しずくだうみの闇ポップ講座(15)

町/街 について

●テキスト/しずくだうみ

お久しぶりです。何も浮かばなかったのでお休みしていました。浮かんだら更新します。気長にお待ちください…。

最近、個人商店がついに営業をやめてしまうとコンビニチェーンが待ってましたと言わんばかりに出店する。個人的にコンビニチェーン3社では牛乳マークのあの会社がすきで、7マークのところは真ん中、どちらでもないところが「ありがとうの手紙コンテスト」という気持ち悪すぎる企画を店内放送で流しているという理由で一番好きではないのだが、好きだった店の場所に限って一番好きではないコンビニチェーンが出店する。ぼーっとしていると私が好きな町は、好きじゃないコンビニチェーンが何軒もある状態になっていたりする。その光景が見たくなくて遠回りするなど、拒絶反応が出る。

元々私は「街/町」がものすごく好きで、歩き回ってその特性を掴めたような気になると嬉しくなる。初めて行った土地がチェーン店ばかりだとしても、電灯の形、わずかに残った個人商店の店員の立ち居振る舞い、行き交う人々の雰囲気はどこも少しずつ、しかし明らかに違う。場合によってはどこにでもあるようなチェーン店ですら個性があったりする。その違いを感じ取って曲を書くのが私の作詞作曲のパターンのひとつなのだが、最近どうもなにも浮かばない。武蔵小山や蒲田や谷根千のようなわかりやすい商店街も好きだが、あまり有名ではなくて地味だけどなんとなくいい、あるいは商店街と呼ぶには少し規模が小さめという町がおそらく一番しっくりくるのだが、所詮ないものねだりなのだろうか。これからも私は、しっくりくる町/街 を求めてあーでもないこーでもないとぶつくさ言うのだろう。

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