とみにかめらんこらむ(2)

⚫︎テキスト/とみにか共和国

アイドル部門音楽おたく代表とみにかと申します。
さて、前回はDTM(童貞ミュージック)がどれだけ童貞力高いかということについて説明しました。
今回は、DTM講座の続きをおこなう予定でしたが、少し脇道それた話題をとりあげようかなと思ったら
案外長くなってしまったのでそちらを中心に寄稿させていただきました。

「音楽ジャンル」ときいてぱっと思い浮かぶものはおそらく
「ジャズ」「ロック」「EDM」「テクノ」(EDMとテクノは違うからな)
「パンク」「ラテン」「クラシック」など大まかな括りだと思います。
今回は私にとって一番馴染み深い「ラテン」についてほんの少しお話しようかなと思います。(いきなりニッチなものですみません)

ほんの少し前までサッカーはエジルとメッシしか知らなかったくせに小学生の頃からラテン音楽がすきだった私が
「ラテン音楽とはなにか」を自分なりに考えてみました。(全く知らない人に興味を持ってほしいな)

「ラテン音楽=サンバ」だと思っている人が多いのではないでしょうか?
サンバとはブラジル音楽のさらに一部のジャンルのことで、ラテン音楽とは中南米発祥の音楽の総称のことです。
さて、中南米とはアメリカ大陸のだいたい下半分のことを指しますね(メキシコ・・・)
何カ国あるでしょうか?答えは33ヶ国です(植民地は除く)。当たり前ですがそのそれぞれに独自の音楽文化があるんですね。

代表的なブラジル音楽に絞ってもぱっと思いつくだけで
「サンバ」「MPB」「ボサノバ」「ショーロ」「ノルデスチ(マンギビートに進化)」「マラカトゥ」「セルタネージョ」
「バイレファンキ(最近日本でもちょいちょい流行りだして嬉しい)」「テクノブレーガ」「アシェ」「ミナス音楽」
など地域柄の強いやつから大まかな括りのものまで一緒に挙げましたが
もっともっともーっと色んなジャンルがブラジルには存在します。ブラジル音楽だけで連載20 回分はやれるな。需要ある?

こんなにいっぱいあるのにタワ⚪︎コなど大手のCD屋さんのラテン音楽コーナー(ワールドミュージックコーナー)は小さい。
ブラジルだけで日本何個入るんだよ。もっと頑張れ!
向こうの人は愕然とするくらい適当だけど、片道30時間かかるけど、買い付けもっと頑張れ!

ジャンルというものはポケモンみたいなものです。
最初はフシギダネ(クラシック)・ヒトカゲ(ロック)・ゼニガメ(ジャズ)の代表的なものからはじまり、
あっという間に151匹、あっというまに252匹、あっという間に718匹です。次回作でまた増えるらしいよ。
勉強追いつきませんね。もう諦めよう。

しかし、ジャンルジャンルうるさく言ってきましたが
ブラジルのお隣アルゼンチンではもはやジャンルという括りが曖昧になっており、
有名なアルゼンチンタンゴとフォルクローレ(アルゼンチンというよりもアンデスですが)
の他はだいたい「アルゼンチン音響派」という名でまとめられています。(アルゼンチンロックとか言い出すときりないから割愛)
というのもアルゼンチン音楽はジャンルで定義づけるのがアホらしくなるくらい多様化しているというか、
先を行き過ぎている音楽が多く、一言で語るのが難しいからです。アルゼンチンは南米全体で比べても音楽的に特殊な国です。

