clover farmの取り組み

これまで取り組んできたこと

地域で発生するエコフィードの利活用

野菜のカット工場で出る野菜の廃棄物や醸造所で出るウイスキー粕や酒粕、豆腐工場のおからなど、街社会で発生する植物性の産業廃棄物を飼料として購入し利用することで、ゴミを減らし、そこから食料生産に繋げる事で、エコシステムに酪農を用いてきた。

農商工連携

自身の手で、生産加工販売まで行う六次産業化とは違い、地域の製造業者や販売業者、飲食店と協力し、それぞれの能力を最大限発揮することで、最終消費者へ地域の魅力を伝えてきた。富山県は牛乳の需要に対し、生乳生産は6割程度しか満たせておらず、酪農現場に携わる立場として、現時点ではより潤沢に地元産の牛乳を生産する役割を担う事こそ大儀として捉えている。

酪農教育ファーム認証取得と教育ファーム活動

酪農業の魅力や、産業的な価値を伝える取り組みを行う事で、酪農乳業への理解醸成を行うと共に、地域生活者が農に触れる機会を提供してきた。

今、取り組み始めたこと

規模拡大による乳生産量の増加

2015年のclover farm開業時7頭から事業を軌道に乗せ、経産牛45頭、育成牛40頭の85頭ほどまで増頭してきました。しかし、富山県下の乳牛頭数は減少の一途をたどっており、業界のインフラの維持が課題となっている。また地域の農地の維持、地域農業における有機質資源の不足という観点からも増頭を決意し、2023年4月より搾乳牛100頭を飼養できる牛舎を新設した。

完熟たい肥の製造と地域への提供、活用

牛舎の新築にあわせ、堆肥舎も新築した。これにより、これまでは完熟たい肥の生産を行う事が能力的に不可能だったが、今後は可能となった。これにより、糞尿の処理を自社で完結させることができるようになっただけでなく、地域の農地へ有機質資源として施用する事が可能となり、地域で資源循環を行う事が可能となった。

水田や遊休農地を活用した飼料生産

地域の水田は約250haあるがその半数は減反対象となっており、農業の課題だ。また、農業の担い手不足により、地域の農地は集落営農組織で管理されており、栽培技術や人手の必要な果菜類の栽培生産に農地を活用していくのは現時点では困難だ。このため、より省力化が図れる飼料生産基盤を構築していく事は、乳牛の飼料を国産でまかなう事が可能となるだけでなく、地域の農業課題の解決にもつながる。これに必要な機械の導入も2023年に行い、初年度は米収穫後の長藁の回収と飼料利用がスタートしている。2024年は条件不利地の集約と永年草地の造成をスタートさせる予定だ。

今後、取り組みたいこと

第二、第三牧場の設置

clover farmとしての規模拡大は現拠点では上限に達したと思っている。これ以上の増頭は、堆肥の処理などの点から地域環境への負担が過剰になってしまうだけでなく、堆肥の農地還元を考慮した結果、遠方まで堆肥を運ぶ必要が出てくることから非効率だと判断した。このため、少し離れたところに、第二、第三牧場と支場を設け、そこの場長として、酪農での独立参入を希望する若手をのれん分けも視野に配置し、地域の乳牛頭数を増やしていく。これにより、生乳生産量増、飼料の利用量増、堆肥生産量の増加、堆肥の農地供給の効率化、環境への負担減、加えて新規参入希望者の就農支援にもつながる。

飼料生産の強化と利活用、流通拠点の整備

今後、飼料の生産量が強化された際には、生産された飼料を一か所に集約し、そこにTMR工場を誘致して生産された飼料の効率的な利用を行っていく。更にそのTMRを広域に対して流通をすることで、飼料生産が困難な農家や地域に対しても国産飼料の供給体制を整える事ができる。

農業シェアハウスの設置

昨今、農振地において、町中からの移住者が増え、農業に理解の無い人による、農業活動への批判によって、農業生産のコストが上昇している。また、空き家の増加も農振地の悩みの種となっている。そこで、空き家を活用した農業シェアハウスを設置する。このシェアハウスに居住することの出来る人は、シェアハウスに常に寄せられる地域の農作業に携わる事が条件とする。必ず8時間でなくとも、一日1時間とかでもよい。こうして、農業に興味がある人の農振地への流入を増やし、農業の人手不足の緩和に繋げるとともに、農振地内における農業関係人口を増やし、居住者をできるだけ多く農業に理解のある人でコントロールしていきたい。また、地域や農業が気に入れば、他の空き家をリフォームして定住するなどの選択肢も増やしていきたい。

clover farmの取り組みに共感・応援して下さる場合は、ぜひサポートをお願いします。今後の取り組みに有効活用させていただきます。