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 最近、トーマスマンの「魔の山」のオーディオブックを買って聴いています。このボックスは10CDなので、すべての文章を朗読するわけではないのですが、登場人物の台詞がいろんな俳優さんで語られるので、臨場感があります。 

 ショーシャ夫人とハンスカストルプの声が若い男女の声なので、恋愛のシーンもしっくり合いました。

 「魔の山」の第7章「妙音の饗宴」では「ポリュヒュムニア」というドイツ製の最新蓄音機が登場します。「これは器械とか器具とかいうような下等なものじゃない」「これは楽器だ、ストラディヴァリウスにもグァルネーリにも匹敵する楽器です」とベーレンス顧問官が説明し、サナトリウムの患者たちを夢中にさせました。

  みんなを酔わせた蓄音機、いったい、どんな風貌をしていてどんな音色だったのだろうと想像力が尽きません。この朗読には、ちゃんとみんなが聴いたオッフェンバックの「天国と地獄」、カストルプが好きな「アイーダ」「牧神の午後」「カルメン」「菩提樹」も吹き込まれて、空想の映像が頭の中でかけめぐりました♪

注)2018年8月27日の過去投稿記事です。

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