<イラスト集「魔法」収録作品「儀式」に関する考察ノートです。>
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新しく絵が描けました。
曼荼羅のような図形的な絵です。
今までの自分の絵には無かった表現で、とても気に入っています。

新しいと言っても、最古に現存するラフ画データの日付は2013年の12月と、確認すると完成までにそれなりに時間が掛かっていることが分かります。
しかし、途中わりと手を付けられない時期などもあったりして、トータルでの作画時間は2ヶ月掛かっていないかな、という体感です。

人の中の善なる心と悪しき心を「天使と悪魔」に見立てた表現というのは、自分の身の周りにも溢れているなんの変哲もないモチーフやテーマだったりしますが、僕は割と昔からそれが好きで、前作「かたちのつくりかた」に収録した「偏食」という作品に代表されるように、小さい頃から大事にしているものの考え方の一つだったりします。
ただしやはり表現の世界の話になると「ベタ」だと言われがちなこの手のモチーフだったので、今回「魔法」に収録する作品には極力入れずにいよう、描かずにいよう、と思っていましたが、やっぱり今回も頼ってしまいました(笑)
ただし、この絵に至ってはスタートがその「天使と悪魔」を描きたかったから、ではなく、「魔方陣」を描きたかったところからスタートさせているので、「天使と悪魔」はこの絵の中ではあくまでエッセンスの一部となってくれているような気もしていて、その辺も気に入っています。

「魔方陣」や「曼荼羅」といったような、図形的で規則性のある構図の絵を入れることはこの企画を動かし始めた時から「何となく描くことになりそうだ」と予感はしていました。
でも実際に描く際、中心を自分、もといこの絵の主人公とするとして、周りをどのような構成にしよう、また、なぜ魔方陣や曼荼羅の表現がしたいのか、などと模索するとなかなか良い口実が見つからず、考えている間に何年か経ってしまっていました。
結局、完成したものの通り就寝の際のシチュエーションということに決まるまで、頭の中で構図やそれぞれ登場しているモチーフを考えて構築するまでの時間が長かった絵かもしれません。
お蔭で構図・シチュエーション・モチーフやストーリー、この三拍子がきちんと揃った状態で作画に入れた数少ない絵の一つとなり、普段絵を描き進めながらそれらを模索する、という工程が無くなった分、色の選び方や筆のおき方など、今までの自分の作品から一歩奥へ踏みこんだような表現が出来たような気がします。

テーマについてもう少し掘り下げて記述致しますと、