しずくだうみの闇ポップ講座(14)

映画と音楽について

⚫︎テキスト/しずくだうみ

巷ではシン・ゴジラが流行っているが、私は観ていない。4DXでなら観てもいいかなと少し思っているが、踏み切る要素がないなどと考えているうちに上映が終わりそうだ。
個人的な趣味としては地味で暗くてやや救われないストーリーが好きだ。近年観たものだと、「さよなら渓谷」と「薬指の標本」が地味で暗くてやや救われない作品の中でも気に入った。
なぜそういう作品が好きなのか、自分で考えてみるのだが明確な答えが見つからない。ハッピーハッピーな恋愛ものも観ないことはないが、映画館でお金を払って観たいかというとそれは否。緻密に作られた、繊細な心を描いた作品にお金を払いたいと思っている。

ハッピーハッピーなものをあまり好まないのは音楽にも及ぶのかというとそうでもなくて、分かりやすく言うと繊細な歌を歌う清竜人よりも、多幸感溢れる清竜人25が好きだったりするから、映画と楽曲の好みは完全に一致しているわけではないらしい。 でも自分が作る作品はできるだけ地味で緻密でありたいとは思う。

好きな作品として挙げた2作品以外にも地味で暗くてやや救われない作品はもちろん観ているのだが、好きと公言するほどではない作品のひとつに2015年公開の「岸辺の旅」がある。予告編を見て、映画館まで足を運んで観たのに、少しがっかりして帰ってきた。一言で言えば緻密さが足りないと思った。音楽にこだわっていることは伝わってくるのだが、壮大すぎたり派手すぎたり単純に音量が大きすぎたり、映像の力が十分あるから音楽は少しでいいのに…と思うところが何箇所かあった。その他、話や映像が雑だと思うところもいくつかあり、予告編の衝撃は超えられずに少し残念な気分で帰宅した。

楽曲を作る時、映像のような作品を作りたいといつも思っている。説明に過不足がなく、ある程度のストーリー展開がありつつ、それでいて聴く人に想像の余地がある作品。そういうものを丁寧に作るには様々なものに触れることが必要で、それは音楽や映画に限った話ではなく、本を読んだり美術館に行ったり、自分の周りに全然いないタイプの人と接したり、とんでもない気持ちになる体験をしたり、私が体験する全てのことは楽曲制作に活きてくる。その中でも緻密な映画は特に刺激されるから沢山観たいと思うし、緻密な映画を探す中でその逆の映画に出会うこともまた糧になると思っている。

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しずくだうみ

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