clryk

思いを言葉にすることの大切さを、わかっているだけではなく、実践していこうと思いました。世の中の出来事やニュースに対する所感であったり、頭の中でぐるぐると考えていたことを文字にしていこうと思います。

永井均(2011)『倫理とは何か:猫のアインジヒトの挑戦』ちくま文芸文庫

道徳的によいことは何故推奨されるのかというところから、最終的に道徳は虚構であり、全ては利己的なものが支配していると主張する本書。そして、利己主義の例外は他者への利益供与を目論む「愛」の状態だとしながら、その場合は道徳を推奨しないことを求める。

一見すると核心を突いているようだが、筆者もまた議論を回避している一つの前提を持っているように思えてならない。むしろ、哲学というものはいくら革新的な見方をし

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同僚

通り過ぎていく人がまた一人
過ごした時間は僕の人生の中に溶けていく
ほらまた一人
ああ今回はなんて短いんだろう

そういえばあんな子もいたっけな
まっすぐ向き合っていたはずの彼らは消えた
なんでだろ
いったい皆どこへ行ったのさ

朝から晩まで一緒に働いて 同じ部屋で同じ空気を吸って
他愛のない話も少しはして 仕事をしてきたあの人は
人生をともに生きてきたようなもの

ある日とつぜんいなくなる
そし

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瀬尾まいこ(2018)『そして、バトンは渡された』文藝春秋

現状を肯定する力、それが生きるヒントなのだろうと勇気をもらえる一冊。奇抜な設定は無く、淡々と過ぎ行く毎日に今を認める力強さを感じられる。

家族のかたちを少し、大きく広げてもいいのではないかという考えがまたもにじみ出ている。いま私たちが求めているつながりってなんだろうか。

朝井リョウ(2015)『何者』新潮文庫

どうしてだろう。「必死」になっている人のことを恥ずかしく思ってしまうのは。そしていつからだろう。綺麗なはずの言葉を素直に受け止められなくなってしまったのは。これが、大人ってことなのかな。違うよ。

何者かになりたくて、もがいているんだったらいいじゃない。たぶん綺麗だからさ。いまに見てろよ。私は、私のなりたい者になる。私だけがなりたかったあの日の何者かに。

読売新聞経済部(2019)『インサイド財務省』中央公論新社

この国を動かす一つの組織の内実が、綿密な取材によって鮮やかに描き出されている。強く感じるのは財務省という組織が、この国の最高峰ともいえる人材集団であり、その一挙手一投足にまだ大きな影響力があるはずだということ。

理念を持って、この国の行く先を遠く見据え、解を考え抜く財務官僚の、誇り高きが再び蘇らんことを。そして、顔も見ぬ多くの国民一人一人の幸せを背負って立たんとする気概を持つ人間がこれからも多く

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住野よる(2019)『麦本三歩の好きなもの』幻冬舎

生きていく勇気がもらえる一冊。生活するにあたっての、いつもの自分の一つ一つの行動が肯定されるような、そんな感覚にさせてくれる。明るい楽しい平凡な日々の強くしなやかな我々みんな一人一人の物語。

きっとどんな人間でも外見と内面には差があって、口には出さない思いがたくさんあって、色んなドラマの原因になるそうしたひみちゅが少し読んでいてじーんと来たりした。