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#9 『希望と絶望 その涙を誰も知らない』感想

約1年半ぶりに映画館に行ったら、フードの値段が高く感じました。マックの倍はするじゃんと思いながらファンタのメロンソーダを買って映画を見た後、食べ切られず捨てられるポップコーンたちを見て、なんとも言えない気持ちになりました。

どうも、おっちーです。

日向坂46のドキュメンタリー映画『希望と絶望、その涙を誰も知らない』を観てきました。その感想について書こうと思います。

(以下ネタバレが含まれます。)

全体を通しての感想

まず、全体の感想について。
ポスターでは歴代センターの4人が大きく写っていましたが、縦軸となったのは美穂キャプテンでしょう。この2人が精神的支柱になっていたことがはっきりと感じられました。

美穂は、休養したメンバーに寄り添ったり、積極的に声かけをしたりしていて、メンバー同士の気持ちを繋ぎ止める役割を果たしていました。小坂の復帰も美穂の存在があってこそだし、自らの卒業を意識するようになり、よりグループ全体を客観視していたのだと思います。
キャプテンは、一度バラバラになってしまった方向をまとめるため、具体的な行動を起こしていました。全国おひさま化計画ツアーでは、そのキャプテンシーを発揮してメンバーと制作陣の間を取り持っていて本当にすごいなと感じました。


5thシングル期間のかとし

ここからは、印象に残った各シーンについて。
5thシングル期間の加藤史帆(かとし)は本当に辛そうでした。(映画内でもリアルタイムでインタビューすることを控え、後から振り返るシーンが多かったように感じます。)
ラヴィットやレコメンに加え、ヒット祈願のチアダンスが積み重なって体力面で追いつかない日々が続いていました。加えて、センターの責任感と完璧主義の性格から、精神面も追い詰められていました。ファンに心配させまいと無理し続ける彼女に、何も言わず寄り添える人がいればよかったなと感じました。

逆に言えば、かとしでなければ乗り越えられないスケジュールだったので、本当によく頑張ったなと思います。


W-KEYAKI FES.について

次に、W-KEYAKI FES.のことについて。
前提として、僕はケヤフェスの2日目も全国ツアーも見ていません。映画内だけの情報で書くことをご了承ください。

ケヤフェスの演出家からのメッセージは、いい燃料になったと思います。少しのシーンだけでしたが、2日目より3日目の方が誰跳べに力強さを感じました。メンバーが壁に向かって叫ぶシーンには驚きましたが、キツい言葉を受けても悔しさをバネにできるメンバーに感動しました。

伝え方次第で、人のモチベーションは大きく変わります。全国ツアー初日後の今野さんの言葉は、最初に悪かった点を具体的に示し、期待を含めた伸びしろを伝えていて、プロデュースする者としての伝え方を感じました。
一方で、ケヤフェスの演出家の言葉は、明確にハッパをかける意図があったように思います。演出家もライブ作りのプロであり、表現者のプロであるメンバーとのプロとプロのぶつかり合いを感じました。

3回目のひな誕祭について

次に、東京ドーム公演について。
22人全員でのライブに対する美穂の想いに、心が揺さぶられました。グループ初の東京ドーム、そして美穂にとっては最初で最後の夢の舞台に、どうしても全員で立ちたかったのでしょう。濱岸ひよりのコロナ陽性にライブの開催自体を危ぶむメンバーもいた中、“全員でステージに立つ”ことに拘っていた美穂が泣き崩れる姿は胸が締め付けられました。
それでも、翌日のリハーサルにはライブを成功させる意志を目に宿していて、本当にプロだなと感じました。

映画内では、観客席にいる柿崎芽実、井口眞緒、長濱ねるの姿もあり、ひらがなけやきで一面のピンクを見せてあげられたことが実感できました。このシーンは涙が溢れて止まりませんでした。


個人的要望

こればっかりはコロナが悪いのですが、東京ドーム公演後の感想はメンバー全員分聞きたかったと思いました。ライブ後1週間の間にインタビューができれば、生の感想がライブ音源をバックに聞けたのかなと思っています。

また、エンディング曲に選ばれたのは「飛行機雲ができる理由」でしたが、別の曲が良かったなと思います。この曲が悪いわけでは決してなく、一曲に対する意味合いが多すぎるかなと感じます。『3年目のデビュー』の時の「車輪が軋むように君が泣く」は、アルバムツアー以降ほぼ聴くことがなかったので、『3年目のデビュー』のエンディングとして強く意味付けされたように感じます。だからこそ、『希望と絶望』といえばこの曲、となる楽曲があればよかったかなと思っています。


最後に

22人の体制は終わり、第1章が完結した日向坂ですが、全員選抜も変える時が来ているのかなと感じます。この映画でも休業メンバーへのインタビューが多かったですが、全員選抜は誰かがいないダメージが大きいことがデメリットに感じます。

全員横並びの姿勢は絆を強くしますが、休業メンバーへのプレッシャーや穴を埋めるメンバーの負担が大きく、心の余裕を持てる体制作りが求められているのかなと思いました。

新しく入ってくる4期生が何人になるかわかりませんが、新体制がメンバーにどう影響を与えるかがとても楽しみです。


思想強めの文章になってしまいましたが、映画としてはおひさまなら必見の内容になっています。
何度も見ればまた違った感想を持つかもしれませんし、とても面白いドキュメンタリーでした!

ではまた。

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