女性だけの大喜利大会で見えた新たな可能性-「まっちゃんねる『IPPON女子グランプリ』」個人的考察
「第1回 『IPPON女子グランプリ』優勝は
箕輪はるかさんです!」-
こんにちは!
久しぶりの記事投稿です。
突然ですが最近,「ジェンダー平等」の流れもあってか,女性が主人公のドラマが放送されたり,女性タレントのトーク番組が増えたり,お笑いでは,出場資格を女芸人に絞った新たな賞レース「女芸人No.1決定戦 THE W」(日本テレビ系)が2017年から始まるなど,今芸能界は空前の「女芸人」「女性タレント」ブームです。
そんな中,先日フジテレビの『土曜プレミアム』枠で放送された「まっちゃんねる」という番組で,女性タレントだけの大喜利大会「IPPON女子グランプリ」を開催して話題になりました。
ちなみに,この「まっちゃんねる」という番組は長きにわたりお笑い界を牽引してきた松本人志さんがお笑いの新たな可能性に模索する実験的お笑いバラエティで2020年のスタートからほぼ年1ペースで放送され,今回で3回目を迎えました。
今回開催された「IPPON女子グランプリ」は,出場者8人を「女芸人部門」と「女性タレント部門」に分け,それぞれの部門で優勝を決め,急遽行われることになった決勝戦で各部門優勝者が対戦し,総合優勝を決めるというスタイルで行われました。
本戦の「IPPONグランプリ」のスタジオセットやフォーマットで行われた今大会。ただ,本戦と違うところもいくつかありました。
まず,審査方法です。本戦の審査はAブロックの審査をBブロックの芸人が行う。その逆もまた然り。という相互採点で審査が行われますが,今回は別室で大会の様子をモニタリングしている松本人志さん(大会チェアマン)と,「IPPONグランプリ」優勝経験者の麒麟・川島明さん,バカリズムさん,千鳥・大悟さんの4人が8点満点で審査(本戦は10点満点)で満点を獲得すると「IPPON」となるシステムで行われました。
次に,回答形式です。与えられたお題に対して自分が1位だと思う芸能人を答える「ドラムロール大喜利」は,本戦だと全員が一周回答するところ,今回は早押し形式で出場者のうち一人でも「IPPON」を取った時点で終了というルールで行われました。
個人的には,本戦と同じルールで行った方がフェアな気がするので,また開催する機会があれば大会のルールは本戦と統一して欲しいなと思います。
ここからは,「女芸人部門」「女性タレント部門」に出場した各出場者について,大会の振り返りも兼ねながら詳しく見ていきたいと思います。
女芸人部門
箕輪はるかさん (ハリセンボン)
今大会唯一の本戦出場経験者であるハリセンボンのはるかさん。フリップをめくるタイミング・声・ワードセンス全てが抜群で,まさに「はるか無双状態」でした。審査をしている松本さんがはるかさんの回答に爆笑するあまり,得点のボタンを押し忘れてしまっていたのは特に印象的でした。
個人的には,「普段下着売場で言わないことを言ってください」というお題で「全然いいのがありませんね……手ぶらで帰らせていただきます」という回答が秀逸で素晴らしいなと思いました。圧倒的な大喜利力で見事,「女芸人部門」を制しました。
加納さん (Aマッソ)
「THE W」2年連続決勝進出など,今波に乗っているAマッソのツッコミ担当の加納さん。
Aマッソさんのネタを彷彿とさせる大きな声とワードセンスで,個人的には優勝候補だと思っていたのですが,あまり「IPPON」が取れず,残念でした。
イワクラさん (蛙亭)
「キングオブコント2021」ファイナリスト・蛙亭のイワクラさん。今春からは吉住さんとの冠番組がスタートするなどこちらも好調です。
序盤は一本も取れず,大きく出遅れましたが,中盤の五・七・五問題で流れを掴むと一気に追い上げ準優勝。抜群と追い上げ力とリカバリーを見せただけに松本さんも仰っていましたが,「スロースターターだったのが悔やまれる」なと思いました。
福田 麻貴さん (3時のヒロイン)
「THE W 2019」優勝・3時のヒロインの福田さん。同じブロックで戦った加納さんとはレギュラー番組で共演中で,お互いにバチバチ。松本さんに「おみしん(お見送り芸人しんいちさん)とZAZYみたい」と今年の「R-1グランプリ」での話題にかけて揶揄されていました。
