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特集 つばさFly

▲神谷彩乃 宮沢野乃香 鹿木香里 相奈まい 藤井勇綺 (L-R)

Life is Beautiful ~夢の欠片を確かめて~

《TIF2015出演決定!!》

現在のポップ音楽シーンは「アイドル」と「アーティスト」の間に豊かな文化的鉱脈があることが明らかになってきており、その視点を欠いては見誤る部分が大きい。第3期に突入したと言われるアイドルシーンと、バンド/シンガーソングライター側の様々な交流、それは本来ポップ音楽が持っていた可能性を取り戻すムーブメントだ。清竜人25、大森靖子、ふぇのたす等がメジャーフィールドで注目を浴び、ベルハーやゆるめるモ!等が独自の道を行く2015年春。つばさFlyがついにリリースする初のフルアルバムも、そこに加えて良いだろう。そしてこれは、自分を変えたかった彼女達のドキュメントでもある。

インタビュー・写真/津田 真

●ファースト・アルバム

――初のアルバムが完成しまして。
鹿木香里(かおりん)「シングル2枚目くらいまでは方向性が定まってなくて凄い悩んでました。3枚目を経て見えてきたものを詰め込んだ感じ」
宮沢野乃香(のの)「ある意味一区切り、集大成」
藤井勇綺(ゆっきー)「“Song for You”で初作詞に挑戦して、とりあえず大変で(笑)。これまで詞を書いてた香里に、遠征先のホテルでアドバイスもらったり、書くために漫喫に3日間篭ったり(笑)。自分がポリープで10日間休んだ時に書きました」
――あ、それがきっかけ?
藤井「そうです。10日あるから書いてみろよって。」
――初作詞が全国流通に。
藤井「そう考えるとびっくり(笑)。でも、これを機に挑戦していきたい」
――歌割のことは考えます?
鹿木「作詞した曲の歌割は自分達で決めてます。歌いたい所、ではなくて、そのフレーズを歌ってる人の姿を思い浮かべて《これだったら野乃香だな》とか、詞の内容で決めてる。もちろんキーは気にしたりするけど、メンバー同士だからか、結構ハマるんですよね。社長(レーベルオーナー株本鉄)が決めたらまた変わるかも」

●二面性

――アルバムタイトルが『BLACK&WHITE』と。
宮沢「私、プレイング・マネージャーなので、つばフラ会議とかに参加出来るんですが、そこで社長とコンセプトを考えて。井口イチロウさんの激しさ、社長のピースフルな楽しさ、両面を活かしてライブをしてる。その二面性を表現した言葉として。マイケル・ジャクソンの“ブラック・オア・ホワイト”もヒントに」
――前半と後半でもくっきりカラーが違いますね。ラストのタイトル曲は、聴いた感じだと、ワン・マイクで囲んで歌ってるのかなと。
宮沢「あっ、そうです。初めての挑戦」
鹿木「目の前で社長がギターを弾いてくれて、一発録りです」
――テイクは重ねました?
宮沢「試しで、フェイクを入れたものとか3パターンほどやって聴き比べて方向を決めて、それを2回くらい。10回は録ってない」
――バンドっぽいですね。
鹿木「まさしく、そう思いました、録ってて」
宮沢「アイドルだけど、だからって音楽を本気でやってない訳じゃない。アイドルっぽくないと言われるなら、それは褒め言葉」
神谷彩乃(あやぱん)「アイドルファンじゃなくても手に取りやすいし飽きない」
――今はコンセプト・アイドルが多いので、つばフラのように正攻法で真っ直ぐなアイドルは珍しいのでは。
藤井「それが良さでもあり、壁でもある」
――変なチャレンジするような活動はしないし、ワンマンが満員にならなかったから同じ会場でリベンジしてソールドするとか、きちんとステップを踏んで。
宮沢「今のアイドルは成長を見せていくのが売りだし、身の丈に合わないとボロが出るし、お客さんと一緒に成長したい」
――だから、真面目なグループですよね。
鹿木「よく言われる(一同苦笑)」
宮沢「これからも真面目に誠実に」

