと思います。

以上、ClObがお送りしました👋



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