下ネタの回答が多く,0ポイントを出すことも多く,ちょっと回答の方向性は柔らかめの方がいいのかなと思いました。
個人的には,福田さんのコメントがフロア進行の伊藤利尋アナウンサー(本戦でもフロア進行を担当)に「ふ~ん」と流されていたのが印象的でした。
芸人4人による激戦を制したのは,はるかさん。初代「IPPON女子グランプリ」芸人部門の王者に輝きました。
女性タレント部門
王林さん
王林さんワールド全開で優勝争いに最後まで加わる大活躍でした。個人的には,「『壁ドン』に次ぐ女性がキュンキュンする仕草は?」というお題の「ぼうこう莫大男」という回答はインパクトと笑いの両方を兼ね備えていて素晴らしいなと思いました。
渋谷 凪咲さん (NMB48)
芸人も唸り,恐れるほどの巧みなお笑いセンスを武器にテレビに引っ張りだこ。事前の下馬評で「優勝候補筆頭」に位置付けられていた渋谷さん。
その期待通り,第1問の最初の回答(「『壁ドンに次ぐ女性がキュンキュンする仕草は?』の『尻モギ』という回答」)から「IPPON」を取るなど,大喜利力を存分に発揮していましたが,会場の空気に飲まれたり,ハードルが上がったりしたのか,後半は失速。女性タレント部門で準優勝という結果になりました。
神田 愛花さん
バナナマン・日村勇紀さんの妻で元NHKアナウンサーの神田愛花さん。テレビではその天然発言が度々取り上げられて話題となっています。そんな神田さんがこのブロックをかき回しました。
大喜利のルールやセオリーを無視した回答を連発し,松本さんに注意を受ける場面(今大会は松本さんの裁量で大喜利を一時中断してスタジオの出場者にメッセージやアドバイスを送ることが出来た)が度々あったり,0ポイントの回答が多いだけでなく,神田さんが崩れるとなぜか他のメンバーも神田さんの回答に寄ったり崩れたりと,何かと会場の空気を左右して鍵を握っていたように思います。
滝沢カレンさん
「IPPONグランプリ」の本戦中にYouTubeの生配信をし,大喜利の特訓をするなど,大喜利への熱は渋谷さんに負けず劣らずの滝沢カレンさん。今大会ではその特訓の成果が開花。「カレン節」が炸裂し,会場を大いに沸かせ,見事「女性タレント部門」優勝の称号を手にしました。
女芸人部門以上に熾烈な争いとなった女性タレント部門は滝沢カレンさんが王者の称号を手にしました。
決勝戦
箕輪はるかさん (ハリセンボン)
決勝戦でもはるかの勢いは衰えることを知らず,冷静沈着かつ淡々と笑いを取っていく姿はカッコ良かったです。総合優勝を決めたお題(女性が男子に求める「三高」 「高身長」「高収入」「高学歴」 4つ目の「高」は?)の答えである「高速渋滞情報リアルタイムキャッチ」は今までにないワードなのになぜかしっくり来る素晴らしい回答で,個人的には,今大会で一番好きな回答でした。
滝沢カレン さん
女芸人部門優勝のはるかさんと総合優勝の座をかけて戦ったカレンさん。別室でモニタリングしている松本さんが✕の札を上げるまで続くしりとりのお題で回答に「ん」が付いてしまい,はるかさんに一本が入ったのが悔やまれますが,大喜利の回答としては素晴らしい回答でした。
まとめ
はるかさんの総合優勝が決まったあと,カレンさんが横で「カッコいい」と一言。それに呼応するかのように後日公開されたハリセンボンさんのYouTubeではるかさんが「カレンさんカッコ良かった」とお互いがお互いを尊敬している姿が見られた今回の第1回「IPPON女子グランプリ」。
白熱した大会の裏に女性タレントの絆が深まっていったような気がしましたし,大会のエンディングが川島さんが仰っていたように
「大喜利に男女の区別はない」
と改めて思いましたし,女性タレントや女芸人さんたちの大喜利の未知の可能性を感じた第1回大会でした。また不定期でさまざまなメンバーで開催して欲しいです。
「まっちゃんねる」は実験的お笑いバラエティです。そうして考えてみると,今回の実験は成功だったと思います。続編期待。
長くなりましたが,そろそろ今日はこの辺で筆を置きたいと思います。日に日に暑くなってきて体調が辛い時期ですが,皆様お体ご自愛ください。くれぐれも熱中症には気をつけて!
それではまた。
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