●2人組からスタート

――最初は、ゆっきー&まいちぃの2人組で。
相奈まい(まいちぃ)「ナト☆カンさんのオーディション受けたら、つばフラの方が向いてるってすすめられて(笑)。私ギャンブル好きだし『BOAT RACE平和島』発のアイドルとしてギャンブルに関われるのはいいなって」
藤井「母が社長のお父さんと知り合いで。私つばフラ出来る前、ボートレースにハマってたんですよ。ソウル系のコーラスもやってたけど、歌は挫折してやめてて。で、母からボートレースのイメージアイドルみたいなユニットを募集してるからやってみないかって。話を聴いて、やりますって」
――初対面、やっていけそうでした?
藤井・相奈「ムリだと思いました!(笑)」
相奈「ギャルギャルしてて、絶対ムリって」
藤井「まいちぃはフワフワしてて凄いアイドルみたいだし」
――そこで「やっぱ辞めます」とはならず…。
相奈「やってみたら、何か変わるんじゃないか、って」
藤井「それは思った。やってくうちに仲良くなったし、2人時代はまいちぃで良かった」

●私が「あまちゃん」

――3人の加入は。
神谷「私は、元々活動してた地下のグループが解散してソロになって、ネットで検索しまくってた時にピンときて応募しました」
――つばフラって、みんな加入時はもう中高生じゃなかった訳で、アイドルをやるにあたってそれなりの思いがあったのではと。
宮沢「元々アイドルは好きで。就職して上京して、それなりに楽しくやってて。でも何でアイドルに関わる仕事をしなかったんだろうと。自分がなりたいとかじゃなくて。そんな時にyUsUke(ex.fly sleep fly。つばフラ楽曲も手掛ける)さんとPASSPO☆の現場で出会ってつばフラの話を聴いて。その時はピンと来なくて、2人のことを調べて、いちドルヲタとして観に行こうくらいにしか思ってなくて。でもその頃ちょうど『あまちゃん』放送してて、私の出身地岩手の話じゃないですか。そんな時に自分にアイドルやらないかって話があって、これは運命じゃないかって(笑)。あと将来はアイドルのプロデュースをやりたいので、合格しなくても裏方の仕事を貰えたらと。社長は落とす気満々だったらしい、写真だけだと(笑)」
社長「yUsUkeの持ってた写メが酷かった(笑)」
宮沢「会ったらそうでもないし、喋ったら面白そうだから、採用!みたいな(笑)。で、次の日に辞表出して《来月辞めさせて下さい》って」
――『あまちゃん』効果で!
宮沢「背中を押された感あります。だから私があまちゃんになるべく奮闘して行きます!」

●行ける所まで行きたい

鹿木「ウチは15歳くらいからライブハウスに通ってて、多い時は年間120本くらい。それでyUsUkeさんのバンドとも顔見知りになって。高校出て上京して、ワタナベエンターテインメントのスクールも卒業して、女優を目指して事務所にも所属して。で、たまたまyUsUkeさんが社長にウチの写真見せたら気に入られて(笑)。でもぶっちゃけアイドルっていちばん嫌いなジャンルだったので、考えさせて下さいって。…当時の事務所は200人くらい所属しててマネージャーひとりが20~30人担当してて。全員同じ案件が来て100人くらいオーディションに行かされて受かるのはひとり。そんな中でレッスン費も毎月払ってて、上京して来た意味を考えて。変われるチャンスだと。社長は、将来女優をやるための過程にして構わないって言うし、音もロックだし、この事務所にいたバンドも知ってたし、話判る人多そう、って」
――アイドルという《形》とは折り合いをつけて。
鹿木「はい。アイドルって意味では、つばフラが最後のグループって意識はみんなあると思う」
宮沢「私はつばさFly以外の芸能活動はやる気がないので、行ける所までしっかり行きたい」
――どの辺を目指してますか?アルバムも含め、野望を。
宮沢「社長は武道館に立て!って。でも年間スケジュールとか見てると、全部上手く行けば夢ではない。なので着実に」
鹿木「まずインディーズで1位目指して。PV観て下さい」
藤井「内容的には1位の自信はある」
宮沢「情報はツイッターが早いのでフォローして下さい!曲も、私達の存在じたいも、スルメなので(一同爆笑)」
――まいちぃ、発言少ないので最後に一言。
相奈「え、武道館以外考えてないです!」

▲『BLACK&WHITE』 初回盤

▲『BLACK&WHITE』 通常盤

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