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らべあろ企画~駅にまつわる思い出の一句~

alohaさんとラベンダーさんの
こちらの企画に参加させていただきます。

 駅にまつわる思い出を、
『駅名』と『春の季語』を入れて詠む。
ということで、
思い出の一句を詠んでみました。

春星や市民広場の駅の坂

しゅんせいやしみんひろばのえきのさか

季語:春星
春の空に淡い光を放ち潤んだように美しく輝く星々


兵庫県神戸市を走る無人運転の電車
ポートライナー
その線に「市民広場駅」という駅があります。 
市民広場駅は、
コンサートなどが行われるワールド記念ホールや、
様々なイベントが行われる国際展示場や国際会議場、
そして、プールやアイススケートができるスポーツセンターなどの最寄り駅。
幼い頃から家族でよくお出かけした駅です。

現在は、実家帰省の際、
たまに帰りの飛行機が朝早い便になる際に利用している駅です。
神戸空港駅があるのもポートライナー。
実家から空港まではちょっと距離があり、
始発の電車に乗っても間に合わないときは、
空港に近いホテルに前泊します。
そのホテルの最寄り駅が、市民広場駅。
昨年は、実家に帰る機会が多く、
そのうち3回ほど朝早い便に乗ることになり、
市民広場駅に行きました。
この句はその時の出来事を詠みました。

市民広場駅は、
電車を降りてホーム階から改札階に着くと、
改札機まで、結構な勾配のスロープ(下り坂)があります。
そして、改札口を出てからも、
ホテルまで急な上り坂が数ヶ所あります。
ひとつひとつの坂の距離はしれているものの、
私にとっては、
自分で車いすをこぐにはちょっときつい坂道です。
その坂たちがいつも不安で不安で……。
のぼりもくだりもドキドキ……。

ホテルに入るのは、
毎回、前日の晩で、辺りが暗くなってからです。
星空のあたたかいエールをうけながら
必死に駅構内の坂とホテル前の坂を
のぼったりくだったりしています。

行き交う人たちも、
気になる様子で私を見つめます。
普通に歩くのも急なところもあるので、
車いすは大丈夫なのかと心配そうな眼差しで。
ただひたすら道を見つめて車いすをこいでいると、
たくさんの視線を感じます。

私が坂をのぼりきるまで、
心配そうに見守ってくださる方々。 

そして、声をかけてくださる方々も。 
ある日、
前から歩いて来ていた男性の方が、
駆け寄ってきてくださり、
車いすを押してくださいました。
またある日は、
後ろから、女性グループの方たちが、
「すみません、押しましょうか」と
声をかけてくださり、
車いすを押してくださったこともありました。
 
たくさんの方々、たくさんの星々に、
優しく見守っていただいている駅の坂道です。

ラベンダーさん、alohaさん、
駅の思い出に浸る機会をありがとうございます。

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