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コジマの日記 第3巻 2017年10月出版

 7年の歳月を経てようやく出版された「コジマの日記 第3巻」を読了しました。この巻は普仏戦争を経て成立したドイツ帝国において、バイロイトに居を移し、「神々の黄昏」の作曲をしながら、祝祭実現に向けて、劇場建設、資金調達、演奏家の獲得に動き出したワーグナー夫妻の様子が記されています(1871.11~1873.4)。

 コジマとリヒャルト夫妻はとても会話が多い夫婦です。日記はコジマのワーグナーに関する口述筆記のような形ですが、コジマも文学や音楽についてたくさん触れていて文芸が好きな女性だったんだなぁと改めて思います。ニーチェ教授、ショーペンハウアー、ベートーヴェン、シェイクスピアの話が多いですが、コジマがダーウィンの「種の起源」を読んでいたり、ワーグナーがロッシーニの「どろぼうかささぎ」の序曲を高く評価していたり、どの作曲家がイケメンかというような俗っぽい話も夫婦でしていて、楽しく読めました。ゲーテの「親和力」を読みながら、自分たちを登場人物になぞらえて、二人で泣いたりしたことも記されていて、夫婦の強い絆を感じました。

 読書のお供は、ラトル&バイエルン放送響の「ラインの黄金」。Rheingold Rheingoldを、ラインの乙女たちと一緒に口ずさみながら、歌をたっぷり堪能して、リフレッシュしました。

 第4巻、いつ出版されるのかわかりませんが、読むのがとっても楽しみです♪


ヴォータン:ミヒャエル・フォレ(バリトン)
 ローゲ:ブルクハルト・ウルリヒ(テノール)
 アルベリヒ:トマス・コニエツニ(バス・バリトン)
 フリッカ:エリーザベト・クルマン(メゾ・ソプラノ)
 フライア:アネッテ・ダッシュ(ソプラノ)
 エルダ:ヤニーナ・ベヒレ(メゾ・ソプラノ)
 ドンナー:クリスチャン・ヴァン・ホーン(バス・バリトン)
 フロー:ベンヤミン・ブルンス(テノール)
 ミーメ:ヘルヴィヒ・ペコラーロ(テノール)
 バイエルン放送交響楽団
 サー・サイモン・ラトル(指揮)
 録音時期:2015年4月24,25日

注)2018年10月13日の過去投稿記事です。


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