幸せの肛門

どう見ても、どぎついタイトルだ。


私の職場は、子どもだらけの世界。
平日は子どもとずっと過ごしているが、土日や金晩に乗る電車にはうじゃうじゃと大人がいる。
そんなとき、大人ってこんなに大きいんだ、人間ってこんなに喋るんだ、と、アリになった気分になる。

というは前置き。

今、私の眉間にはちいさなニキビがある。
それに気づいたあるひとりの子どもが、

「ここに肛門がついてる!」

と私の眉間を指差して言ってきたのだ。
ふむふむ、と喧嘩腰に話を聞くと、どうも、子どもに大人気の「こびとづかん」に、眉間に大きな赤い丸(デキモノ)のあるキャラクターがいるらしい。

「そのな、赤い丸な、肛門やねん!やから顔に肛門ついてる!」

と彼は笑い転げた。そしてこう続けた。

「でもな、その肛門は幸せの肛門!!」

、、、、、、、
こちとら嬉しくもなんともない。
顔に幸せの肛門がついてると指を指されて笑われたのだ。子どもがおかしがちな軽犯罪である。


訳がわからぬままその場はあしらい、職場から帰ってきた。

本当に肛門なのか?頭から肛門ってヤバくないか?と思い、こびとづかんについて調べてみた。

すると、眉間に赤い丸のあるこびとは、見たら幸せになれるとあり、まさにその赤い丸が、

幸紋 (こうもん)

だったのだ。

これこれ。この眉間の赤いやつ。幸紋。


なんとまあ、子どもの言うことだから半信半疑だったが、大正解のことを言っていた。

そしてよくよく考えると私のことを、見ると幸せになれる対象とその子は言っていたのだ。

ありがとう。幸せの肛門をつけて今日はユニバに行く。ちょっぴり恥ずかしいはずのニキビを、そのように言ってくれたその子を、週明け思いっきり抱きしめたいと思う。

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