精神科身体合併病棟33:ハシタカ、お前に国家試験が受かるのか!

 もうそろそろ国試の時期。病院付属の学校は変な先生多いし、学力も低め。毎年数人落ちる人がいる。うちの病棟にいるハシタカさんは実は私の准看護学生時代の同級生。今は人としてとても好き。嘘をつかず、真面目で、ブレない、素直な人。だけど、同級生時代は正直疎ましかった。あまりにアンポンタンで…。なんでそんなことも知らないんだ、勉強してないんだ、と憤ることもあった。
 自分が正看護師になって、病棟が変わり、リーダー業務につくことになって、さらにハシタカさんが准看護師として働いている。一昨年がそうだった。ハシタカさんは「お熱ある方いませんでした」と報告をしてくる。バイタル表を見て、脈拍26回/分の人がいる。え、この人死んでるんじゃない…。みたいな冷や汗かくこともあって、大丈夫かな、この人って思うこともあった。
 だけど、自分も今年で正看護師3年目。准看護師歴も併せれば6年目。看護師にとって大事なことは小手先の知識技術よりも人間性であることは悟っている。だから、ハシタカさんは正看護師になるべきだって思ってる。思っているけど…。
 ハシタカさんが成績良くない、という噂を聞いた。仕事中、冗談半分で「ハシタカ、どうせ模擬試験とかビリなんだろ?」って愛情を込めた弄りをした。繰り返すけれど冗談半分で。返ってきたのは、「たまには(順位)入れ替わりますよ」と。何も言えず、冷や汗が出ただけ。まじでやばいな、頑張れって思った。

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