南米大陸は奥が深いのです。そう。冒頭で掲げたテーマ「ラテン音楽とはなにか」、その答えは…


私にもわかりません…


ラテン音楽とはカレーみたいなものです。カレーとはなにか。「カレー?インド発祥でイギリスに伝わって大衆にも受け入れられやすい形で日本に伝わったスパイスを基調とした煮込み料理のこと。」多分これは正解。
しかし海原雄山から同じ問いを投げかけられたらどうする?「カレーとはなんだ?」
美味しんぼ屈指のネタ回と名高いカレー戦争編(24巻)を読んでみてほしい。
カレーという題材を巡ってあーでもないこーでもないとインドまで行って様々な食材を扱い思い悩み
そして山岡御一行が行き着いた答えは「蟹を贅沢に使ったカレー」美味しそうですね。
しかし海原雄山は普通のポークカレーをドヤ顔で出すのです。唖然とする山岡たち。
しかし食べてみると何層にも折り重なった香りのハーモニー!「なんて奥深い味なんだ!」
そして海原は言います。「カレーの真髄とはスパイスなのだ!」と…ってあれ?これ答え出てるじゃん。

スパイスがなければカレーは成り立たないのですから当然なのですが
ラテン音楽にとって「これがなければ成り立たない」ものとはなんなのでしょう。

ラテン音楽広しといえど共通するものが一つだけあると思っています。
それは「悲哀」です。ポルトガル語でサウダーヂ スペイン語(厳密に言うとガリシア語)でサウダーデと呼ばれる、あれです。
Wikipediaから引用すると「郷愁・憧憬・思慕・切なさ」の意味を含むこの言葉は他の言語では訳せないといわれており、
南米大陸独特のものです。
ラテン音楽は明るく陽気な部分ばかりがとりあげられますが、必ずマイナーコードを使った展開や郷愁あふれるメロディが出てきます。
楽しい要素の支えになっているものがサウダーヂで、それこそスパイスのような感じで奥深さを出しているのです。

代表的なラテンスタンダードでひとつ例をあげてみます。

https://www.youtube.com/watch?v=uIECOU3URTs

Tristezaという曲で、一聴するととても陽気なサンバですが、まずタイトルの意味が「悲しみ」
そして歌詞の和訳が以下になります。

「悲しみよ、どこかに去ってくれ
私の魂は泣いている
私の終わりが見えているから

悲しみは私の心に住み着いてしまった
苦しみはもうたくさん
楽しかった日々に帰りたい
もう一度歌いたい」

ラテン音楽とはなにかはわからないですが、ラテン音楽の真髄とはサウダージだと思っています。
どんな明るい曲でも切ない要素が、コード進行だったりメロディだったりグルーヴだったり音色だったり
その形はいろいろですが、随所に現れるのがおもしろいところです。

ただ、広いので何から聴いていいのかわからないですよね。
やっぱりまずはブラジルのものから聴くことをおすすめ……

………

すると思ったか?私がそんな普通のことを言うと思ったか?

とみにか共和国での最近のトレンド(ドミニカではないです 念のため)はコロンビアのサイケデリックロックバンド
「Meridian Brothers」です。

Http://www.youtube.com/watch?v=_narBCKAK78

どうですか?非常にサイケで南米でそれでいてHENTAIだと思いませんか?
ぜひこういう音楽からラテン要素を感じ取って染まっていってほしいなあと思っています。


みなさんもオススメのラテン音楽があれば教えて下さい。


ちなみにドミニカ共和国の代表的音楽ジャンルは「メレンゲ」です。美味しそうじゃない?


【とみにか共和国】

ガバやブレイクコアといった音楽を軸に
ひたすらハッピーでバカな空間を提供する
治安悪い系ソロアイドルユニット「とみにか共和国」のとみにかちゃん。
またの名をDJ MARINE BLUE。

甘かわいいふわふわな外面とはうらはらに
その中身は、小学生の頃からジャズとラテンを好み、音ゲーに浸かり、
エレクトロニカや現代音楽を通り、音楽理論を愛するあまり
難しいコード進行に興奮するという可哀想な性癖を身につけてしまった、音大中退の音楽・漫画オタク。
DTMをたしなみ程度に嗜むStudioOne広報大使(自称)。


8/27(sat.)・8/28(sun.)・9/16(fri.)はあけておいてほしいです♡
それ以外のスケジュールは
http://hensintunerecords.com/tmnc/
を確認してね。

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